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「困ったなぁ〜……」
かれこれあり十日が過ぎた。その間来るのは、俺の戦力目当てのカスetcだけだった。俺はもう諦めかけていた、もうナンパしかないのだろうか。
とりあえず、今日もギルドの掲示板で今日のニュースを見るとしよう。
ギルドの扉を開けると、とてつもないほどの人で溢れかえっていた。
見てみると、どうやら、あのゴブリンの依頼を受ける人が全くいなかったらしく、大量にゴブリンが発生しているらしい。
「ゴブリン退治か〜……めんどっちぃからオイラはパス。」
「一瞬で終わるんならいいわよ!終わらないんなら嫌だけど。」
まぁ、ゴブリンって臭いしキモいし人徳的に殺しにくい大きさだしな〜……俺が名乗り出たら誰か来てくれるかな?
「あの、俺は行こうと思うのですが、どなたか一緒にお供してくれる方はいらっしゃいますか……なんて。」
周りに人はもういなかった、まぁ……そんなもんか。
去ろうとした時、一人の少女が話しかけてきた。
「あんた、みるに耐えないほどブザマねぇ〜……喜びなさい!頼り甲斐があって、美人で!テンサイな、この!アタシが!あなたをスカウトするわよ! 」
上から目線(物理的にみると下)の少女はそう言った……おぉ、お前も一人ですみっこ立ってたろうが。
俺は苦笑い(顔は骨だけど)しながら名前を尋ねた。
名前はレディア・マウェスト、16歳らしい。
泣きたくても涙が出ないなぁ……十歳も差が、まぁ、俺もそんな歳か……
「あー、一緒に来てくれるならありがたいよ。すごい豪華そうな服だけど、職業は?」
「はぁ?見てわかんないわけ?どー見ても魔導士でしょう?」
「……うん、そうだね。」
泣きたくても涙が出ないなぁ……こいつと十歳差なんて。
俺とレディアは、受付で手続きを済ませた。どうやらレディアは見た感じ、どこかの貴族っぽい。なんか、知ってるような、知らないような……まぁ、そのおかげで、受付の作業が円滑に進んだ。
貴族なら、下民に対する振る舞いも教育してほしかったなぁ。
馬車に乗って目的地に移動している最中、ありがたいことに、俺と組んだ理由を話してくれた。
「アタシね、もう後がないの……あ、バカのあなたにわかるようにいうと、年内に実力を見せつけれなければ、絶縁されちゃうの。でも……必然的にあなたと組む人が全くいなかったの!ここで自分の価値を証明すれば、アタシは助かる!って思って、今ココにいるってわけよ!」
……節々には引っかかるところはあるが、理由を正直に話してくれたのでよしとしよう。
「なるほどな、大丈夫だ!約束しよう。絶対にお前の価値を磨き上げてやる!証拠を求められた時、俺が、絶対に証明してやるよ!」
さっきまで少し暗かった彼女の顔は、少し明るくなってくれた。
そうこう話しているうちに、目標の場所に着いた。
しかし大きい森だ。こりゃあゴブリンも勢いよく増えるわけだ。
俺はレディアに離れないように念押しして、森の深くへと足を運んだ。
「静かに、あそこに四体だ。」
「よくあの距離で気づけるわね、本当にアタシと同じランクかしら。」
レディアの得意な魔法は、遠距離援助を得意とする雷属性と聞いているため、遠くで足を止めさせた。
レディアは集中して魔力を込めて、敵を潰そうとする。杖の先のパチパチと音を立てる電気の球が、人の頭ほどに大きくなっていく。
「スイグ・エレキティ!!! 」
球は細く分散し、各四体に向かっていく。
ゴブリンが気づいた時には魔法は、目の先一寸、どう足掻いても手遅れだ。
ゴブリンに球が一発、さらにもう一発とヒットする、なんと、ゴブリンを一気に四体、見事に倒してしまった。
ちなみに、魔法の系統は四つ、それプラスで属性が基本だ。
シェット系は散弾のように散らばって飛び、威力が高い。これは水系統と相性良しだ。
ナイプ系は、飛距離による威力減衰がほぼゼロで、よく飛んで威力が高い。だが、魔力の消費量が問題だ。こっちは雷系統と相性がいい。
ベイム系は、爆発による広範囲攻撃が得意で、高威力で短距離だ。ナイプ系と同じく、魔力消費がすごい。爆発というだけあり、炎系統と相性がいい。
最後にスイグ系は連弓のように速い射出で威力が低い 、弾数勝負。それゆえに扱いがとても難しい。それゆえ、単発での威力が高い、岩系統と相性が、抜群に良い。
最初の口調からは小物感が感じられたが、これなら絶縁もないだろう。
「やるじゃないか!しかもスイグ系とは……驚いたよ、正直。」
彼女は誇らしげに杖を掲げる、大魔導士のつもりだろうか。
この後彼女は、ナイプ系の練習をしていた。反動を殺して、あまりに正確に打つもんだから、もう何も言えなくなってしまった。
そしてさらに深く潜ったところで、問題が起こった。
「グレート・ゴブリン?!なんでここに?!」
そう、この森にいるはずのない上位種がいたのだ、突然変異か、それとも悪いことの予兆か……
「ナイプ……!
「待て!あいつは危険すぎる!……俺が合図をしたら、打ってくれ。」
レディアは俺を心配そうな目でみるが、関係ない。勝てるかはわからないが、やるしかない。
「グゥ?ゲグラガガァ!」
近くでみると怖いものだ。俺の身長の二倍は余裕である!棍棒も俺ぐらいある!
紙一重で通り抜けるが、早めに削らないと、俺が危ないな……
まずは活性化で右足を抉る!
「ギッギィ?!」
すみっこの文字
49
上野文
4,975
20
#シェイプシフター
柊遊馬
4,799
よし、特訓の成果が出ている!俺に棍棒を振るう前に精霊幻覚で、俺の姿を隠す!
「ガァァァアアァ!?」
俺は懐から左肩にかけて、剣を抜いた。あいつはさっきよりかは弱ったが、活性化の効果がタイミング悪く弱まり、骨が折れてしまった。
「ぐぁっ……!打てぇ!レディア!」
「ナイプ・エレキティ!」
見事、頭部にクリーンヒットし、あいつは死んだ。
俺は自分に骨回復を使っている最中、レディアが話しかけてきた。
「ねぇ、あなたがトドメを刺して、経験値総取りもできたんじゃないかしら?」
「いや、俺が取るより、お前の価値を上げる方が大事だ。レベルも、相当上がったんじゃないか?」
彼女は嬉しそうに話す。
どうやら、レベルが6まで上がったらしい。
なんか、俺が簡単に10まで行ってしまったから申し訳ない気がしなくもないな。
「ありがとう!ルトンさん!」
あんな性格の子がこんなことを言うなんて……感動だ……
そうして俺たちは馬車に揺られて帰路に着いた。道中、レディアは寝てしまったが、魔力消費量もすごかったし、まだ歳も取ってはいないし、逆に途中で倒れなかったことが不思議なほどだ。
待てよ、俺は酷い勘違いをしていたかもしれない。
確かに名前はレディア・マウェストだが、ミドルネームがあるかもしれない。
「なぁ、レディア、今話しかけても大丈夫か? 」
「ん……えぇ、大丈夫よ。 」
「お、お前のフルネームってなんだ?」
「レディア・エレキテル・マウェストよ?」
あぁ、なんてことだ。思い出したぞ、この子は小さい貴族じゃない、むしろほぼ王族だ。
マウェストという姓、レディアという名前はよくいるが、まさかそのマウェストだとは思わなかった。
この子は雷の賢者エレキテルの子孫、マウェスト家の三女、レディア・エレキテル・マウェスト、南国生まれの天才だ。
俺、色々大丈夫かなぁ……
第4話[ゴブリン退治] fin
失礼します。どうも、作者です。
読んでくださり、ありがとうございます。
だいぶ無茶苦茶な物語になってきました。が、着いてきてくれると嬉しく思います。
失礼しました。
コメント
1件
第4話、読み終えました!ゴブリン退治かと思いきや、レディアとの出会いから一気に話が動いて面白かったです。最初は口が悪くてツンツンしてるけど、実力は確かで、最後には「ルトンさん」って素直に呼べるようになるのが良いですね。魔法体系の説明も丁寧で、世界観に深みが出てます。ただ、王族の子と組んで大丈夫かな…心配になる終わり方も気になります!