テラーノベル
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血と鉄の臭いが残る廃車場の陰。
積み上がった廃車の山を背に、Gatitoは凶暴な笑みを浮かべていた。
背中の魚の骨柄パーカーをなびかせ、トゲ付きの腕輪を激しくジャラジャラと鳴らす。
「今日こそそのすばしっこい脚、へし折って肉片にしてやるぜ……ドブネズミッ!」
Gatitoは地を蹴ると、必殺の勢いで右手を振り下ろした。
空を切り裂くのは、鮮烈な光を放つ大きな緑の爪。
まともに喰らえばサバイバーなど一発で肉塊に変える凶器だ。
しかし、Ratはヘルメットを抑えながら、紙一重の踏み込みでその斬撃をすれ違いざまにかわしてみせる。
長いピンクのしっぽが優雅に弧を描いた次の瞬間、Gatitoの視界からネズミの姿が消えた。
「なっ……!?」
「やあ、いい振り抜きだ。実に力強い!」
背後から届いた声と同時に、Gatitoの右手首がガチリと固定された。
旋回して振り払おうとしたGatitoだったが、腕を掴む力の強さに息を呑む。
見下ろすと、Ratが右手の黒手袋越しにGatitoの手首をしっかりと握り込み、左手の赤手袋でその緑の爪をなぞっていた。
白衣のポケットから小型の光学分光分析器を取り出し、爪の表面に怪しい青いレーザーを照射し始める。
「な、何してやがる手放せッ! ぶっ殺すぞ!」
「動かないでくれよ。ふむ……表面硬度はダイヤモンドに匹敵するが、内部構造には特有の有機ケラチン組織と結晶化された未知の生体鉱物が混在しているね。この緑色の発光成分は体内のエネルギー代謝と連動しているのかい? 実に素晴らしい、完璧な捕食器官だ!」
「ひっ……!?」
Gatitoは威勢を張ろうとするが、至近距離から見つめてくるRatの赤い眼の熱量に圧倒され、思わず声が裏返る。
Ratは逃がす気などサラサラない様子で手首を握る力を強めると、サングラスの影からニヤリと妖しい笑みを浮かべ、顔をGatitoの至近距離まで寄せた。
「痛くしないから……もっと近くで見せて?」
耳元で囁くような怪しい声と、胸元から漂う狂気的なマッドサイエンティストの気配。
さらに、透ける胴体越しに見えるGatitoの肋骨の拍動に合わせて、Ratの視線が舐め回すように動く。
「な、なんだよその目は……気安く触んじゃねぇよバカ! 俺はキラーだぞ! てめぇを殺す側なんだよ!」
いつもならサバイバーを恐怖で支配する側のGatitoが、完全にペースを乱されて顔を真っ赤にし、耳をペタリと寝かせてタジタジになっている。
鋭い爪を立てて威嚇しようにも、手首をがっちり掴まれている上に、触れられている部分から妙なゾクゾク感が背筋を駆け抜け、力が入らない。
「嫌だなあ、減るもんじゃないだろう? むしろ君のこの美しい爪の成分を完全に解析できれば、もっと効率よく君のお手入れ(メンテナンス)をしてあげられる。……ねえ、Gatito?」
「ッ~~~!? 離せって言ってんだろドブネズミぃッ!」
限界を迎えたGatitoは真っ赤な顔で強烈な蹴りを繰り出したが、Ratは「おっと、今日のデータ収集はここまでかな」と軽やかにバックステップを踏んでかわした。
赤面して爪を胸元に抱え込む黒猫と、メモ帳にデータを書き込みながら満足げに舌を出すネズミ。
二人の歪な捕食関係は、今日も完全に逆転していた。
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城プル
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ゆ♨️
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