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家の前で降ろしてくれても少し私は離れがたくて、なんと彼も同じような雰囲気を醸し出していた
立ち話に花が咲く
「離婚は大変だったの?」
彼が私の手元に目線を落として尋ねる、それで初めて私がバッグを強く握りめていることに気づいた
「ううん・・・離婚は義姉が弁護士だからスムーズにできたわ・・・むしろ大変だったのは結婚生活の方」
私は無理やり笑顔を見せた
何だかわからない感情がこみあげてくる、痛みと恐れと戸惑いが混じり合ったこの気持ちは説明することも分析することもできなかった
途端に知らない場所で恐怖にすくんでいるような、闇の中・・・霧の中で漂っているような・・・
「なんかそうやっていると、お花の国のお姫様みたいですね、すごく綺麗ですよ」
こんな風にほめられたのはずいぶん久しぶりだったので、感激のあまり一瞬口が利けなくなった、彼が興味深げにさらに私を見つめてくる
「ねぇ・・・
初めて会った夜・・・・
どうして倒れるほどお腹を空かせていたの?」
私は花束を抱えたままポーチの階段に腰をおろした
あまりにも自然に彼がニコニコして私の隣に
腰をおろし少し間をおいて長い足をのばした
「別に飢えてるわけじゃないんですよ
正確に言うと・・・・
減量してるっていうか・・・・ 」
私は驚いて目を丸くした
「まぁ!ダイエットなんかしなくてもいいのに!
むしろあなたはもうちょっと太った方がいいわ」
「あ!でも今は減量期を超えたので
何食べても大丈夫ですよ
・・・って自然な流れで何か食べに行きませんか?」
減量期・・・・
不思議な言葉を使う人ね・・・