私
にとって、「彼女」はただの友人だった。
彼女と初めて出会った時の印象は薄かった。
彼女は人見知りな性格なのか、いつも独りでいた。
話しかけてもろくに返事もしない。
だからといって、無視していたわけではない。
私が彼女に構うようになってから、少しずつ打ち解けていった。
やがて私たちは友人になり、共に行動することが多くなった。
しかし、いつの間にか友情以上の気持ちを抱いていたようだ。
気弱、無口、孤独、退屈、愚痴っぽさ、頑固者、孤立、偏狭、内向的、臆病、疑り深さ、無価値感、自虐、独善家、傲慢、罪悪感、恥辱感、悲哀感、後悔、不信感、絶望、悲嘆、自暴自棄、不満、劣等感、不安、悲観的な態度、自責の念、自己憐愍、被害意識、自信なさげな態度、劣等感からくるストレス。
病名:水瓶座恐怖症 水瓶座の人間にとって、「他人に理解されない」「受け入れられない」ということほど恐ろしいことはない。他者からの拒絶を恐れるがゆえに、自分の殻に引きこもりがちになる。そのため、コミュニケーション能力が著しく低下してしまう。また、自分が誰かに対して抱くイメージを相手に投影することが多く、それゆえに「自分は嫌われているのではないか」と考えてしまいがちなのだ。
水瓶座の性格を持つ者は、自分に魅力がないと思い込んでしまうことが多い。それどころか、「自分の存在自体が迷惑なのではないだろうか?」「他人の足を引っ張っているのではないだろうか?」などとマイナス方向に考えすぎてしまうこともあるようだ。このため、必要以上に自分を責めたり、時には自殺を考えたりする場合もある。しかし、それはすべて裏目に出て、結局は周囲からも見放されてしまう。
さらに厄介なのは、こうした性格の人間が陥る症状のひとつに「依存症」があることだ。水瓶座の人間は、物事に夢中になると他のことが手につかなくなってしまう傾向がある。たとえばギャンブルでは、一点集中型のタイプが多く、ひとつのゲームに熱中しているうちにどんどん深みにはまり込んでしまうのだ。また恋愛においても同じ傾向が見られる。水瓶座の女性は非常に独占欲が強く、好きな男性に対してはストーカー的な行動を取れば取るほど気持ちが高まって愛情表現が激しくなるのだが、その一方でいったん惚れ込んだら簡単に別れられないのも特徴である。つまり自分の中に閉じこもりがちなので、周囲から孤立して社会生活が困難になるケースも少なくない。
そういえば……最近、どこかで聞いた話だわね。
確か……水瓶座の男性も同じような性質を持っていて、女性に対して支配的で暴力的になりやすいとか。
それは……きっと、そういうものなんでしょうよ。
それじゃあ……この男は、どうなのかしら? 彼の場合……女遊びに関しては極めてドライな性格をしているようだから、むしろ、こちらの方が問題かもしれないけれど。
ふふん、まぁいいさ。
今となっては、どうでもいい話だからね。
それにしても……あんたが、こんなところに隠れ住んでるとはねぇ。
一体いつまで、こうしているつもりだい?……そろそろ潮時だよ。
いつまでも引き籠もってないで、たまには外に出てきなさい。
せっかく訪ねてきたっていうのに、ろくにもてなすこともできないなんて、まったく失礼な奴だよ!…………ああ、そうかい。
こっちだって、あんたが相手じゃあ話にならないね! さっさと帰ってくれよ!! お断りいたしますわ。
あなたこそ帰ってくださいまし。
それにしても、なんだいあの態度は? あれでよく一国の女王が務まるものだねぇ。
あら、ご存じありませんでしたの? わたくしが女王になる前からずっとあんな調子でしてよ。
ふん、知ったような口をきいて! あんたなんかにあたしの気持ちがわかるもんか! あなたのほうこそ何もわかっておりませんわ。
ええい、うるさいうるさいうるさい!!! あんたたち二人とも出て行っとくれ! こんなところに用はないんだよ! はぁ~あ。
ほんとうに馬鹿ばっかりだよね。
みんな揃って能なしばかりなんだから。
こんなところで油を売っていても仕方がない。
さっさと帰ることにしよう。
おいお前、いつまでここに居るつもりだ? ここは俺様の家であってお前のではないぞ! 早く立ち去れ! まったく、これだから下賤のものは嫌なのだ。
陛下、いかがいたしますか? 放っておきなさい。
このような者どもに割く時間はありません。
しかし、このままではまた何か問題を起こされるのではありませんか? それは困るわねえ。
それならば、やはりあの子は人ではないのだ。
あの子は決してこちらを見ない。
あの子の視線は常にあちら側にある。
あの子が見ているものと同じものを自分も見たかった。
あの子と言葉を交わしたかった。
あの子に名前を呼んで欲しかった。
あの子の声を聞きたかった。
あの子を抱きしめたかった。
あの子の温もりを感じたかった。
だが、それも叶わぬ夢なのだ。
あの子は人間ではなくなってしまったから。
だから、自分はあの子を憎んでいる。
あの子を壊さなければいけないと思った。
そうしなければ、きっと自分が狂ってしまう。
そうなれば、あの子と話すこともできなくなる。
それだけは嫌だった。
たとえそれが自分の身を滅ぼす結果になろうとも、 それで構わないと思っていた。
あの子も彼女と同じなのかしら? あの子が何を考えているのかわからないわ。
いつも笑顔で、優しくて穏やかだけど、 ときどきひどく冷たい目をしているような気がして……
わたしたちのことが嫌いなんじゃないだろうかって思ってしまって。
どうしてあんなに優しいのかしらね。
とても不思議よ。
わたしたちは彼女に救われているけれど、 彼女は一体、何から救っているつもりになっているのかしら? それとも本当にすべてを救うつもりでいるのかもしれないけど。
そういえば、前に一度だけ聞いたことがあるわ。
あなたにとって、神様ってどういう存在?って。
そうしたら彼女は少し考えて、それから答えてくれたの。
「神様ですか?うーん……。もしいたとしても、わたしはあまり好きになれないかもしれません」
そのときの顔はすごく真剣だった。
何かを恐れるような目つきをしていたように思う。
あれは何に対する怯えだったのだろう? ねえ、教えてくれないかしら? あなたにとっては、神さまはどんなものだったの?
「―――神さまだなんて!とんでもない!」
その声音は震えていて、まるで泣き出す寸前のように聞こえた。
少女は顔を真っ赤にして憤慨していた。「ばっかじゃないの!? 誰があんたなんか好きになるもんですか! こっちから願い下げよ!」
「そ、そう……。ごめんなさいね?」
「なんで謝んのよー!!」
彼女は再び憤怒した。そして足音荒く立ち去っていく。その様子を眺めながら、残された方は困ったような表情を浮かべている。
「また失敗しちゃいましたわぁ……」
「あのさあ……」
呆れた声を出したのは彼女の友人だった。
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