「今日もいねぇ~……」
ルフィたちはいつ来るのだろうか。俺が海軍本部からシャボンディ諸島に来てもう5日。あと1週間はいる予定なので、それまで来なかったらさすがに心配するぞ。
あんまりシャボンディ諸島歩き回るのも飽きたというか、下手に歩くと無法地帯で犯罪者か天竜人にエンカウントするというのもあって、今日はホテルに引きこもっていることにした。昨日買った本でも読むか。
ホテルまでの道筋を歩いていくと、突然腕を引かれた。
「誰だっ………………えっ」
振り向いて声を上げるとそこにはローがいた。
「…ロー? ロー、だよな。合ってるよな」
目の前の男、ローは俺を思いきり抱き締めた。ちょっと苦しい。でも離せなんて言えないし、正直俺も会えて嬉しい。
ローの背中に手を回す。久しぶりの感触に安心してしまう。
しばらくそうしていたが、ようやく落ち着いたのか、ローは体を少しだけ離した。そしてじっと見つめてくる。
「何年ぶりだ? 10年くらい?」
「12年ぶりだ」
おお、結構経つんだな。
懐かしいなぁと思いながら、俺は改めてローを見上げる。でっっかくなったなぁ……小さいときは俺と変わらなかったのに。今はローのが10cm以上高い。顔つきも大人っぽくなったな。
「……ロー、ちゃんと寝てるか?」
目元の隈をなぞると、ローはビクッと肩を揺らした。
「お医者さんが寝不足なのはどうかと思うぞー、俺」
「……そうだな」
素直に認めてローが俺の首筋に顔を埋める。
「おっ、おお、待て待てロー、ここそこそこ人通るから」
「……」
俺がそう言うと、ローは俺を抱えて近くの路地裏に入った。そして壁に押し付けられて先ほどのようにローが俺の首筋に顔を埋めてきた。くすぐったいし恥ずかしい……。ローはこういうことしな……いや待て、そういやこいつ俺にブレスレットプレゼントしたときに手にキスしたな?? あの時は子供だったから何も思わなかったけど、今のローはでかいしイケメンだし心臓に悪い。ここ数ヶ月そういうのがなかったから恥ずかしい。
「……ちょっ、ロー!? おまっ、吸ってね!? 吸うな吸うな!! 深呼吸すんな!!?」
だ、大分お疲れなんじゃねえのこれ!?
「船で寝ろ!! 船どこだ!!」
「23番…」
「おっけおっけ」
俺はそのままローを抱き上げてあまり人の目に触れないように迂回しつつ23番GRの方へ向かう。ポーラータング号は黄色だから見つけやすいよな…?
「あ、あった」
船の前に辿り着くと、俺は能力を使って船に乗り込んだ。甲板に降り立つと、船員たちが俺に駆け寄ってきた。
「ジェイデン!?」
「ペンギン~、お前んとこのキャプテン大分お疲れだぞ~……会うなりダウンしてる…」
「いやぁ多分それは……いや、いいや。キャプテンの部屋は――」
ペンギンに船長室の場所を教えてもらう。運ぶのを手伝ってもらおうかと思ったのだが、まあ俺1人で運べるのでこのまま俺だけで運ぶことに。
「キャプテン、よろしくな。ジェイデン」
「ん、ちゃんと寝かせとく」
船長室にローを運び、ベッドに寝かせる。
「お前キャラ崩壊もいいとこだぞ……」
「…知るか」
ふいっと顔を背けるロー。これは相当参ってるな……。俺はため息をついてローの頭を撫でてみる。すると、ぎゅっと俺の手を握ってきたので、握り返してやる。
「ふっ、はははっ、死の外科医がこんな甘えたでいいのか?」
「……しるか」
「まあ今日は久しぶりに会えたんだしもう少し一緒にいるよ」
握られた手はそのままにしておく。そのうち眠ってしまったので、俺はローの手をそっと離してから部屋を出た。
「ジェイデーン」
「ペンギン、どした?」
「キャプテンは?」
「寝たよ」
「俺らが寝ろって言っても寝ないのに、お前が言ったら一発かよ」
ペンギンが笑う。
いやいや、俺の言うことは聞くみたいな言い方やめてくれ。俺そんな大層な人間じゃないから。
「じゃあ俺はホテルに戻ろうかな。日も暮れるし。ローに言っといてくれ~」
「えっ、あ、おいっ」
まだ話したりなかったようだが、俺は気にせずホテルに戻った。
「――だとさ、」
「は~、やっぱすげぇな、ジェイデンは…」
「な~」
「にしても10年ぶりの好きな子にはっちゃけるキャプテンって……」
「まあしゃあねえだろ……。ジェイデンって捕まえとかないとどっかに消えそうなとこあるから」
「この10年以上の間にキャプテン以外にも好かれてそうじゃね?」
「わかる…。でもうちのキャプテンが1番だろ」
「それな」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!