翔太「りょうた りょたぁ」
翔太以外誰も考えられないに決まってる
たとえ
ただの文化祭の出し物だって
おれの隣は翔太しかいらない
劇の練習が始まってから
翔太の顔色がだんだん悪くなる
涼太には隠せないのだが
なかなか理由を言わない
辰哉「照 あれ 翔太じゃない?」
何人かの男子に囲まれてる翔太がいる
なんで男のお前なんだよ
翔太「しらねーよ」
クラスの女子のあの子と変われよ
翔太「先生に掛け合えよ」
このやろー
その瞬間
囲っていた男子たちが次々と蹲る
ううっ いってー
翔太に絡んでいたやつは吹っ飛んで行くくらい蹴りを入れられてる
涼太「お前ら おれの翔太になにしてくれてんの?」
容赦なく蹴りが入る
翔太「涼太? 照に 辰哉」
周りは照に倒されて蹲る
辰哉「間に合って良かったー」
涼太「翔太 大丈夫だった?」
さっきまでの威勢はどこへやら
眉を八の字にさせて
犬みたいに翔太に擦寄る
翔太「急に後ろを取られたから」
涼太「無事でよかったぁ」
今にも泣きそうな涼太の顔
翔太はぷっと吹き出す
涼太「心配したんだから」
翔太「はいはい さんきゅ」
教室ではブラックのオーラが若干発している涼太が翔太の後で腕組みしてる
無事に当日を迎える
翔太「涼太 おれは聞いてねぇぞ」
涼太「どうしたの?」
翔太「なぁ あれ ママと涼太のママだよな」
涼太「うん ちなみに妹たちも」
翔太「なんで!!!」
涼太「観に来てるだけでしょ」
物語が始まると
翔太はローズ
涼太はジャックになっている
見せ場はあの船のシーン
演劇部から借りた船の先に
涼太と翔太のタイタニックのシーン
それだけでも歓声があがる
涼太「やっぱり翔太が1番」
翔太の耳元で囁く
最後は
タイタニック号が海に沈んだ時
ジャックは海で凍死してしまい
ローズは生き延びて彼の分まで生きるという話
涼太「翔太には生きて欲しいと思うなぁ」
翔太「ばかっ 一緒に生きんだよ 」
こそっと言ったつもりがマイクが切れてなくて
体育館に響く
ママたちは苦笑い
妹たちは呆れている
その日の帰り
涼太から贈られた薔薇の花束を抱えて帰る
翔太がおりました
End
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