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「はぁ、人手足りない…。」
麗乃1人だけでは、全住民の手当が追いつかないため、蒼が手伝いに来た。それでも回復が足りない。蒼と麗乃は走り回りながら沢山の人の怪我を直した。それでもまだ半分はいるそうで、人手不足な様子。
「麗乃、私、あっちの方の人たちの怪我見てくる。」
「分かったわ。」
そういい蒼は1人で違う場所へ移動した。蒼が走っている途中、阿須と遭遇。
「おい、お前一人でどこ行くつもりだよ。」
「手当だよ。追いつかないの。私の回復能力が弱いからすぐには出来ないし。人手も足りない。」
「俺も着いていく。」
阿須は回復能力もあり、強い。本当になんでも出来る天才。珍しく蒼は阿須が一緒に来ることを許して、他の人の所へ向かった。
「な〜、翡翠〜。なーんでお前は何もやらないんだよ。俺様はやったぜ?」
少し気だるそうに話しているのは、黄昏メンバーである浦風。金髪で少し髪の長い男。美術家らしい。どうやら、浦風が和国に爆弾を落としたようだ。
「お前は空から降らせれば余裕だろ。」
自分の武器を弄りながら話していたのは、黒髪で単発の男。こいつも黄昏メンバー、翡翠。
翡翠も浦風と同じ美術家らしく、よくふたりで競っている時がある。
「俺はあの青髪女の白髪部分が欲しい。あいつの白髪は特別だ。あれさえ手に入れば、俺の毒とあいつの水が合わさって強くなる。 」
翡翠は蒼の白髪を手に入れたく、蒼を狙っている。浦風は心底どうでもいいのか、ぼーっとしていた。
「人の髪なんか、歩いてる途中でピッって取っちゃえばいいだろ。」
「外に出たくねぇんだよ。」
「お前のわがままなんて知るか、俺様はやらないからな〜」
そう言いながら浦風は外に出ていった。
「そっちは?終わった?」
「うん、終わった。ありがとう。」
阿須が蒼の手助けをしに来て、すぐに住民の手当が終わった。阿須は、医療術も使えるため困ったら、一応回復ぐらいはできる。蒼は相当疲れているのか、阿須に珍しくありがとうと感謝を伝えた。
「疲れてんな。蒼、別にいいんだけどさ、あんまり一人で行動するなよな。狙われてんのお前だってわかってんだろ?」
「分かってるわよ。狙われてることぐらい。でも、もう大人なの。行動する時は行動しなきゃ。」
そう言いながら、住民達を支えながら、家に返したり、動けない人達は担架に乗せたりし始め、撤収する準備をし始めた。
「阿須ー!」
遠くから、大きな声で叫ぶような声が聞こえた。彗だった。
「阿須、こっちは全部終わったよ。麗乃は疲れたからって先に帰った。そっちはどう?」
情報を収集しに来たようだ。あの人数を回復させるために、能力を使ってるんだ。麗乃でも疲れるに決まっている。
「こっちもそろそろ終わるぞ。出雲が、門の近くにあったカメラを見たら、黄昏らしき影が見えたらしい。爆発の原因は多分黄昏メンバーの誰かだな。影だけだったから、俺もよく分からないんだがな。黄昏についてもまだ不明なことも多いから、出雲が詳しく調べてくれてる。」
阿須が人にちゃんと説明しているのは彗も初めて見たようで、驚いたような目はしていたが、それほど重要なことだって言うことは分かる。
「分かった。ありがとう、阿須。とりあえずさ、蒼が後ろでフラッフラで今にも倒れそうだから、家まで送ってやってよ。」
「は?!あいつの家、金持ちだぜ…?俺が行ったら、ただの犯罪者だぞ?も、もしかして、彗くん!俺も犯罪者扱いするつもりね?!」
彗はもちろん阿須の話は無視して、「んじゃ、よろしくね〜、俺も帰るわー」とノロノロっとしながら帰っていった。阿須の後ろでは、本当に今にも倒れそうなぐらいに疲れきった蒼がいた。阿須は仕方なく、蒼に声をかけ、家まで送ってあげることを決めた。
「ほーら、お嬢さーん。帰りますよー。」
「んー、つっかれたぁっっ!!!」
「はいはい。」
阿須は、担架に乗っている人を運びながら、蒼の腕を掴んで引っ張りながら歩いた。
その後、怪我人は病院へ。蒼は、蒼の国へ運んだ。
「すみません。月花をどうにかしておいて下さい。 」
「まぁ!ありがとうございます。月花様!こんなに疲れきっちゃって…。お疲れ様ですわ…。変な男に引っかかってはいけませんよ。 」
阿須はその言葉を聞いて、少し引っかかったがまぁ、スルースキルも大切だ。変な男ではないぞ。そう言われ、阿須は「いえいえ。では。」と軽く手を挙げ、国を後にし、自国に帰っていった。今回の事件は、少し黄昏の謎が深まって終わった。
続