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爆発事件の翌日、未だに任務には出れない4人はそれぞれ休日を満喫していた。
「ひっまだなぁ。」
そう言いながら、自分の家でふんぞり返っていたのは阿須だった。出雲は当たり前だが仕事に出ているため、家にはいない。他の3人も何をしているか分からないが、多分、蒼は自分の家で作業やらなんやら、麗乃は家族になにかしてあげている。彗はどうせ、野良猫やらと遊んでいるのだろうと予想。阿須は何もすることがなく、家で寝っ転がっていることぐらいしか出来ない。
「まじで何しよう。金もねぇしなぁ。なぁ?クロ。」
横にいる猫、クロに話しかける。クロはニャーと高い声で返事をした。天井とにらめっこをしていたら、ピンポーンと大きなチャイムが鳴った。阿須は、「はいはい。」と起き上がり、玄関を出た。
「陽炎様。多くの手紙が届いております。一つだけ不明のがございますが、そちらも確認しておいて下さい。」
「はいよ。ありがとな。山門。」
山門(やまと)。阿須の部隊リーダーである。山門は、「では。」とお辞儀をし、直ぐに去っていった。阿須はその姿を見送った後、自分宛の手紙を全て読むことにした。
「うわ、ほとんど女の手紙じゃねぇか。要らねぇ。」
阿須が貰うほとんどの手紙は、ラブレターのようなものばかり。お礼の手紙も入っているが、付き合って欲しい等というような内容の手紙ばかりで、阿須は今まで何も返事をせず、捨てたりしている。いつもの事なので、簡単に終わらせる。そして、ついに不明な手紙を手にした。それは黄昏からだった。
「黄昏…。なんでこいつらから俺に手紙が来るんだよ。」
そう言い、阿須は手紙を開いて内容を見た。
『陽炎殿
お元気ですか。こちらは黄昏のリーダーです。私たちは貴方たちのご活躍をよく耳にしております。貴方達代表者様や天王様のおかげでそれぞれの代表的お国が成り立っているとお聞きしました。いずれ、私たち黄昏が4国を頂きに行きます。対策をしていた方がいいと思われます。貴方様が大事にしている、和国。私のものに必ずします。陽炎様とも対戦をする時が来るかもしれない。その時はよろしくお願い致します。
黄昏リーダー』
阿須は、手を震わせながら、「なんだ…これ…」と言った。丁寧に書かれているが、殺害予告みたいなもの。珍しく阿須が動揺して、動けなくなっていた。先に3人に報告するべきか、出雲に報告するか。もちろん、先に出雲に報告するのが普通だが、それを考えていられるほど冷静ではなかった。
「ただいま。阿須。どうした?そんなに震えて。」
いいタイミングで出雲が帰ってきた。出雲は阿須の顔を覗き、顔を見た。
「出雲。この手紙。見ろよ。ガチなのかな。」
出雲は渡された手紙を見た。
「分からない。けど、相手もどう来るか分かないからな。一応対策はしておいた方がいい。」
「ああ。分かった。」
阿須の目的、秋雨を取り戻す前に、国が取られてしまうのでは無いかという不安感に襲われていた。阿須は震えが大きくなり、能力が出かけそうになっていた。出雲はそれに気づき、阿須の手首を掴み、大きい声で「封!!!!!!」と言った。
「阿須、またお前の能力がでてた。落ち着け。お前の兄さんは必ず帰ってくるし、和国、他の国も無事だから。大丈夫だ。」
「う、うん。そうだよな。」
出雲は阿須を落ち着かせた後、睡眠術で寝かした。
一方その頃、3人は…
「なぁ、麗乃、蒼。なんか強い能力を感じたんだけど。」
いつの間にか、3人は合流していて、一緒に過ごしていた。
「私も今、思ったのよね。少し嫌な予感がしたわ。」
麗乃が不安そうな顔で彗に言う。
その横で蒼は 「阿須の能力だ。」とキリッと言った。その姿を見て、彗は
「え…、怖いよ…、蒼…。」
と少し怖がり、麗乃は
「あらぁ。それほど好きなのねぇ。 」
とニコニコしながら蒼の発言に反応をした。
蒼は、照れながら「は?!ち、違うし!!」とブツブツ言い訳をし始めたが、長くなるので、彗と麗乃は無視をし、急いで阿須の家に向かうことを決めた。
続