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止まない雨の原因を突き止めることに成功したが、それによって性的に食べられそうになるナオト。
それを食い止めるためにやってきたのは……。
「ナオト! そこから動かないでね!」
「待て! ミノリ! こいつは俺たちの敵じゃないんだ!」
ミノリ(吸血鬼)はナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)の元に近づきながら、こう訊《たず》ねる。
「じゃあ、どうしてそいつはあたしに殺意を向けてるの?」
「え? いや、そんなことは……」
彼と交尾しやすいように擬人化したメスドラゴンの方を見たナオト。
彼女は静かにミノリに殺意を向けていた。
その鋭い眼光は彼が一瞬驚いてしまうほどのものだった。
「な、なあ、いったいどうしたんだ? さっきまでそんな怖い顔じゃなかっただろ?」
「あなたは私のもの。こいつは私からあなたを奪おうとしている。私はそれを許さない。どんな手を使ってでも、あなたを守る。例え、この命が燃え尽きようとも」
「相変わらずね。あんたが女の子に関わると、ろくなことにならないのは」
「そ、そんなことは……」
「否定できないでしょ? だって、それが事実なんだから」
うっ、ぐうの音も出ない。
「それで? あんたはあたしと戦いたいの? お望みなら、今すぐ始めてあげてもいいわよ?」
「吸血鬼ごときが調子に乗るな。今すぐ、この場から立ち去れ。さもないと」
「さもないと?」
「お前の一番大切なものを滅ぼす」
ミノリ(吸血鬼)はニシリと笑う。
「残念でしたー。あたしの一番大切なものは、あんたの目の前にいるわよー」
「なっ! ま、まさか!」
「そう! そのまさかよ! あたしにとって命よりも大切な存在……それはあんたの目の前にいるナオトよ!」
メスドラゴンの眼球が痙攣《けいれん》し始める。
「そ、そん、な。私はあなたを守りたい。けど、そのためには、あなたを殺さないといけない。でも、そんなことをしたら私はあなたと交尾できない。私はいったいどうすればいい? 分からない……分からない。私は何をすればいい?」
過呼吸気味になるメスドラゴン。
ナオトはそっと彼女の背中に手を回した。
「少し落ち着けよ。ほら、俺はここにいるぞ」
「あなたは、ここにいる。私はここにいる。よ、よかった」
「……ミノリ。少しやりすぎだぞ」
「仕方ないじゃない。そいつが他人のものを奪おうとしたんだから」
俺は誰のものでもないんだが……。
「その気持ちは嬉しいけど、物事には限度というものがあってだな」
「はいはい、説教なら帰ってからいくらでも聞くわよ。それより今はそいつをどうするのか考えましょう」
「そ、そうだな。よし、じゃあ、一旦……」
彼が彼女から離れようとすると、彼女は彼をギュッと抱きしめた。
「あ、あのー、ちょっと離れてほしいんだけど」
「やだ」
即答……。
「わ、分かった。じゃあ、この状態で考えよう」
「うん」
「はぁ……やれやれ」