あてんしょん
この作品は某戦争屋の新人御二方のお名前をお借りした二次創作作品になります。
ボーイズラブですが、本人様方が同性愛者という訳ではございません。ご了承ください。
また、性的な描写が含まれる場合がございますので、ご注意ください。
わんくっしょん
syp「あー…だる…」
俺は盗賊、人のもの盗んで生活してるただの犯罪者だ。
今日だってこうやって盗みに入ってるわけだしな。
ここは少し金持ちの家。
窓の鍵が閉まっていなかったからすぐに入れた。
syp「金目のものは……どこかな…」
しばらく散策しているととある部屋の前で人の気配を感じた。
耳を澄ませると声が聞こえる。
どうやら2人居るようだ。
「やだ…やめて…本当に痛いんです…!!」
「うるせぇ!黙れこのクソッタレ!!」
若い男と、中年?程の男の声。
親子か…?にしては口調が荒い。
「お前は一生俺の言うこと聞いて生きてりゃ良いんだよ!!!」
「わかった…分かりましたからもうやめてっっ!!!」
ガシャンガシャンとガラスが割れるような音、重いものが倒れる音、凄まじいな。
……これはチャンスだと思った。
この様子じゃどちらも外になんて気が行くわけない。
すぐにトンズラするか…
こんなクソみたいな家いたくないしな。
そう思い抜き足差し足その場を後にしようとしたところで足が止まる
syp「……」
さっきの若い男の泣く声、苦しそうに呻いて抵抗している。
「ぁ゛……が……カヒュ…ゃ…め ”」
どう考えても首を絞められている。
癪に障るな……
このまま出てっても後味悪い。
助けてやる義理は無いけどこのまま逃げるよりマシだ。
そう思って俺勢いよく扉を開ける。
バンッ!!
そこには男が居た。
そしてその足元には首を抑えながら倒れている若い男。俺と同い年くらい?
男は驚いてこちらを見る。
その手には包丁があった。
mb「お、おい誰だよ!?今取り込み中なんだ!帰れよ!」
syp「嫌や。見ての通り盗賊。金出せ金」
mb「はぁ!?ふざけんな!!!」
そう言って俺に向かって走ってくる。
そのまま包丁で切りかかってきた。
syp「だるぅ…」
俺はその手首を掴んで包丁を遠くに投げる。いや俺かっこよくね?
すると男は驚いたのか後ろによろける。
隙だらけだったからそのまま顔面殴っといた。
男はその場に倒れた。覚悟していたよりも弱い。
syp「なーんだ、クソザコ乙やん」
そのまま若い男の方へ近寄る。
意識はあるみたいだ。
??「ヒュー…ヒュー……ゲホッ」
虫の息、って所やろか。
これは死ぬかも。
syp「大丈夫?」
一応声をかけてみる。
??「にい……ちゃ……?」
どうやら意識もハッキリしていないらしい。
syp「残念やけど俺はお前の兄ちゃんやない。ちょっと待っとれ」
その場を離れようとすると服の裾を掴まれる。
??「まって…やだ…ケホッおいてかない…で……にぃちゃ…ゲホッケホ」
咳き込みながらも必死に訴える彼。
どうしたものか…
彼は多分自身の兄と俺を重ねている。
その兄はどこに行ったのやら、そもそも本当に生きているのかさえ分からない。
syp「分かった。置いてかんから安心しろ」
そう言うと彼はほっとしたような表情になる。盗賊なんてするほど飢えてる俺がこいつを養えるとは思わない。だがとりあえずこいつを生かしてやりたいから、担いで俺の今寝泊まりしている場所に連れ帰った。寝床に寝かせたときには既に深い眠りについていて、俺もその隣で眠った。
朝起きるとまだそこに彼は居た。
ちょこんと座って、こちらの様子を伺っている。
今気づいた。身体中にアザがある。
なんとなく察していた。恐らく虐待されていたのだ。それも日常的に。
だからこんなに痩せ細っているし、怯えた様子なのだろう。
syp「おはようさん」
そう声をかけるとビクッとしてこちらを見た。
??「えと…その…昨日はありがとうございます…」
ペコッとお辞儀をする礼儀正しい子だ。
syp「気にすんな。自分の後味悪いから助けただけや」
??「そう…ですか……お名前は…?」
syp「ショッピ」
syp「君は?」
ci「……チーノです」
少し言い淀んでいたが教えてくれた。
syp「そうか……よろしくな」
そう言うと小さく微笑む。
その笑顔はとても綺麗だった。
syp「飯食うか」
チーノはコクッと首を縦に振る。
こないだ買った食パンがまだ2斤残っているはずだ。
生で申し訳ないが1つ差し出すと美味しそうに頬張った。それを見ながら俺も食パンを食う。
…なんか餌付けしてるみたい。
syp「なぁ」
食べ終わってから話しかけるとまたびくっとする。
警戒心強いなぁ……
syp「俺はさこんな生活してる時点でわかるやろうけどお前が前してたような生活と同じようにはしてやれへん。」
syp「それでも俺と暮らすか」
俺にはこいつに腹いっぱい食わせてやることすらままならない。
でもチーノはどうしたいのだろうか。
もしここで暮らしたいと言うなら俺は出来る限りのことをしよう。
すると、しばらく沈黙が流れる。
ci「元の生活には…戻りたくないです…」
ci「出来れば俺は…ショッピさんと暮らしたい…!」
syp「そっか……じゃあこれからよろしくな」
こうして俺とチーノの共同生活が始まった。
それから数日、特に問題もなく平和に暮らしていたのだが……
ある日、いつものように食料調達に行こうと支度をしていると誰かが入ってきた。
syp「誰や、名を名乗れ」
zm「俺はゾムや!お前ら俺のシマで随分とウロチョロしてくれるやないか!」
syp「シマ…」
zm「その風貌、家ないんやろ。可哀想にそんな歳で」
syp「情けはいらん」
zm「最初っからかけるつもりなんてないわ…w」
どうやら悪い大人の縄張りに入り込んでたみたいやな
謝って済むことやなさそう
どうしたものかと考えていると後ろからチーノの悲鳴が聞こえた。
ci「うぁっ!?」
見ると小さな男の子に拘束されている。
??「ご、ごめんな…俺ゾムには逆らえへんねん…」
zm「お、ありがとうな!ロボロ」
ロボロと呼ばれた男は申し訳なさそうに会釈をしてきた。
2対2、か。これは結構キツいな。
zm「俺はなぁお前らに情をかけるつもりなんてこれっぽっちも無いねん」
syp「はあ」
zm「でもロボロがあんな苦しそうな顔するんやったら考えへんこともない」
syp「……それで」
zm「まあ簡単に言えば見逃したってもええよ」
syp「ほう」
zm「その代わりお前ら俺の組にこんか」
syp「へ……?」
もっと何か求められると思っていたからビックリした。
rb「ゾム…!ほんまか!」
ロボロと呼ばれた男は嬉しそうにゾム、さんを見る。
zm「ガキだけでこんな生活できるなんて大したもんだよ」
syp「……」
zm「でもやっぱり危ないやんか。この辺も最近物騒やし」
zm「それにそっちのメガネなんていつ死んでもおかしく無さそうやん?」
rb「せ…せやな…昔の俺みたい……」
チーノは俯いてしまう。
俺は別に構わないけど……
ci「あの……ショッピさん……」
syp「…俺はチーノが行く言うんなら着いてくで。」
ci「じゃ、じゃあ俺ショッピ…さんに行って欲しい!!」
含みのある言い方に疑問を抱く。自分が行きたいのではなく、俺に行って欲しいと?
ci「だってショッピさん最近俺にばっかり食べさせて…自分が食べてないの俺知ってるよ!!」
syp「……まじか、」
ci「俺……ショッピさんの足手まといになりたくない!」
チーノは気づいていたのか。
確かに最近はあんまり食べれてなかったかもしれない。
syp「わかった。じゃあ一緒に行こうな」
こうして俺はチーノと共にゾムさん達についていくことにした。
これから俺らの物語がまた始まるのだろう。
zmrbの話はまた今度!もうそろ再投稿じゃない新作出来上がりそう!