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「……ひっ」
左馬刻がじっと見つめていると、その視線に気づいた男の子は、小さな悲鳴をあげて立ち上がり、走り出そうとした。
しかし、子供は足を木の根に引っ掛け、頭から思いっきりこけた。
「!?」
左馬刻は驚いて子供に駆け寄った。
「……ひ……ふぇっ……」
子供は柔らかそうな顔全体を真っ赤にさせながら涙目になっている。
小さな手で目元をこすっている子供を見ているのにいたたまれなくなった左馬刻は、怖がらせないようにそっと手で涙を拭ってやった。
「……ぅ、ぅぇぇ……」
男の子は我慢できなくなったのか、とうとう小さな声を出し泣き始めた。
「なになに〜? 誰か泣いてるの〜?」
乱数がいち早く気づいて駆け寄ってくる。
男の子は、また見知らぬ大人が来たのに驚いたようだ。
「う、うぁぁぁぁん!!!」
男の子は、大きく口を開けて泣き出した。