コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
《お前、重いわw》
《別れてくんね?w》
彼が送ってきたメッセージ
私は理解が出来なかった。
つい最近まで『愛してる』と言ってくれた彼が
あっさりと別れ話を持ち出してきた。
私は、彼に聞いた。
《どうして?》
すると、数秒して返信が帰ってきた。
《重い、疲れた》
私は、それから返信しなかった。
付き合って3年経つのに、
私は涙が止まらなかった。
最期なのに、こんなにあっさり終わってしまう
2日が経って、私は彼の部屋を片付けた。
タンスの上には、
私達のツーショット写真
2年記念日に渡した花。
それに、小さな箱と封筒。
本当は捨ててしまいたいけど。
私が未練タラタラのせいで捨てられない
『……せっかくだし、…』
私はそう思い、封筒を開けてみた。
どうせ、くだらないものでしょ…
『……。』
…バカ。
中には、手紙とテーマパークのチケット2枚が入っていた。
手紙を開き読む。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
突然、別れ話をしてごめんね。
ずっと黙っていたけど、俺は病気なんだ。
付き合う前から、余命宣告を受けて
その時、2年ほどの命って言われた。
悲しい思いさせたくなくて、言えずにいたけど
今考えれば言っといた方が良かったかもね、
でも、おかげで宣告より1年半も長く生きられたんだ!
それには、今までにないくらい感謝してる。
実は、行きたがってたテーマパークのチケット取ってて、ホテルも予約してたんだ。
でも、間に合いそうにないからあげる。
家族とか友達とか、誰かと楽しんで!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あともうひとつ、小さな箱にミサンガ入れてるんだ。
テーマパークにそれつけて行って欲しい。
本当は、この手紙に「結婚してください」とか書いて
箱に指輪入れてたりしたかったんだけど、
指輪を買うまでに俺の体が持ちそうになかったから諦めちゃった。
お金もあんまりなかったし。
最期なのに大したこと出来なかったね、ごめん
でも、好きな気持ちは誰よりも上だから!
また、誰かと幸せになってください。
愛してます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手紙を読むうちに涙が溢れて、
手紙が濡れて少し字が滲んだ。
ほんとに最期まで考えてくれたのだろう。
だんだんと字が歪んでいってるのがわかる。
小さな箱を開けてみると手紙の通り
白とピンクの可愛いミサンガが入っていた。
私は、それを腕につけてキスをした。
『…最後くらい、一緒に居たかった、』
私は、数日後
彼の予約してくれていたテーマパークに来た 。
手紙には、誰かと楽しんでと書かれていたけど
私は、一人で来た。
正確には彼と一緒に。
予定日の前日、テーマパークのスタッフさんに電話をかけた。
《すみません、申し訳ないんですけど、》
《はい、どうされました?》
《先週、病気で彼氏を無くしてしまって…》
《左様でございますか…》
《…そのことでなんですけど、》
《なんでしょう?》
《チケットが、2枚あって、》
《…どうしても、彼氏と行きたいんです。》
《…どうにか、できないですか》
《あぁ!それならもちろん歓迎しますよ!》
《…ぇ、…ほんとですか、?》
《はい!大丈夫ですよ!ぜひいらしてください!》
《ありがとうございます!》
《いえいえ!大事な方とお越しください!》
《ホテルもご予約されてるようでしたら、そちらにもお電話入れることも出来ますが…》
《…いいんですか?お願いしたいです…》
《かしこまりました!ではお待ちしております!》
《はい!ありがとうございます!》
私は、次の日
彼氏の分のカチューシャを持ってテーマパークに行った。
入場口で、チケットを2枚見せると。
スタッフさんはキラキラした笑顔で
《お二人様ですね!楽しんで!》
と言ってくれた。
ホテルでは、彼がサプライズで用意してくれていたケーキを頂いた。
予約日がちょうど私の誕生日だったから。
ケーキが2人分出てきて、
最初は2つとも食べようと思っていたけど
私は
『ごめんなさい。』
『これは、彼氏の分なので残してしまうことを許してください……』
と言って、写真を撮って部屋に戻った。
私は
これ以上に、素晴らしい彼氏を見つけられないと思う。
それに、このまま彼氏と過ごしていたい
そう思った。
私は、一生懸命働いて
2人分の指輪を買った。
婚約指輪は高くてペアリングだけど…
1つを左手の薬指につけて、
もう1つは、彼の写真の前に飾っている。
私は、死ぬまで、彼と一緒に過ごします。