オスカーは、その日以降も毎日、私の元へ訪れてくれました。
そのおかげで、私はほんの少しずつではありますが、生きていることを再び楽しむことができるようになっておりました。
オスカーの手によって、小屋のキッチンが使えるようになりましたので、私はオスカーのために、森で採れるキノコや果物、魚や薬草を使った、簡単な料理を作るようになりました。
調味料や小麦粉、卵、お肉など、森で採れない食材は、オスカーがお土産と称して持ってきてくれておりましたので、いつの間にか小屋は食べ物で満ちていました。
オスカーは、私がかつてオリバーのために振る舞ったスープやお魚料理を特に気に入ってくれ、口に入れる度に
「美味しい、美味しい」
と幸せそうに言ってくれました。
そんな笑顔を見ているだけで、私もまた、幸せだなと思うようになりました。
ですが、そのままオスカーの好意に甘えるのも、何だか申し訳ないと思うようになりましたので、私はオスカーに1つお願いをすることにしました。
「これは……?」
オスカーの目の前に差し出したのは、かつて私がオリバーと生きていた頃に営んでいたお菓子屋で作った、人気メニューだった薬草を使ったケーキでした。
「これを、あなたの手で街で売って、お金にしてください」
少なくとも……かつてはこのケーキで私たちは生きるためのお金を手に入れておりました。
ですので、腕が落ちてさえいなければ、このケーキで彼を支えることができると思っておりました。
「僕は、そんなつもりであなたのところに来ているわけではない」
始めは頑なに拒まれました。
ですので
「ではそのお金で、私のために食材を調達してくださらない?それであなたに私の手料理を振る舞います」
と言いました。
「それなら……いいよ」
彼は渋々ながら、納得をしてくれ、そのまま私にキスをしました。
それから私の服を彼は脱がせようとしました。
私はそんな彼の手を止めました。
「……オスカー……それはまだだめ……」
「どうして……!」
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