久しぶりなので前の話見てからの方が読みやすいと思います、あとクッソ長いので覚悟してください(4000文字近くまである)
俺はお礼を言った後も大粒の涙を零していた。
それは止めどなく流れ、止まることを知らない。
嬉しいという気持ちが溢れ出て、胸が張り裂けそうだった。
嗚咽を零しながら泣く俺のそばに、ガスターは黙って寄り添い背中を撫でてくれた。
それからしばらく経ったあと、ようやく落ち着いてきた。
身体中の水分全てを出し切ってしまったんのでは無いかと思うほど俺は泣き続けたと思う。
(今まで泣いたことがなかったから色々溜まってたのかもな…)
泣いてる暇なんて地上にいた頃はなかった。
いつも生きるか死ぬかの瀬戸際状態。
こうやってゆっくりできるのも初めてな事だ。
ふと鏡を見ると、目元が腫れ上がった自分の姿が目に入る。
(うっわひっどいなこりゃ…)
自分でも引いてしまうほど酷い顔。
包帯にも涙がついたせいでぐっしょり濡れている。
(こりゃ包帯変えてもらわなきゃな…)
「フフ…」
鏡から視線を戻し、ガスターの方を見るとガスターはにこやかな表情を見せた。
「??どうして笑うんだ?」
「いや…ね、なんだか可愛く思ってしまってね」
顔が急激に赤くなる。
「へ?か、かわ…?」
頭から湯気が出そうなほど赤くなりまさに混乱状態。
「か、可愛いとか…初めて言われたぞ…可愛い…」
真っ赤になった顔を鏡の方に向け、片方の目でジーッと自分の姿を凝視してみる。
確かに整ってはいるな…なんて思ったが、可愛いとは到底思えない。
特にこの包帯ぐるぐる巻で大泣きしたボロボロ状態だと。
冗談なのか…?
うーん、とうなりながら自分の顔を再び凝視見ていると、視界の端でガスターが手を伸ばしてきたことに気づいた。
「……」
もしかして…撫でようとしている?
気づいたはいいがどうすればいいのか分からずただただ鏡を見続けているフリをしていた。
しかし一向に手が頭に到達しない。
というか、既のところで体を停止させている。まるで時が止まっているような感じだ。
(…顔が見えないからどんな感情なのか全く読み取れない……というか普通の顔でも読み取れないとかおかしくないか?)
いい加減見ているのも飽きてきたので体を動かしガスターの方を見ようとした時、扉がいきよいよく開いた。
「ヒッ!」
驚きのあまり思わず口から悲鳴が出てきてしまう。
恐る恐る扉の方に目をやる。
ガスターもそれと同時に手を素早く引っ込め扉の方を見る。
(敵なのか…!?)
そこには息切れ状態の白衣姿の三体のモンスター達がいた。
「ハッハッ…ハッー……ど、どこに…行って、たんですか博士!!!」
途切れ途切れに言葉を発し、ガスターに向かって叫ぶ。
「ははっ、ごめんごめん。」
「ゴメンじゃないでしょーが!!!!こんのッッ…」
中指を立てそうな勢い。
見るからにイラついた様子で俺のことは全く見えてないようだった。
(仲間……なのか、なんでこんなに焦ってるんだ…?)
叫んでいたモンスターの後ろからピョコッと顔を出し、次に言葉を発したのは歪な形の…パッ〇マンに出てきそうなモンスター。
「実験の途中に抜け出さないでくださいよ〜!どれだけ探したと思ってるんですか!?ほんとに心配で心配で…ショック死したら責任とってくださいよ」
こっちはイラつきより心配の方が勝ってるらしい。
心配のし過ぎでショック死するわけないだろ…なんて言いそうになったが色々とあとが面倒くさそうなのでスルーすることにした。
それとやっぱりバレない。
俺がここにいることに気づいてないだけなのか見えないだけなのか、正直眼科に行って欲しい限りだ。
もちろんこれもめんどくさいから言わない。
しばらくギャーギャー騒いでいると(ガスターと俺以外)パック〇ンのようなモンスターのさらに後ろにいたモンスターが「おい」と言った。
その瞬間、このやかましかった空間が一瞬で静かになり、殺意が充満した…ような気がした。
まさに地獄という言葉がふさわしい。
(な、なんかやばそう…)
1歩無意識に後ずさりしてしまう。穴があったら普通に入りたい。
「さっきからうるさいんですよ」
明らかにキレてる…いやガチギレしてる。声色と眼力でわかる。
ガスターの方を見ると表情一つ変えずにそのモンスターの方を見ている。
(怖くないのか……?)
いや、どっちかって言うと上の空な気がする。
「は、か、せ?おかしいですよね?」
モンスターはガスターに向かって言っているようだが、この言葉は俺に対して言っているようにも聞こえる。
実際俺もおかしいと思う。
モンスターの中に人間が紛れ込んでいるし。
…今思えば、ガスターは俺のこと他のモンスター達に話していないのか?
俺をモンスターだと思っているからか?
「その人間もそうですし、何よりなんで実験の途中で消えるんですか?頭湧いてるんですか?気でも狂いました?貴方がいないとこの実験は危なすぎるんですよ分かります?分かりませんよねだってわかってたらこんなことしませんもんね?てか聞いてます?もう残りの期限少ないんですよもう僕ら何徹してると思ってるんですかあなたのせいでまた眠れない日々が続いていくんですよね分かりません(?)」
俺のことじゃないけどバッチリ聞いてます。そして気づいてるんですね俺のこと。
「聞いてるよーカップラーメン美味しいよねって話だよね?」
「…は??」×4
多分この場にいた(もちろんガスター以外)者たち全員同じ気持ちになっただろう。
(なんだこいつ…)と。
「スゥ-…えーと、つまり…このニーベルさんは、地上から地下に落ちてきた人間で、怪我をしてたので治療してあげたということなんですね?」
「あぁ…じゃなくてはい…」
「はは…(苦笑い)敬語じゃなくて大丈夫ですよ、多分あなたここで働くことになると思うので…」
「え?」
働く?え、ここで?
俺は生まれてこのかた働いたことなんて1度もない。
だいたい盗みを働いて生きてきたから…。
というか人間なのにここにいていいのか??
ガスターの方をちらっと見ると、目が合った。
「ここにいていいんだよ」、そんなことを言っているようだった。
なら…。
それなら…、
「俺が…ここにいて、いいんですか?」
その言葉の通りにしていいんだろうか、俺は。
みんなは「もちろん」と言いながら頷く。
俺は自然と笑顔になっていた。
その言葉に喜びを隠せなかったから。
しかし、安心したのもつかの間。
「でも…これアズゴア王に言っとかなきゃいけないんじゃないすか?王が最初に発見したんすよね?」
付け加えるようにフードを被ったモンスターが言った。
王、それは文字通りモンスターたちの王。
王がダメだと言えばそれに従うしかない。
俺の中から一気に喜びが消えていくのを感じる。
しかし、ガスターは迷いもせず「それについては、今から聞きに行くよ」と言った。
俺は驚きながら「い、今から…!?」とガスターに詰め寄った。
「もしかして…いや?」
少し困ったようにガスターは聞いてきた。
いや、という訳では無いが心の準備というものがある。
なんせ相手は王様だ。下手なことをしたら1発KOだ。
「嫌ならいいんだ、隠せばいいしね」
平然と言ってのけるガスターが羨ましい。
「(;゜∀゜)イヤイヤイヤイヤ…それはまずいですって!!バレたらやばいっすよ!」
「この子が嫌だと言うんだったら仕方ないさ」
「ニーベルさんに弱みでも握られてるすか!?」
「いや、泣かれちゃ困るから」
「あんたいつからそんな慈悲深くなったんすか!?!?」
もはや漫才だなこれは。
恐らくだが俺が止めに入らないとこの漫才は終わらないだろう。
俺は勇気を出し、「行く…王に会いに行きます…!」と震える声で言った。
正直今すぐ引きこもりたい。
だが王様が見つけてくれたということは、ガスターだけじゃなく王も恩人だということだ。
礼を言わずにいるのは普通に失礼だから…これは腹を括るしかない。
その言葉を聞いて安心したのかフードのモンスターは安心した笑みを浮かべた。
ガスターは何故か少し残念そう。
「えっと…誰と行けばいいんですか?」
出来ればガスターと行きたい。ほかのみんなも親切だが名前がわからないし…少し話しずらい。
「なら私が同行しよう」
真っ先に名乗り出てくれたのはガスター。
「なら僕たちは実験の続きしてきますよ…研究員には適当に言っときますので…」
半分呆れながらガチギレモンスターと2人は部屋を出ていった。
「よし、行こうか」
ガスターが手を握ってくる。
俺も握り返し、決意を固めた。
(どうかアズゴア王が許してくれますように…!!)
そんなことを思いながら俺はガスターと部屋をでた。
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主:次回予告ゥゥゥゥ⤴⤴ニーベルちゃんガクブルでゴアちゃんに会いにいく♡ゴアちゃんと話してると何故かガスターがだんだん不機嫌になってるような…!?
次回ィィィィイイ⤴⤴ガスターとニーベルちゃんの禁断の恋!?!?
お楽しm(‘д‘⊂彡☆))Д´)パーン
ニーベル:お前は何言ってんだ(💢^ω^)
主:え、次回予告…
ニーベル:そんな予告存在しねぇよ!!
主:えっ…
ニーベル:「えっ…」じゃねぇよ「えっ…」じゃ!!黙って勉強するか小説書けや!!
主:めっちゃキャラ崩壊しとるで??あの敬語を使ってたニーベルちゃんはどこに行ったのやら…(o´Д`)=зハァ
ニーベル:あの敬語もキャラ崩k
主:さぁーてと次回も見てくださいね!!多分1ヶ月後かな!?いつになるかわからんけどバイバイ!!!
ニーベル:てかキャラ崩壊しかしてなi
コメント
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面白かったですッッッ!! 禁断の恋は草、何なら僕m(( てか、無理せんといてな〜