牢屋の中、飛梅は依然として無言で床を見つめていた。夜神はしばらく何も言わずに見守っていたが、徐々に彼のしつこさが増してきた。
「ねぇ、飛梅ちゃん、なんでそんなに無口なの?」
夜神は何度も話しかけ、少しずつ距離を縮める。飛梅は無反応だったが、夜神は諦める様子も見せず、楽しそうに微笑みながら話を続けた。「まさか、俺に話しかけられるのが嫌なの?」
とうとう、飛梅は顔を少し上げ、ぼんやりと夜神を見つめる。その瞬間、彼女は初めて言葉を発した。
「懲りないね。」
その言葉が、静かな牢屋の中に響いた。夜神はその声を聞いて驚き、思わず飛梅を見つめた。彼女の顔は髪の毛に隠れた一部を除いて美しく、整った顔が鉄格子越しに輝いている。
夜神はその美しい顔を見て、つい口を開く。「おお、こんなに可愛い顔してたのか…思わず見とれちゃうな。」
軽い調子で、彼は口角を上げて褒める。彼の言葉には、どこか楽しそうな雰囲気があったが、それでも心の中で彼女の存在に少し驚きを感じている自分がいた。
飛梅は夜神の言葉を聞き、ただ黙って彼を見つめる。しかしその目には、少しだけ感情が宿っているように見えた。夜神はその変化を感じ取り、心の中で少しだけ嬉しさを感じる。
夜神は軽く肩をすくめながらも、思わず笑ってしまう。「そうか、君はそういうタイプなのか。まぁ、これから少しずつでも話してくれよな。」
それからしばらく、二人の間に沈黙が流れたが、今までの無言の空気が少しだけ和らいだようだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!