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健吾との生活にも慣れ、茜は充実した毎日を送っている。
お金はないから質素な生活。
でも、目が覚めると隣に愛する人の寝顔があるというのは、これ以上ない幸せ・・・。
今朝、ワイドショーを見ていたら『今日は公立高校の卒業式ですね』と言っていた。
外を見ると、化粧のケバいおばさま達がたくさん外を歩いている。 でも、みんな幸せそうな顔。
自分が幸せだと、他人の幸せも素直に喜べる。
そしてワイドショーを見おわった頃、絵里から着信がきた。
「もしもしー」
『茜?
いきなり電話してごめんね!健吾さんとラブラブ中だった?』
絵里がからかってくる。
最近何か吹っ切れたのか、笑顔やジョークが増えた。
「寝てるよ。今日、卒業式らしいね。」
『そぉ。卒業式。』
「てゆうことは、ケンは明日から東京だよね??」
そおいえば昨日、祥さんが明日はティアラで貸し切りの送別会があると言っていた。 もしかして、ケンの事かも・・・。
絵里と会話しながら健吾の手帳を開く。
《23時〜 ケン》
今日の日付にはそう書いてあった。
「絵里はケンとこのままでいいの?
後悔しないの?」
絵里がだまる。
「挨拶くらいしたら?」
『したいけど・・・。
今さらじゃない?』
戸惑うような絵里の声。
「とりあえず話したいから、今日ティアラに来てよ! 夜中の12時くらいまでには絶対に来て!」
茜は強引に絵里と約束を作った。 もちろん絵里に指定した時間は、ティアラにケンがいる。
二人を逢わせたい。
このまま未練を残して終わってほしくなかった。