【脅威と知恵は合わないようです】
⚠軍パロ等、何でも許せる方向け⚠
【em視点】
em)……はい?今なんと?
os)ん?だからこの学校内に2人みたいにペアで生活してる子達は4グループだよ〜って
ペア生活の定期報告の為、理事長室に赴き報告をし終わった後にふと発せられた事実、
em)……前よりかなり増えましたね……
os)まぁ前例が上手く行き過ぎたからね……
オスマン幹部曰くトントン先輩達や私達だけでなく他にもこのペア制の方々が居るとのこと、
オスマン幹部は最近の戦争状況や管理下の拡大で目の下には濃く隈が出来ており、前回あった時より心なしか痩せてしまっているように見えた
健康状態について問うと
気ずかってくれるなら早く昇進して幹部になって欲しい、と割と本気の目で訴えられた
em)失礼しました
理事長室から退室をしゾムさんを探そうかと考えた時、彼の声が耳へと入った
声のする方へ目を向けると理事長室の扉の横で壁に寄りかかっているゾムさんがいた
zm)エミさん、遅いで
em)待っていてくれたんですか?
zm)うるさい、
em)ふふっ、すいません
em)さ、行きましょうか
微笑を零し、談笑をしながら校舎を出る
裏庭へと向かうとそこは前とは全然違う景色へとなっていた
夏の暑苦しい風は季節の移り変わりと共に秋の涼しい風へと変わっていったかのように頬を撫で、髪を揺らす
みずみずしい緑の葉を揺らしていた木は葉がすっかり落ち、木の下のピアノにいくつか枯葉を乗せていた
私は箱からヴァイオリンを取り出し、ゾムさんが木の下に座った事を確認して演奏を始める
♪〜♪♪〜〜〜♪〜♪〜〜♪〜
奏でられるヴァイオリンの音色はふわりと軽く、何人たりとも包み込むような、まさに白く輝く雪のようだった
数十分後、
gr)おぉ、ヴァイオリンの音色が聞こえると思ったらお前だったか、エーミール、
tn)ん?ゾムも居るんか
軍人実技科の先輩、後輩の仲で面識があったのだろうか、
ゾムさんはトントン先輩を見つけると軽くお辞儀をしていた
tn)ん〜せっかくやし、なんか演奏してくれや
em)えっ!?
gr)いいな!ほら、エーミール、ぼさっとしてないで準備しろ!
でたよ、トントン先輩の定期的に訪れる無茶ぶり、
気ずけばグルッペン先輩もピアノに座ってもう準備万端だし…ゾムさんは何故か目を輝かせてるし…
em)分かりました!やります!やりますから
gr)よし!適当なタイミングではじめるからなー!
♪♪〜♪〜〜♪♪〜〜♪〜♪〜〜
流石だ、
適当なタイミングと言いつつ目配せをして、私がミスをしても覆い被さるようにカバー、
ヴァイオリンも自分が演奏している、この演奏の手網は全て私が握っている、そう言われても仕方がないと思えるほどの迫力
所々でオリジナルの旋律を奏でる彼に必死でついて行くように曲調を合わせれば、
どこまで着いてこれるか、目を合わせニイッと笑い曲調をコロリと変える
着いていくように、遅れないように、そしてそのまま、
彼を超えれるように
そう必死に演奏をしていれば、すぐに曲は終わってしまった
パチ パチ パチ パチ
木の下から2人の拍手が聞こえる、
そのことからもう曲が終わってしまったのか、と何処か寂しいような気がした
tn)グルッペン、お前曲調コロコロ変えんなや
tn)エミさん困るやろ
gr)いやぁ…気分が高揚してな
軽くお叱りを受ける先輩を片目にゾムさんの元へ向かうと
彼は俯いたまま、こちらを見ない、
em)ゾムさん……?
私が名前を呼ぶとピクりと肩を動かし、こちらを見上げる
私を見る目は睨んでいるようにも、泣きたそうにも見えた
tn)あ、そだ、エミさんとゾム?
em)あっ、は、はい?
ハッとしたようにゾムさんからトントン先輩へと目線を移す
トントン先輩はゾムさんをチラリと見て、そのまま話し始めた
tn)お前らからしたら別にどうでもいいかもやけど、
tn)俺とグルッペンな、軍学校辞めるんだわ
em)……え?
突然の予想もしてなかった話の内容に私は固まってしまった、
ただ一言何故かと問うと
まだ言えない、いつか言う時が来る、そう2人は答えた
ゾムさんも途中までいつもの先輩の冗談かと聞いていたが話が進むにつれ、その内容の具体性、先輩方の真剣さにより、フードで半分程隠れた顔が暗くなったように見えた
じゃあな、
2人が夕日を背にその言葉を私達へと伝えると3年寮へと向かっていった
その後、先輩についての会話はせず、ゾムさんと寮へと戻った
tn)はぁ……気ぃ疲れるわぁ
gr)流石に後輩の1部以外全員と縁を切るのはやり過ぎなんじゃないか?
tn)……俺はお前に着いていくって決めたからな、邪魔な物は人でも切る
gr)へー
荷物を最小限にまとめ、3年前の入ってきたばかりの景色と同じになった寮の部屋、
tn)……
gr)…後悔は?
tn)する訳ないだろ
新月の真夜中、この軍学校3年首席、グルッペン・フューラーと同じく3年の次席、トントンは姿を消し、完全に消えてしまった
後日、
『3年の首席と次席が国の反逆者となった』
そう、放送が入れられる事となる
【オマケ】
(毒素中心⚠)
【tn視点】
軍学校敷地外の森にて
gr)トントン、大丈夫だな?
tn)おう、実技科舐めるなよ
gr)そうか、
月明かりも照らさないくらい森を昼間に付けた目印を頼りに駆け抜ける
軽々と木に登り、飛び移り、走る、
軍学校の明かりが遠のいて、街の中も駆け抜け、朝日が昇る頃には国境近くの廃れた小屋に着いた
gr)ここだ、
小屋の中へと臆することなく入っていく、
小屋に今よりずっと前、人が住んでいたのだろう、食器棚や小さなテーブルと椅子、床には古いデザインのカーテンやティーポットが転がっており気づかず踏めば体制を崩して倒れてしまいそうだった
gr)トントン、
ギィっと軋む木材の音、頬を撫でるすきま風は、どこから吹いてくるのか冷たく、少し鉄臭かった
本棚を動かし下へと続く通路が見える、
この家の古ぼけたアンティークのような雰囲気と違いコンクリートで作られた階段、
ランプに火をつけ足元を照らしながら下へと降りる
コツ コツ コツ コツ
先が真っ暗で見えない階段をゆっくり降り、冷たい風が下から吹き体温が徐々に奪われる
通路に響く2人の足音と軍学校についての話し声
tn)じゃあ、あの学校も要らないか?
gr)……まぁ使い道が無ければな
tn)……
tn)…エーミールとゾムは使えそうだな
gr)アイツらはもう少し大人になってもらわんと困るな!
gr)アイツらは俺の計画の必須項目の1つだ
軍をどう落とすか、この国を乗っ取りどうするか、計画の具体性をもっと、もっと、もっと
国を乗っ取り腐った政治や世の中を治す、それがコイツの計画、
初め聞いた時は現実味のない話で馬鹿らしいと思った
だが今はどうか、
本物のカリスマというのは人を惹きよせ、その道が悪であっても着いていかざるを得なくしている
彼は言った
国は軍が動かすべきだ、軍が政権を握らずどうする、軍こそ!軍は!軍だから!
所詮俺もホンモノを真似るだけの、ついて行くだけのまがい物、コイツにはかなわない
だが人は憧れ、追いつき、超えたいと思う生物、
彼に追いつこうと手を伸ばしている真っ最中の魅惑された人間の俺は
彼の横へと立つにふさわしい人間になるため
知識を、能力を、全てを取り込む
そうやって話をしていれば通路の終わりが見えてくる
鉄の扉を鍵を使い開ける、鉄の扉の錆びた金具はギィッと悲鳴をあげる
gr)トントン、いや、最高書記官兼、総統補助官君、
低い声、ギラりと光る赤い瞳、口角は不気味な笑顔を作り出す
ゾクゾクと心臓から頭の先まで興奮が流れる
あぁ、コレだ!
コレこそが!魅惑する側の人間だ!
物語がようやく進んできた気がします、彼らをこれからも見守ってくれると嬉しいです。
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コメント
1件
zmさんとemさんが仲良くなってるのめっちゃ伝わりました!😆 続き楽しみにしてます!