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『あなたにすきってつたえたい』
第6話 「はじめてのデート」
「……デート、する?」
昨日。
帰り道でjpが言った言葉。
その一言が。
ずっと頭から離れなかった。
翌朝。
tt「おはよ」
jp「おはよ!」
いつもの場所。
いつもの時間。
でも。
昨日までとは違う。
俺たちはもう。
ただの幼馴染じゃない。
tt「……」
jp「……」
お互いに少しだけ照れながら歩く。
しばらくして。
jp「……ねぇ」
tt「ん?」
jp「昨日のこと」
tt「デート?」
jp「……うん」
tt「したい?」
jp「……したい」
jpが小さな声で答える。
tt「じゃあ、今度の休み」
jp「ほんと?」
tt「うん」
jp「どこ行く?」
tt「jpが行きたいとこでええよ」
jp「えー……」
少し考えて。
jp「水族館!」
tt「水族館?」
jp「うん!」
tt「好きなん?」
jp「大好き!」
tt「じゃあ決まりやな」
jp「やった!」
jpが嬉しそうに笑う。
その笑顔を見て。
俺まで嬉しくなる。
jp「……あ」
tt「ん?」
jp「これって」
jpが少しだけ頬を赤くする。
jp「ほんとにデートだよね?」
tt「……」
tt「そうやろ」
jp「……////」
tt「何で照れてんねん」
jp「だって……!」
jp「好きな人とのデートなんて初めてだから……」
tt「……」
今度は。
俺が黙る番だった。
tt「……俺も」
jp「え?」
tt「初めてや」
jp「……そっか」
二人で顔を見合わせる。
そして。
同時に笑った。
学校。
教室に入る。
俺が席に座ると。
jpが隣に来た。
jp「tt」
tt「ん?」
jp「土曜日、何時にする?」
tt「朝から行く?」
jp「うん!」
tt「じゃあ、駅で待ち合わせな」
jp「分かった!」
jpは嬉しそうに頷く。
そのとき。
ふわっと。
甘い匂いがした。
tt「……?」
一瞬。
俺の動きが止まる。
jp「どうしたの?」
tt「……いや」
もう一度。
jpの近くから。
ほんの少しだけ。
いつもと違う匂いがする。
俺はαだから。
Ωのフェロモンの変化には、普通の人より気づきやすい。
……でも。
今までjpからこんな匂いを感じたことはなかった。
tt「jp」
jp「ん?」
tt「体調、大丈夫?」
jp「え?」
tt「なんか、いつもと違う気がする」
jp「……」
jpが少し考える。
そして。
jp「……実は」
tt「うん」
jp「昨日から、ちょっとだけ体がだるい」
tt「……」
jp「あと、眠い」
tt「それって……」
jp「たぶん」
jpが小さく頷く。
jp「近いんだと思う」
tt「……そっか」
jp「でも、まだ大丈夫」
tt「無理したらあかんで」
jp「うん」
tt「しんどくなったらちゃんと言って」
jp「……分かった」
tt「絶対やで」
jp「分かったって」
jpが笑う。
そして。
小さく俺の袖を掴む。
jp「……心配してくれる?」
tt「当たり前やろ」
jp「……えへへ」
tt「何笑ってんねん」
jp「嬉しいから」
放課後。
帰り道。
jp「ねぇ、tt」
tt「ん?」
jp「土曜日」
tt「うん」
jp「楽しみだね」
tt「楽しみやな」
jp「何着ていこうかな」
tt「普通の服でええやろ」
jp「それじゃつまんない!」
tt「じゃあ好きなん着たらええやん」
jp「……」
jpが俺を見る。
jp「ttは?」
tt「ん?」
jp「俺がどんな服着てきても、かわいいって言ってくれる?」
tt「……」
tt「言う」
jp「……ほんと?」
tt「ほんま」
jp「……じゃあ頑張る」
tt「何を?」
jp「秘密!」
tt「また秘密かい」
jp「当日のお楽しみ!」
そして。
土曜日。
待ち合わせ場所。
tt「……」
俺は時計を見る。
午前十時。
すると。
遠くから。
jp「ttー!」
tt「……!」
振り返る。
jpが走ってくる。
tt「だから走ったらあかんって!」
jp「だって待たせたくなかったんだもん!」
tt「……」
今日のjpは。
いつもより少しだけおしゃれをしていた。
tt「……かわいい」
jp「……!」
jpの顔が赤くなる。
jp「……ほんと?」
tt「うん」
jp「……よかった」
tt「俺もそれなりに頑張ったで」
jp「うん!」
jpが笑う。
そして。
少し恥ずかしそうに。
手を差し出した。
jp「……手」
tt「ん?」
jp「……繋がない?」
tt「……」
俺はその手を取る。
ぎゅ。
jp「……」
tt「……」
二人とも黙る。
jp「……なんか」
tt「うん」
jp「緊張するね」
tt「俺も」
jp「……えへへ」
水族館。
大きな水槽の前。
jp「わぁ……!」
jpが子どもみたいに目を輝かせる。
tt「そんな好きなん?」
jp「好き!」
jp「見て!あれ!」
tt「魚やな」
jp「それは分かるよ!」
tt「ははっ」
jp「もう!」
jpが俺の腕を軽く叩く。
そして。
次の瞬間。
jp「……あ」
tt「ん?」
jp「……ちょっとだけ、疲れた」
tt「大丈夫?」
jp「うん」
tt「休憩しよ」
jp「でも――」
tt「デートは逃げへんから」
jp「……」
tt「無理するほうが嫌や」
jp「……分かった」
近くのベンチに座る。
jpが少しだけ目を閉じる。
tt「眠い?」
jp「……ちょっと」
tt「寝てもええよ」
jp「……でも」
tt「俺、ここにおるから」
jp「……」
jpが小さく笑う。
jp「じゃあ……ちょっとだけ」
tt「うん」
jpが目を閉じる。
しばらくして。
jpの頭が。
俺の肩にそっと寄りかかる。
tt「……」
動けない。
というより。
動きたくない。
tt「……かわええな」
小さく呟く。
すると。
jp「……聞こえてる」
tt「起きてたん?」
jp「うん……」
jpが目を開ける。
jp「もう一回言って」
tt「何を?」
jp「さっきの」
tt「……」
tt「かわいい」
jp「……もう一回」
tt「かわいいで」
jp「……えへへ」
jpが嬉しそうに笑う。
水族館を出る。
夕方。
少しずつ空がオレンジ色になっていく。
jp「今日は楽しかった!」
tt「俺も」
jp「また来たい」
tt「また来よ」
jp「……次もデート?」
tt「もちろん」
jp「……!」
jpが嬉しそうに笑う。
でも。
少し歩いたところで。
jpの足が止まった。
tt「jp?」
jp「……」
tt「どうした?」
jp「……ちょっと」
jpが胸元を押さえる。
tt「しんどい?」
jp「うん……少しだけ」
tt「帰ろ」
jp「……ごめん」
tt「謝らんでええ」
tt「家まで送る」
jp「でも、ttの家と逆方向――」
tt「今日は関係ない」
jp「……」
tt「jpが大丈夫になるまで一緒におるよ」
jp「……ありがとう」
帰り道。
jpはいつもよりゆっくり歩いている。
俺もその速度に合わせる。
すると。
jpが俺の手を握った。
jp「……ねぇ」
tt「ん?」
jp「今日」
tt「うん」
jp「俺、すごく嬉しかった」
tt「俺も」
jp「初めてのデートがttでよかった」
tt「……」
jp「また行こうね」
tt「何回でも行こ」
jp「……約束?」
tt「約束」
小指を絡める。
でも。
今日はそれだけじゃない。
jp「……」
jpが少し迷ってから。
俺の手を握り直す。
jp「これも」
tt「ん?」
jp「ずっと繋いでていい?」
tt「……ええよ」
二人の手が。
もう一度重なる。
夕暮れの帰り道。
ゆっくり。
ゆっくり。
二人で歩く。
そして。
jpが小さな声で言った。
jp「……好き」
tt「……俺も」
jp「……」
tt「何?」
jp「もう一回言って」
tt「好き」
jp「……俺も好き」
今度は。
どちらも照れながら。
笑っていた。
――その日の夜。
jp『今日はありがとう』
tt『こちらこそ』
jp『楽しかった』
tt『俺も』
jp『またデートしようね』
tt『もちろん』
少しして。
jp『……でも』
tt『ん?』
jp『次のヒート、たぶん近いから』
tt『うん』
jp『学校、休むかもしれない』
tt『無理せんでええよ』
jp『……寂しくならない?』
tt『なる』
jp『……!』
tt『でも、jpが元気になるほうが大事』
jp『……好き』
tt『俺も好き』
jp『……明日も会いたい』
tt『明日も会おう』
jp『約束』
tt『約束』
画面の中でも。
小さな「約束」を交わす。
もう。
勝ち負けなんて関係ない。
ただ。
好きな人と。
ずっと一緒にいたい。
それだけだった。
――そして数日後。
jpのヒートが始まる。
そのとき。
ttは初めて。
「αとしての自分」と。
「jpを好きな自分」。
その二つを。
強く意識することになる。
――第6話 END
見ていただいてありがとうございます!
はーとがほんとにのびなくて、、
てらーの先輩方!アドバイスください!
待ってます🫶(きも
ねくすと→気分
コメント
1件
わあぁ〜!!!!!!これが初デートか〜〜〜!!!😭💕💕 水族館デートかわいすぎて頭おかしくなるかと思った…!! jpくんが「わぁ…!」って子供みたいに目を輝かせてるとことか、ttくんが「かわええな」って思わず口にしちゃうとこ、全部エモすぎて胸がぎゅってなった…! そしてヒート近いって話がちょっと切ないけど、それでも「明日も会おう」「約束」って交わす2人が尊すぎる…!αとΩとしての宿命とか、これからttくんがどう向き合っていくのか気になる〜!!次話も楽しみにしてます!🌸✨