コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
カランカラン。と粥の入った器が床に落ちて回る。ああ、またか。一体何がしたいのだ。「何してんの!!早く片付けなさいよ!!」と妹が言う。いや、違うな。宝石様が言った。緑緑は懐から布を取り出して床の粥を拭く。「ったく、人参を入れやがって。」と緑緑に聞こえるような声で言う。しかし、今回は頭にかけられなくてよかった。「くすくす。見て、あの人また言われてる。」「いや~、人参を入れなかったいいのに。馬鹿だなあ。」と下女達が扉の隙間から見て笑っている。見ているくらい暇だったら、手伝えよ。と怒りが込み上げてくる中、粥を拭き終える。でも、綺麗な顔しているんだよな。「性格悪いけど。」「何か言った?」と睨んできた。あっ言ってしまった。「い、いえなんでもございません。」と立ち上がる。「ふん!じゃ、この足を股がずに行け。」と嫌な笑みをする。断ったら飯なしだからなあ。「わかりました。」しかし、どう行こうか。股がずに。股がずに、、、。何か思いついたのか、前を見る。そして、横に行き、前へ進んだ。「ちっ。私は股がずにと言ったわよ!」「ええ、ですから横に進んだのですが。」「何言ってのよ!!!」と勢い良く立ち上がる。その為、椅子が倒れた。何か駄目な事だったのか?明らかにそちらの言い分の問題だと言うのに。だが、宝石は本当に怒ってる。拳を強く握りしめ、口にぎざぎざとしている。「何事?!宝石どうしたんです?」と母が来る。「母上、緑緑が嫌な事してくるんです。 」と上目遣いで母を見る。その目は流石にずるい。「そうなのかしら?緑緑。」と問われる。母の顔を見ようと顔を上げると───先程の大きな美しい青い目が鋭く、闇のようなどす黒い目になっている。緑緑は冷や汗をかく。「ち、違います。わ、私はい、言う通りにしただけです。」と平然を装い言おうとしたが、口が震え、舌を噛んでしまう。宝石はニヤリと口を歪ませている。ああ、これ、今日は飯抜きだなぁ。