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「やっぱり、飯抜きだよね。」と離れの小さな部屋でがっかりと項垂れていた。コンコン。「失礼します。緑緑様、例の物持って来ましたよ。」と部屋に入ってきたのは、ユンだ。「ありがとう。こういう日には、助かるよ。」と笑顔をユンに見せる。「って言うか、飯抜きにされて、そこら辺の薬草を食べる良家の娘って聞いた事ありませんよ。大丈夫ですか。」と心配そうな顔をして言った。そう、緑緑は飯抜きにされたらいつも薬草を食べている。「大丈夫。」と言い、ユンが取って来た薬草を手で切っていく。そして、床下の隠し物置から米と数本の枝を取り出す。米を炊く為に床に土を置き、枝と枝をすり合わせ、そこに松ぼっくりを入れる。その後、火がつき、花の入っていた花瓶に米と井戸水を入れて炊く。ここまでの行動にユンは可哀想という感情ではなく呆れという感情をしていた。「少し休憩と。」緑緑は椅子に座る。それにしても飯抜きは嫌程経験したからか、こんなことにも慣れてきたな。「緑緑様、あまり慣れすぎないでくださいよ。」と扉の近くで声がした。少し低く、優しい声が。緑緑が振り返るとグアンがいた。「お兄様、いつからいたんですか?」「ユンさん、ここではグアンさんと呼ぶべきですよ。ちなみに私は緑緑様が米を炊き始めた頃からいましたよ。」と優しく注意して質問に応える。「本当にお優しいですね。」と緑緑が言う。「ふふふ。そこまで優しいでしょうか?」と困り顔で笑って言う。「優しいですよ。推様(母上)と宝石様よりも。」と笑顔で言う緑緑の姿を見て、ユンとグアンはなんとも言えない顔をした。「緑緑様、、、。とっとにかく、そろそろお米炊きますかね。」とユンが話を変える。「ああ、そういえば私は蜜柑を女官の方から貰ったので、緑緑様どうぞ。」と思い出し、懐から蜜柑を取り出し机に置く。「はああ。また貰ったんですか。グアンさん本当におモテになりますね。」と意地の悪いようにユンが言う。確かに顔良い、優しい、武官でもあるし17の時は文官を少ししていた。うんうん。モテるな。そんな事を考えながら時々お米の様子を見る。
(きりが悪いけど今話は終わりです。続きは次話です。)