第2章「仄暗い願い」その26
修介は戸惑いのあまり、思ったことがすぐ口から出ていた。
「……誰?」
そう――姫乃と自分に挟(はさ)まれたこの男子生徒の顔を、修介はまったく見覚えがなかった。
短い髪型をしていて、太いフレームのメガネをかけた男子生徒。
「……」
「……」
姫乃は見覚えがあるらしく、険しい顔つきで男子生徒をじっと見つめていた。
元々、修介は人の顔と名前を覚えるのが得意ではないが、クラスメイトや、元クラスメイトならまず顔は忘れない。
俳優コースでも、脚本協力をしたメンバーのことは当然忘れるはずがないし――
男子生徒がだんまりを決め込む中、修介はどう反応すればいいか困っていた。
そんなとき。
「――やあ、お友達も連れてきてあげたよ」
爽やかな声が、姫乃の後方から聞こえてきた。
修介、姫乃、メガネの男子生徒はそろって声のほうを向く。
香島に両肩を押さ***********
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