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注意点
マイ冬
ファンタジー王国(?)パロ
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霜降の能力…
吹雪を生み出す事ができ、とても大きな卍国の戦力。
霜降の力を持つものは雪解家だけ。
彼らの子は霜降の力を受け継ぐ。
また雪解との子は稀に父親の能力を受け継いだり、霜降と父親の能力の2つを使える 能力者になる可能性がある。
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「隣国の佐野王子に嫁入りをお願いします」
隣国の卍国から佐野家の使いが送られてきた。
そう言われたのは数ヶ月前の出来事だった。
雪解千冬…偽名、松野千冬。
霜降の能力の持ち主。
彼…いや、彼女は男装をしている。
勿論、この雪解大国では性別を偽り婚約することは禁じられている。
しかし、これまでに多くの国と親好を深めすぎた。
今この国に王女が誕生したとなれば跡取りを作るため千冬を巡って激戦が起こってしまう。
王女であれば、子どもができれば霜降のより強い能力を持った子が生まれる。
千冬の親は自分達の世代の長続きより、世界平和を選んだ。
彼女もその意見に反対はしない。
そのためわざと、男装していたのだが…
隣国の有名な貴族「佐野家」
卍国の有力な権利者や家系とも多くの繋がりを持つ。
そんな家系の方がなぜ性別を偽る自分を嫁に…?
この話を聞いたときは千冬自身もとても驚いた。
コンコン
「失礼します、母上」
「あら、千冬?どうしたの?」
「実は、佐野家に嫁入りをしろと言われて…」
「…」
母は黙ったまま俺をじっと見た。
揺らがない、美しい瞳だった。
俺は生まれてから雪解の王女という身分を隠し「松野」として村で暮らしていた。
だからこうして母との直接の対面は久しぶりで、少し緊張するものだった。
「…千冬はどう思うのかしら?」
「俺は、どう思う…」
「俺は、この際嫁入りしても良いと思います、」
「…」
母は黙って俺の話を聞いている。
「このまま王女として何の役にも立たずに一生を終えるのは嫌ですし、貴重な縁談の話ですので…」
「…千冬」
「はい?」
「私は千冬の考えを尊重します。でも、無理はしないようにね」
「…はい!」
母に自分の気持ちを尊重されたのが嬉しかった。
その後俺は佐野家になった。
「あ、あの…まだ俺、誰と結婚するとか聞いていないんですけど…」
「あー、俺だよ」
「へっ?」
「だから、俺!佐野万次郎、よろしく!」
「どうも、よろしくお願いします。松野です」
流石に雪解なんて言えない。
母から生まれた時から教えられた大切な決まりだから。
「ねぇ」
「はい…?」
ドンッッッッ
「ヒッ!?!?」
壁にいきなり押される。いわゆる壁ドンというやつだろうか。
「お前本当は…」
「雪解の姫だろ」
「えっ、?」
バレていた、なんで。
俺は母との大切な約束を守れなかった。
「な、んで…知って…」
「ふふ、なーいしょ♡」
「そういえば『姫』はさ、なんで身分隠してんの?」
「いや…それは、言えません」
「ふーん…」
流石にそこまで知られたらこれまで親が築いてきた雪解大国が終わってしまうかもしれない。
「だから、結婚式もそんな盛大にやってほしくなくて…」
「ダメですか…?」
「…分かった、俺から父さんに言っとくよ!」
「!ありがとうございます、あと…俺が女なこと隠しといてください」
「分かったよ、それも父さんに言っておくね」
こうして「私」の佐野家生活が始まった……
〜Princess snow melts.〜
その日から佐野家の謎は公になっていく。