テラーノベル
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とあるアスファルトで敷き詰められた路地裏。
ドタゞと、荒々しく急ぎに急いだ足音の後に、 コツゞと、ブーツの足音が一定の速度で響いていた。
男「 ッはぁ、はぁっ……く、来るな!!やめろ!!くそっ…化け物が…!! 」
息を乱して、額から冷や汗を浮かべながら男は無我夢中で走り抜けて行った。
やけに道が長く感じた。
後ろを振り向くと、黒い影が同じ距離感で迫ってきている。
男は懐から拳銃を取り出すと、その影に向けて引き金を引いた。
バン!!と銃声音が響いた。
が、その数秒後には鋭い金属音が響き銃声音を打ち消してしまう。
男「は…?」
弾は、影によって弾き返されていた。
黒い影が手にしていたのは、月明かりに照らされた長く鋭い刀だった。
男は驚いた。あまりにも長身な人物だったからだ。
中々出会う事は無いだろう。
おおよそで見ても、190以上はあるだろう。
男は無意識に恐怖心に駆られてしまった。
足腰に力が入らず、そのまま尻もちを着いてゆっくりと後ろに下がる。
男「ま、待ってくれ!俺には妻と子供がいるんだ!!この事は誰にも言わない!!だから、見逃してくれ!!」
青ざめた顔で片手を必死に振って、殺されまいと叫んだ。
が、その長身な人物は、ゆっくりと男の前に立った。
レイヤ「……」
月明かりに照らされたその顔は、とても整った顔立ちをしていた。
無の表情。
黒く光の宿らない瞳、それは目の前の男に落とされている。
笑ったりも、怒ったりも、ましてや喋ってくれることすら無かった。
無言で刀を振り上げる。
男「やめ…うわぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
男の叫びは夜の街に消えていった。
レイヤ「……」
刀に着いた血痕を振り落とし、静かに腰に装備された鞘に戻した。
その所作は刀を扱える人そのものだった。
黒い獣耳がピコゞと動き、長い尻尾は小さく揺れる。
彼の名はレイヤ・レパード。元々は天使だったが、とある騒動により天界から追放され堕天使となってしまった男である。
彼は黒豹のハーフでもあり、獣人のような獣耳と尻尾が備わっていた。
そして、彼の身長は198cm。誰が見ても高身長と思えるだろう。
あの大天使と同じ身長である。
彼は地に降りてから、独りでも暮らせるようにと便利屋を始めた。
彼の腕は確かで、密かに裏職として頼られている。
そんな彼には2つの欠点があった。
極度のコミュ障で表情筋が死んでいるということだった。
どんなに仲良くなっても、口数が一向に増えることは無く…
数十年一緒に居ないと話す事は難しいのである。
また、それに加えて表情筋が死んでいる為表情の変化が少なく、感情が全く読み取れないのだ。
感情を読み取るのが得意、だと言える人でも中々難しいレベルだろう。
そんな彼だが、流石にちゃんと話さないといけない時は、ド緊張ながらも声を発して少ない単語で会話を試みる。
が、声は大体小さい。
そんな彼だが、密かに人とは仲良くしたいと思っている。
が、意識と本能はそう簡単には和解してくれなかったようだ。
時々、昇った月や太陽を眺める事があった。
自分にとって大事な、とある人物のことを思い浮かべながら。
今思えば、本当に些細な…いや、些細な事で済まされるようなことでは無かったのかもしれない。
それでも、またその人物と話したいとずっと思っている。
レイヤ「 …俺があの時、あんな事……言い出さなかったら。あんな事には…ならなかったのかな。 」
路地裏の中で独り、小さく呟いた。
本人に伝えたかった。
でももう会えない。
会いたくても会えない。
少しばかり唇を噛み締めて、小さく俯いた。
とその時、彼の肩に1つの手が置かれた。
ジン「な〜に暗い顔してんのぉ?」
彼の名はジン・インフェルノ。
今はほぼ絶滅しかけている悪魔の1人だった。
彼の瞳に刻まれた6星が、月明かりに照らされてよく輝いている。
彼の片目の瞳はまるで星空のように美しかった。
レイヤとは仲が良く、偶に地上で飲み食いする程だった。
レイヤがちょっとばかり話せるような相手でもあった。
ジン「って、いつも暗いか。ははっ。」
彼は小さく笑ってはレイヤの背中をバシゞと叩いた。
そして軽く微笑む。
ジン「彼奴の事はもー良いんじゃね?そんなに気にしなくたって上で元気やってるだろーよ。」
レイヤ「……そう、なのかな。」
レイヤはぎこちなく目線を落とした後、小さく逸らしてしまった。
彼はその人物のことを気にしている。
ジンにはそれが見て取れたのか、目を細めて小さく溜息をついた。
ジン「……なぁレイヤ、もしさ。彼奴が何かしらで死んだとしたら。
お前、どうする?」
突然の突拍子もない質問だった。
いや、質問と言うよりかは何処か確かめに来ているような問い方だった。
彼の瞳がギラッと光る。
悪魔らしい目つきだった。
レイヤは小さく目を見開き、困ったように目線を泳がせた。
そして瞬きをしてジンを捉える。
レイヤ「……死ぬ前に助ける。」
彼は決意を固めた目で言った。
ジン「…ぷっ、ばーか。死んだ後の話だっつーの、脳筋がよぉ。」
彼は小さく吹き出して、レイヤの頭をがしゞと撫でては背を向けた。
ジン「…助けられたら、の話だけど。」
彼は小さく、誰にも聞こえないようなか細い声で呟いた。
何処か憎悪のような、低い声で。
2人は夜の街を歩いて、静かに姿を消した。
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コメント
4件
天才ですか?
お前マジやばい...
#悪魔
OOKMI
1,063
ら む ね _ @暇人
16,692
ゆいらーめん
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