テラーノベル
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🦍視点
だってその方が堕ちたときの
絶望感が大きいから。
🦍「僕はずっと帰ってくる者を
優しく迎え入れる役なんだ。」
落ちた後も安心して
僕に堕ちていけばいい。
🍌視点
あの朝から時間の感覚は壊れた。
昼も夜も分からない部屋の中で
ただ静かに息をしているだけ。
精神がゆっくり削られていく。
そんな事を話していたら扉が開く。
あぁまた始まる。
🍆「おんりーちゃんおはよう。」
そう言いながら
ぼんさんは手に何かを抱えていた。
その正体は白い包帯と小さな医療箱。
🍆「今日はね…ちょっとだけやったの。
痛かった…けどこれは昨日
おんりーちゃんが俺の事無視したから。」
袖をまくったその腕には
うっすらと赤い線。
包帯の隙間から
まだ乾いていない傷跡が見えた。
ぼんさんはあの日を境に
医療箱を片手にこの部屋にやってくる。
笑ってるのに
どこか泣いているようなその顔。
直視することが出来ず視線を逸らした。
🍆「ねえねぇお願いだから……
今日も少しだけ隣にいてもいい?」
ぼんさんは優しい。
だけどその優しさが
まるで刃のように心に刺さる。
まるで自分が加害者のようだ。
返事のない自分にぼんさんは微笑み
自分の隣に腰を下ろす。
🍆「ほら、おんりーちゃん
いつもみたいに手当てしてよ。」
ぼんさんは医療箱を開いた。
慣れた手つきで消毒液と包帯を取り出し
傷のついた手を向ける。
差し出された手は白く細かった。
消毒液を含ませたコットンが
傷口に触れるとぼんさんの肩が揺れた。
🍆「おんりーちゃんは俺の事好き…?」
突然な問いに手が止まった。
『嫌いじゃないですよ…たぶん。』
ここで嫌いだと言ってしまうと
本当に自分が加害者になってしまいそうで
本当のことは言えなかった。
🍆「よかったぁ……。」
ぼんさんは嬉しそうに笑ったけど
目だけがどこか冷めていた。
『じゃあなんで傷をつけるんですか?』
そう声に出した瞬間
ぼんさんの表情が消えた。
🍆「だって…そうでもしないと
おんりーちゃんが見てくれないから。
て、手当てしてくれるし
お話してくれるしさ。」
ぼんさんはいつも通り微笑んでいたが
部屋の温度がぐっと下がった気がした。
🍆「大丈夫。痛いの慣れたから。
それより今日はおんりーちゃんの話
もっと聞かせて?」
自分に逃げ道はなかった。
『…さっき痛かったって
言ってましたよね?』
🍆視点
おんりーちゃんが俺の目を見てそう言った。
『さっき痛かったって
言ってましたよね?』
胸の奥で何かが割れた気がした。
やっぱりおんりーちゃんって優しいんだ。
ちゃんと覚えてる
俺の言葉を聞いてたんだ。
笑みが溢れそうになるのを
我慢する。
🍆「…うん言ったかもね。
けど…この時だけはおんりーちゃんのこと
独り占め出来るから
その対価を払ってるだけなんだ。」
それがどれだけ不自然で
どれだけ歪んでいても
それしか方法がなかったんだ。
🍆「他に方法…思いつかなかった。」
声が少しだけ掠れる。
今まで俯いてたおんりーちゃんが
顔を上げ目が合う。
『他の方法があったら
やめてくれますか?』
おんりーちゃんのその言葉が
胸にじんわり沁みた。
鋭いのに暖かい。
🍆「……やめられるかな。」
目を伏せながら呟く。
でもその手はおんりーちゃんの
包帯を巻いた指先を探してた。
触れたい。
確かめたい。
これが愛されてる証拠なんだって。
🍆「愛されるのって難しいね。」
1000❤︎↑
ようやく🍆書けました嬉しいです☺️
コメント
4件
1500にしときました!!👍続き待ってますッッ!!毎日の楽しみです!
🍆さん…無視されるだけで🐿🦟は良くないよ…と言いたいところだがそんな状態の🍆さんも好きという私がいる、、、ぐへへへ