美奈子が家に帰ると、裕介は雑誌を読みながらソファで眠っていた。
夕飯も自分で作って食べたようで、洗い物も全て終わらせてくれていた。
洗濯物も全て畳んでくれてしまってくれていたので、美奈子は裕介を起こす前にお風呂に入った。
「裕介起きて。風邪引いちゃう」
美奈子に揺さぶられて裕介はうっすらと目を開けた。
「あ、帰ってたんだね。おかえり」
にっこり微笑む裕介に美奈子も微笑む。
「気持ち良さそうに寝てたから起こさないでお風呂入っちゃった。裕介ももう入ったでしょ?」
「ああ。楽しかった?」
裕介に尋ねられて、千秋が浮かんで美奈子はドキンとする。
「ええ。真知子も綺麗だったし、素敵な披露宴だったよ」
「そっか」
裕介が美奈子を引き寄せて抱きしめる。美奈子はビクンと身体を震わせた。
「美奈子のこと、ジロジロ見る男は居なかった?それが少しだけ気になってた」
嫉妬してくれたと分かり、美奈子はドキドキする。
千秋の顔を消そうと目を瞑る。
「大丈夫です。もっと若くて可愛い女の子がいっぱい居たもん」
裕介を安心させようと美奈子は言う。
本当は披露宴の話をやめて、千秋をもう思い浮かべたくなかった。
「ベッドに行く?」
美奈子が誘うと裕介は笑顔で頷く。
もしかしたら、今夜は1年ぶりに裕介に抱いてもらえるのではと期待した。
帰ってきた時に起こさなかったのも、ゆっくり休ませてあげていた。
「美奈子」
ベッドに横になると、裕介はすぐに美奈子を求めた。
嫉妬しながら待っていてくれたんだと思うと、美奈子は嬉しくてしかたない。
「美奈子、好きだよ。最近、あまり触れてなかったね。ごめんね」
耳元で優しい声で囁かれて、その声だけで美奈子はとろける。
裕介の手のひらが美奈子の胸を包み、美奈子が感じるように裕介は愛撫を施す。
「裕介……………」
まだ柔らかい裕介のモノを美奈子は優しく握る。
裕介が美奈子を感じさせるように、美奈子も裕介を感じさせた。
「美奈子、もういいよ」
美奈子が裕介のモノから口を離すと、裕介は美奈子の太ももを開き体を重ねた。
久しぶりに今夜こそ、これがきっかけになればと美奈子は裕介を待つ。
「……………美奈子」
太ももに感じる裕介のモノが柔らかくなっていた。
「ごめん。なんか、ダメみたい」
今夜もダメだったと分かり、美奈子はもう何も言えなかった。
口を開いたら涙が出てきそうだった。
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