結婚したものの・・・体を重ねたものの・・・二人は全く未知の間柄で、お互い相手が何が好きで何が嫌いかと言う事さえ知らなかった、私は徹に対してひどく気づまりに感じた。世の夫婦が二人きりの時に何を話すのか私は知らなかった
徹は私と結婚したことを早くも後悔し ているのだと私は悲しくなった
しかし私自身は、何はともあれ徹のおかげで美鈴とあの家から逃れることが出来たのだから、この契約の様な結婚生活の妻としての自分の義務だけは忠実に守りたいと心を決めてた
私が徹を愛しているかどうかなどは考えてもみなかった、子供の時から、妻は夫を、そして夫は妻を、いわば自動的に愛するものだと信じて育ったのだ。結婚という奇蹟によって愛が生まれると考えていた
結婚前に自分の感情に自信を持っていなかったとしても、結婚した今、当然自分は夫を愛しているはずだと思うようにした
私は夜空の星を見て思った
たとえ今は彼も私もお互いを愛していなくても・・・・結婚生活を続けていれば必ずどこかで、お互いを信頼し愛し合える時が来ると・・・
それは私が父を愛し、尊敬していたあの頃の様に自然と私の中で彼を愛し、尊敬できる日が来るはずだと・・・・
そう・・・・・
あのLINEを見つけるまでは・・・・・
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