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???「雨花ってどうしていつも左腕を隠してるの?」???「…………」
「「え?」」
ここは、生徒会室。「雨花」は「桃時」にある質問をされていた。
???「確かに……」
???「何でだ?」
???「…………」
「橙」、「瑠璃人」も気になったのか話に入ってきた。「兎白」は耳だけすませて聴いている。
確かに雨花の左腕から手の甲にはいつもアームカバーがされている。
雨花「…………。ふふっ、それはね……」
「「わたしの封印されし魔の手が封じ込められているのだよ!!」」
桃時「あんた厨二病だったの?!」
橙「ダサいですよ。雨花さん」
瑠璃人「雨花……高三にもなってやめた方が良いぜ?」
雨花「厨二病じゃないもん!!本当に魔の手が封印されているんだよ!!」
桃時「はいはい」
数時間後
橙「そろそろ帰りましょうか」
桃時「そうね。帰りましょ」
瑠璃人「やっと終わったぜ〜!」
雨花「じゃあわたしも……」
兎白「いや雨花は残ってくれ」
雨花「え?」
桃時「じゃあアタシたちは先帰ってるわね。今日は「ピンミル」の放送日だし、リアタイしなきゃ!」
橙「またあの恐ろしいアニメですか……」
瑠璃人「めちゃ物騒なカオスアニメ……」
桃時「なんか言った?」
橙・瑠璃人「いや!別に……」
橙、桃時、瑠璃人はこんな感じで帰って行った。
雨花「それで?なぁに?もしかして知らない内にまたやらかしてた?なら謝らないと……」
兎白「雨花。お前……」
「「どうして左腕のアームカバーの下に包帯を隠してるんだ?」」
雨花「……言ったでしょ?これはわたしの魔の力が……」
兎白「そういうのはもう良い。本当にそういうのなら包帯をあえてみせるだろ?でも、お前はわざわざアームカバーを付けている。それはその包帯に……」
雨花「はいストップ!……はぁ…………誰からきいたの?」
兎白「雫さんからだ。雫さんには「雨花の左腕には絶望が刻まれている」と言われている。お前一体……」
「「過去に何があったんだ?」」
雨花「……ぷっ、あはははははははははははは!!!!」
兎白「な、何がおかしいんだ?」
雨花「いや、雫さんの発言が……ぶふっ面白くて……わたしの左腕に絶望が刻まれてる?そんな綺麗なもんじゃないよ。これはね……」
「「戒めだよ」」
兎白「戒め?」
雨花「そう。本来ならわたしは罪を償って楽になるのも罰を貰って楽になるのも許されない。だから、罪を償うのも許されないし、戒められるのも自分で戒めるのも許されない。でも何もしないのも絶対ダメ。だから自戒するしかない。誰もわたしを戒めてくれる人なんていないから。だから、この左腕は自業自得。絶望なんて被害者みたいなもんじゃない。完全に加害者だから刻まれたもの。本当に自業自得でしかない。本当に……」
「「自業自得なんだよ」」
雨花は左腕をとても強く握る。アームカバーと中の包帯がぐしゃっとなった。
兎白「(……雨花は)」
自分が本当に許せないんだな
自分は人を傷つけることしか出来ない
そんな風に考えて
俺たちと一緒にいる時も
お前は自分を罰さないといけないと考えてしまうんだな
雨花は本当はどうしようもなく
繊細で脆くて恐がりで壊れやすい
雨花はそれを隠してるんだな
左腕の包帯とアームカバーのように
雨花「はい!この話はこれでおしまい!」
雨花はカバンを持つ。
雨花「じゃあね!明日からは普通に今まで通り接するからね?この話はもうこれで本当におしまい」
「じゃあね」と雨花は帰って行った。
兎白「雨花……」
外は新月。兎白は外をみながら、真っ暗な空と雨花を重ねる。この空に小さな星の光が灯る事を祈って。
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雨花「…………」
雨花は家に帰った。
雨花「あはっ!あはははは!…………。……はぁ」
ぼたぼたと落ちる音がする。
雨花「…………死ねば良いのに。こんな……こんな……奴っ!!!!」
ぼたぼたと落ちる音が加速する。
雨花「心は簡単に壊れるのに、体は簡単には壊れないな……」
はぁ
消滅したい
雨花は、『レブルキー』を持ち、新月の方向に向けた。その様は、何かにしがみついて縋り付くようだった。