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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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レッドボアやクリムゾンボアの討伐を報告し、報酬を受け取ったシンヤ達。

冒険者ギルドから出ようとする彼を、受付嬢ユイが引き止めた。


「まだ何かあるのか?」


「ありますよ! 報酬とは別に、ランクアップ査定が残っています!」


「ああ、その件か」


依頼外の魔物狩りであっても、討伐者が冒険者であればランクの査定に影響がある。

以前シンヤがクリムゾンボアを討伐した際には、その功績を評価し、本来Eランクから始まるところを特別にDランクからにしてくれた。

クリムゾンボアの討伐難易度からすればもっと上のランクでもおかしくはなかったが、さすがに完全な新人冒険者をいきなりCランクやBランクにすることは躊躇われたのだろう。


だが、今回は違う。

シンヤが冒険者としてグラシアの街を拠点に活動を始めて、既に一か月以上が経過している。

それも、単に低階層を探索していたのではない。

わずかな期間で三階層に足を踏み入れ、しかも突然変異のゴブリンキングまで倒したのだ。

その功績から、彼の現在のランクはCだ。

そこに今回のクリムゾンボアの討伐実績が加われば……。


「シンヤさんをBランクに昇格! ……させるための推薦状を書かせていただきます!!」


ユイが元気よくそう言い放った。


「おお、Bか。悪くないな。しかし、推薦状って?」


「実は、冒険者ギルドの支部に与えられている権限は、本部に比べて限られているのです。冒険者へのランク認定もその一つです」


「ふむ?」


「当グラシア支部では、Cランクまでしか認定できません。まあ、小さな支部ではDランクまでだったりするので、それよりは大きな権限ですけどね。いずれにせよ、シンヤさんがBランクに上がるためには冒険者ギルド本部か、大きめの支部のある街に行く必要があります」


「へえ。そういうもんなのか」


「はい。Cランク冒険者であれば誰でも受験資格がありますが、特に有望な冒険者に対しては各支部で推薦状を書くことがあります。それがあれば、一次試験が免除されます」


「なるほど。つまり、これだけの功績を上げても俺はまだCランク止まり。それ以上ランクアップしたければ、昇格試験を開いてくれる街に行けということか」


「はい。残念ながらそうなってしまいますね」


ユイは申し訳なさそうに言う。


「分かったよ。そろそろ他の街に行ってみるのもいいかと思っていたんだ。なあ? ミレア」


「そうだナ。しかし、シンヤがBランクになると、あたしとの差がますます広がってしまうゾ。あたしはまだDランクだからナ」


ミレアは少し悔しげに言った。


「いえいえ。その心配は要りませんよ。ミレアさんは、今回の功績でCランク昇格とさせていただきますから」


「なにっ!? それは本当カ!?」


「はい。さすがに、シンヤさんのように推薦状を書くことは難しいですけれど……」


「十分ダ。Cランクなら、その昇格試験とやらに参加できるのだろウ? 推薦状無しでも、一次試験から実力で突破してみせるサ」


ミレアはやる気に満ちた表情を見せる。


「へえ……。ミレア姉貴までCランクか……。オレも負けていられないな」


レオナードもまた、そう言って闘志を燃やした。


「ふふ。そんなレオナードさんにも朗報ですよ。今回の功績でCランク昇格です!」


「マジか!?」


「ええ。おめでとうございます」


「ありがとよ! これでシンヤ兄貴と一緒に戦えるぜ!」


レオナードが嬉しそうにはしゃぐ。


「おいおい。まさか、俺とミレアに付いてくるつもりか?」


「え? ……ダメ……なのか……?」


ボーイッシュなレオナードが、まるで捨てられた子犬のような瞳で見つめてくる。


(うっ……。この顔は反則だぜ)


シンヤはたじろいだ。


「はぁ……。仕方ねえな。面倒を見てやるから、ついてこい」


「やったぜ! ありがとう、シンヤの兄貴!」


「ただし、昇格試験はミレアと同じく一次試験からだぞ」


「分かってるよ! 任せてくれ!」


「まったく……。元気がいい奴だ」


シンヤは苦笑する。


「では、以上で依頼達成の処理は終了ですね。推薦状の準備ができましたら、また連絡します。お疲れ様でした!」


こうして、依頼の完了手続きを終えたシンヤ達は、解散したのであった。

魔法の探求者、異世界で無双する ~美少女奴隷と迷宮を探索して、何やかんやで成り上がっちゃうぜ~

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