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#ミステリー
鬼霧宗作
686
みおん
5,211
朝から散々だった。あんな写真まで見せられて。
脳ごと切断された頭、キスをしている2人。
それとまるで物語のような内容が描かれていた紙。
不可解な事件だが、あまり考えないようにしたい。
俺は事件とは無関係だ。
それに捨てられている身だからな……。
いつもの喫煙所で一服をする。
地獄に向かう前のリラックスタイムだ。
毎回騒がしいやつがいるが……。
「おい! 小田」
今朝はいつもより騒がしい。
「ニュース見たぞ。あれ……お前の彼女だよな? なんか交際相手と殺されたとか言ってたけど、お前別れてたのか?」
写真チラッと見せたことあったけど、覚えていたのか。
今も付き合っていると嘘ついてたことが、完全に裏目に出てしまった。
まさかこんなことになるなんて思いもしていなかったし……。
ここまでくると誤魔化すのも限界だし、最近ストレス溜め込んでばかりでいたからいい加減吐き出したいと思っていた。
相談できるのは学だけでそれ以外信用して話しができるやつはいない。
木原のことは信用してなかったけど、俺は色々と吐き出したくなった。
俺はゆっくりと口を開いた。
「ごめん木原。俺、嘘をついてたんだ」
「嘘?」
「木原の言う通り、実はもう別れてたんだよ。一度だけ……早めに帰れたことがあったんだ。せっかくだしどこかでご飯でも食べに行こうって思って急いで帰ったんだ。でも帰ってみたら最悪だったよ」
そのまま俺は全てを吐き出した。
「綾葉と知らない男がヤッてたんだ。めっちゃ喘ぎ声出しててさ、いつも俺と一緒に寝ていたベットで……」
木原が黙って俺の話に耳を傾ける
「そのとき綾葉が気がついて、『なんで帰ってきてるの?』って、何故か俺がキレられたんだ。男の方もなんか堂々と……全裸状態でさ。どっちが悪いのかわからなくなったよ。そんな状況で俺は何も言えなかったんだ」
あの時のことを思い出して、俺は失笑する。
「綾葉は『この人と付き合うから』って、言って服着て出て行った。そのあと荷物を取りに来たけど、そのときも何も言えなかった。あっちも何も言ってこなかったけどね…」
煙を吐き出しながら
「それに加えて着拒にSNSブロックだ。他の人と幸せになるから俺のことはきれいさっぱり忘れたかったらしい。これが事実………去年のことだ。嘘を吐いててごめん」
俺は木原に頭を下げた。
木原は震えてる。
おそらく怒っているのだろう。
無理もない。
ずっと親身になってくれていたからな。
「……なんでずっと黙っていたんだ。相談してくれって言っただろう」
木原が俺の肩を掴む。
「ごめん」
俺は謝ることしかできない。
「辛かったよな。なにかあったら必ず言ってくれ。力になるから」
「木原… ありがとう」
話をしたら気持ちも少し落ち着いた。
「仕事で辛いこともあると思うけど、頑張っていこう。 な?」
木原の言葉に俺は頷いた。
その瞬間から少し気が楽になった。
成績はまだビリのまんまだけど。
係長は「なんかいいことでもあったのか?」とニヤニヤしながら聞いてきたが、「特に何も無いです」と答える。
押し付けられた仕事もすぐにこなして、最近は残業も2~3時間とほんの少しだけ早く帰られるようになった。
今まであの夜のことは、学にしか話したことがなかった。
相談できる人が増えて、憑き物が落ちたような気分だ。
木原に感謝しなければならない。
ありがとうな、木原。
コメント
3件
うわあああ第5話読み終えたよ…!!😭💦 小田くん、ずっと抱えてたんだね…元カノの浮気現場を目撃して、しかも相手に責められるなんて理不尽すぎるでしょ…。あの場面の絶望感、胸が締め付けられたよ。 でも木原さんの「なんで黙ってたんだ」って肩ポンしてくれた台詞が優しすぎて泣いた…!相談できる人増えて、ちょっとずつ荷物下ろせてる感じがじんわり来た。話すことで少し楽になるって、こういうことなんだね。 会社のノリも軽くなって、係長が「なんかいいことあった?」って聞いてくるの、ちょっと笑えたw 小田くんの回復が見えて嬉しい…! 続き、めっちゃ気になるよ〜!次の話も楽しみにしてるね⋆♡