テラーノベル
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第4話:真夜中の檻と、理性を焼き尽くす体温
船長執務室の奥に構えられた、重厚な天蓋付きのキングサイズベッド。
普段はレヴィが一人で使うその広大な空間に、今夜は大人三人、そして少年一人が横たわっていた。
シオンを中央にして、左側にレヴィ、右側にガルド。そして、シオンの頭上から抱きかかえ込むように身体を滑り込ませているのがフェニだ。
シオン:「ふあぁ……。わぁ、すっごく広くてフカフカですね! それに、みんなの体温が重なってとっても温かいです!」
シオンは無邪気に目を輝かせ、毛布の中でごそごそと身体を擦り寄せた。
右に動けばガルドのゴツゴツとした胸板に当たり、左に動けばレヴィのしなやかな体躯に触れ、頭を動かせばフェニの甘い香水と体臭が鼻腔をくすぐる。
どこを向いても、男たちの熱い体温と圧迫感から逃げられない「男の檻」の状態だった。
当の本人は「みんなでお布団に入ってお泊まり会をしている」くらいの感覚で、大満足そうにふにゃりと頬を緩めている。
しかし――シオンを取り囲む男三人の心境は、地獄のような拷問に近かった。
ガルド(心声):(くそっ……! 正気じゃねぇ……! なんで俺がこんな場所で、レヴィやフェニと並んでベッドに入ってなきゃならねぇんだ……!)
ガルドは身体をカチコチに硬直させ、天蓋の天井を睨みつけていた。
腕に触れるシオンの身体は、男のそれとは思えないほど柔らかく、驚くほど小さい。薄いナイトシャツ越しに伝わってくるシオンの体温と鼓動が、ガルドの理性をガリガリと削っていく。
フェニ:「ふふ……ガルドさん、随分と緊張しているじゃありませんか。肩に力が入りすぎて、岩みたいになっていますよ?」
シオンの頭の上から、フェニがくすくすと楽しげに笑い声を漏らす。
フェニはシオンの蒼い髪に指を絡め、その白い首筋に自らの吐息がかかる距離で顔を寄せていた。
ガルド:「黙れフェニ……! お前こそ、シオンに顔を近づけすぎだろ! 離れろ!」
フェニ:「嫌ですよ。僕はシオンくんの甘い匂いを一番近くで堪能できる特等席をもらったんですから。……ん、本当にいい香り。まるで咲きたての花みたいだ」
フェニはシオンの髪に唇を寄せ、愛おしそうに幾度も小さなキスを落とした。
シオン:「ふふ、フェニさん、くすぐったいです! あはは!」
シオンが声をあげて身をよじると、その可憐な身体が右側のガルドの胸板へ思い切り飛び込んだ。
ガルド:「っ……!? シ、シオン……!」
シオン:「あ、ごめんなさいガルドさん。フェニさんがくすぐるから……。ガルドさんのお胸、とっても固くて安心しますね」
そう言って、シオンはガルドの胸にぽんぽんと顔を擦り付けた。
ガルド(心声):(あ、ダメだ……! このガキ、本当にタガを外しにきてやがる……! 今すぐ押し倒して、俺のものだと分からせてやりてぇ……!)
ガルドの喉が大きく鳴り、その手は反射的にシオンの細い腰を強く抱きしめていた。
レヴィ:「ガルド。気安く触るなと言ったはずだ」
左側から、氷のように低く重い声が響いた。
レヴィだ。レヴィは不機嫌そうに金色の瞳を光らせると、ガルドの腕の中からシオンの身体を強引に引き寄せて、自分の胸の中に抱き込んだ。
シオン:「わっ……! 船長さん?」
レヴィ:「お前はおとなしく俺の胸の中にいろ。……それと、フェニ。お前もだ。髪にキスをするのは許可していない」
レヴィの強い力で抱き締められ、シオンはレヴィの胸にぴったりと密着させられた。
レヴィのトクトクと打つ力強い鼓動が、ダイレクトにシオンの耳に届く。
シオン:「船長さんのお心臓、とっても元気に動いてますね。あったかいなぁ……」
シオンは安心したようにレヴィの胸に擦り寄った。
レヴィ:「……っ」
レヴィの身体が微かに跳ねる。
抱きしめたシオンの背中の小ささ、腰の細さ。そして、ナイトシャツの襟ぐりから覗く、吸い付くような白い首筋。
昼間、ガルドに見せつけようと噛み切った finger の傷痕は、すでに痕形もなく消えていたが、その血が持つ「官能的な香気」は、未だにシオンの肌から微かに漂っていた。
レヴィ(心声):(この血も、この身体も……俺のものだ。誰にも触れさせたくない。この手で壊してしまいたいほど……愛おしい)
レヴィの金色の瞳に、どろりとした深い執着が揺らめく。
レヴィはシオンの細い首筋にスッと自分の指先を当て、脈打つ頸動脈をそっとなぞった。
シオン:「ん……? 船長さん、首がちょっと痛いです……」
レヴィ:「……黙れ。動くな」
レヴィはシオンの頭を自分の胸に強く押し当て、その首筋に己の唇を押し当てた。
噛みつく一歩手前の、強い威嚇と愛撫が混ざり合った kisses。
フェニ:「おや、船長。人に『触るな』と言っておいて、ご自分は随分と大胆なことをするんですねぇ?」
フェニの細い目が鋭く光る。フェニはベッドの中で身体を滑り込ませると、シオンの背後からその細い手首を掴み、指を絡め合わせた。
フェニ:「シオンくん。船長ばかりずるいですよね? 僕にも、もっと甘えてくれませんか?」
シオン:「フェニさん……? でも、船長さんがぎゅーってしてくれてて動けないです……」
ガルド:「おいレヴィ! お前一人で独占してんじゃねぇ! 俺にも触れさせろ!」
ガルドもまた、レヴィの制止を無視してシオンの足元から手を伸ばし、その細い太ももを撫で上げるように抱き寄せる。
シオン:「わわっ……!? みんな、どうしたんですか? 僕、引っぱられてます……!」
男三人による、シオンの取り合い。
右からガルドが引き、左からレヴィが抱き抱え、上からフェニが覆いかぶさる。
男たちの粗い息遣いと、それぞれの体に宿る猛烈な熱量が、ベッドの中の温度を一気に跳ね上げた。
シオンは真ん中で翻弄されながらも、息を荒くして自分を見つめてくる三人を見上げた。
男たちの瞳は全員、獣のようにギラギラと光り、理性の糸が今にもプチりと千切れそうになっている。
シオン(心声):(あれ……? みんな、なんだかすごく苦しそう……? お顔が真っ赤だし、息も荒い……)
シオンは「人魚の血」による効能や、男たちが自分に向けられている「性的な欲情・独占欲」というものを一切知らない。
だからこそ、この状況をまたしても盛大に勘違いした。
シオン:「あっ……! もしかして皆さん、どこかお身体が痛いんですか!?」
男三人:「……は?」
シオンの心配そうな声に、攻め三人の動きがピタリと止まった。
シオン:「だって、みんな顔が赤くて、息が苦しそうで……! 僕の血、やっぱり必要なんじゃないですか!?」
シオンは決意したような表情を浮かべると、なんの躊躇もなく、自分のナイトシャツの襟ぐりをぐっと大きく押し広げた。
はだけた服の隙間から、月光に照らされた白磁の肩、そして無防備すぎる首筋から胸元にかけての滑らかな肌が、男たちの目の前に完全に露出した。
シオン:「さあ、どうぞ! 僕の首筋から、好きなだけ血を吸ってください! みんなの痛みが消えるなら、僕、いくらでもあげますから!」
シオンは天使のような、けれど同時に恐ろしいほどエロティックな無自覚な笑みを浮かべ、首を横に傾けて無防備な首筋を差し出したのだ。
男三人:「…………っ!!!???」
執務室内に、息を呑む音が重なった。
目の前に差し出された、透き通るような白い首筋。
そこから漂う、男たちの脳を直接狂わせる甘い血の匂いと、純粋すぎる好意。
ガルドの目つきが完全に変わった。
フェニの穏やかな笑みが完全に消え、野性的な掠れた吐息が漏れる。
レヴィの金色の瞳は、獲物を狩る肉食獣そのものの光を宿した。
ガルド:「お前……まじで……いい加減にしろよ……!」
ガルドが掠れた声で唸り、シオンのはだけた肩に手をかけた。
フェニ:「ふふ……あは……。船長、ガルドさん。もう限界でしょう? この子がここまで誘ってくれているんですから……」
フェニの手が、シオンの腰を強く引き寄せる。
レヴィ:「……シオン。お前が自ら差し出したんだ。後から『やめろ』と言っても、もう絶対に離してやらんぞ」
レヴィがシオンの顎を強く持ち上げ、その無防備な首筋に、ゆっくりと鋭い列歯を押し当てた。
シオン:「え……? 船長さん……? ガルドさん……? フェニさん……?」
さすがのシオンも、今までとは明らかに違う「危険な雰囲気」と、男たちの狂おしいほどの熱気に気付き、パチパチと蒼い瞳を瞬かせた。
シオン(心声):(あ、あれ……? なんだか……みんなの目が、とっても怖くて……でも、すごく熱い……?)
逃げ場のない真夜中のベッドの上。
男たちの理性のタガが、ついに完全に崩壊しようとしていた。
#創作BL
あお
35
#青春恋愛
コメント
1件
第4話、めっちゃドキドキしながら読んだよ…! シオンくんがまたもや無自覚に男たちの理性をぶっ壊しにいってて、読んでるこっちが息苦しくなるような密度だった😳 特に「みんな痛いの?血吸っていいよ」って首筋差し出すシーン、無邪気なのにエロすぎてやばい。天使か悪魔かわかんないよあの子…。 レヴィ船長の執着も深まってて、嫉妬と独占欲がにじみ出てる描写がめちゃくちゃ好きです。 続き、どうなるんだろう。次の話も楽しみにしてるね!🖤