TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

誰も知らない、高嶺の花の裏側2

一覧ページ

「誰も知らない、高嶺の花の裏側2」のメインビジュアル

誰も知らない、高嶺の花の裏側2

28 - 第28話 〚予知に頼らない方法〛(澪&玲央)

♥

7

2026年02月10日

シェアするシェアする
報告する

誰も知らない、高嶺の花の裏側2


第28話 〚予知に頼らない方法〛(澪&玲央)


夕方の風が、少しだけ涼しくなってきていた。

校門を出たところで、私は足を止める。


「……玲央、少し話せる?」


名前を呼ぶと、前を歩いていた相馬玲央が振り返った。

海翔は少し離れた位置で、私たちの様子を静かに見ている。


「いいよ。何?」


私は深呼吸してから、言葉を選んだ。


「予知に頼らずに、未来を避ける方法……考えたい」


玲央の目が、ほんの少しだけ鋭くなる。

冗談じゃないと、すぐに伝わったのだと思う。


「最近、見えてない未来があるんだろ?」


図星だった。


私は小さく頷く。


「見えないのが怖い。

でも……見えないからって、何もしないのはもっと怖い」


玲央は腕を組み、少し考え込んだ。


「じゃあさ、逆に考えよう」


「逆?」


「未来を見るんじゃなくて、

“今”を増やす」


私は首をかしげる。


「どういうこと?」


玲央は歩きながら説明を始めた。


「恒一が動けるのって、澪が一人の時とか、孤立してる時だろ。

だったら——一人になる時間を減らす」


「……!」


「それに、動きが読まれないようにする。

毎日同じ帰り道、同じ時間、同じ行動。

それが一番、利用されやすい」


その言葉に、胸が少しざわついた。


——確かに。


予知で避けてきたから、

“行動そのもの”を変える発想がなかった。


「予知は保険だよ」

玲央は真剣な顔で言う。

「使わなくていいなら、それが一番いい」


少し後ろで聞いていた海翔が、近づいてくる。


「俺も同じこと考えてた」


玲央を見る。


「澪が全部一人で抱えるの、もう限界だと思う」


私は、思わず視線を落とした。


「……迷惑じゃない?」


「全然」

海翔は即答した。

「むしろ、頼ってくれた方がいい」


その言葉に、胸の奥がじんわり温かくなる。


「だからさ」

玲央が続ける。

「ルールを作ろう」


「ルール?」


「一人で行動しない。

違和感があったら、即共有。

予知が来なくても、来たら来たで隠さない」


私は、ゆっくり頷いた。


「……うん」


その瞬間。


心臓が、きゅっと鳴った。


でも——

未来の映像は流れない。


ただ、感情だけが伝わってくる。


——“選択は、間違っていない”。


(これが……新しい形?)


私は胸に手を当てる。


予知じゃない。

でも、確かな直感。


「澪?」


「大丈夫」

私は顔を上げて、二人を見た。

「……ちょっと、分かった気がする」


守られるだけじゃない。

見える未来に怯えるだけでもない。


自分で動いて、

周りと繋がって、

未来を“作り替える”。


それが、

予知に頼らない方法。


その頃——


校舎の影で、

恒一はスマホを握りしめていた。


澪の行動が、

以前より複雑になっている。


一人になるはずの時間に、

必ず誰かがいる。


(……おかしい)


予知の存在を知らないはずの彼にとって、

この変化は説明がつかない。


計算が、合わなくなってきている。


そしてそれは、

確実に彼を焦らせ始めていた。


——未来は、

静かに、でも確実に分岐していく。

誰も知らない、高嶺の花の裏側2

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

7

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚