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テラーノベル(Teller Novel)
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※ガイアキャラスト1ネタバレ有※

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「弟子入り?」

西風騎士団の図書館。ジンはリサにそう尋ねた。

「えぇ、ジンに弟子入りしたいかわいこちゃんが二人も居るらしいわよ?それも…相当出来る子なんだとか。」

リサがジンに「どう?少しだけ師匠になってみたらどうかしら」と言い微笑んだ。

「弟子か……。だが、何故”弟子入り”という形なんだ…?私に弟子入りしたいと思うなら、まず騎士団に加入すべきだと思うが…。」

「さぁ?けど二人が言うには「時間がない」らしいわよ」

すると、ジンは顎に手を当て考え始めた。そして、ある点に気が付くと「…否、止めておこう」と首を振った。

「どうして?」

「前に騎士団が手に入れた遺跡守衛に関する資料があるだろう。あれはファデュイと関係するものだと最近分かったんだ。

その資料を狙ったファデュイかもしれない」

ジンの言葉に、リサは一瞬沈黙を落とした。それから、「ふふっ」と微笑んだ。

「なら尚更じゃない。

_此処には頼もしい聞き手が居るでしょう」

リサがにこりと微笑む。

すると、ジンは納得したように「…ああ、確かにそうだな」と頷いた。

「なら、その2人は例の聞き手に任せよう」



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夜、レンネはモンドにある酒場に来ていた。

いや、お願いされて来たと言ったほうが正しい。

酒場はやけに賑やかだった。うるさいほど客の声が響くし、何より酒の匂いが染み付いているようだった。だが内装は綺麗だ。

此処が酒場では無かったら良かったのに。そう何度も思った。

「……俺、酒は嫌いなんですけど。」

「ははっ、まぁ良いじゃぁないか。

代理団長に弟子入りするなら酒ぐらい飲めないとなぁ?」

ジョッキを片手に笑う眼帯を付けた男。騎士団の人間だ。

名をガイア、ガイア・アルベリヒ。

ガイアは不思議な男だった。騎士団団長に弟子入りしたいと言えば、すぐに俺を酒場へ連れていった。公子は無視して。←

まるで、俺の目的を探るかのように。

「絶対関係ないですよね、それ。

…はぁ、で。話ってなんですか……」

溜め息混じりに尋ねた。するとガイアは「ふふん」と笑い言った。

「そんなに警戒するなよ。俺はただ、お前と楽しく酒が飲みたいだけだからな。」

「楽しく?……俺にとっては苦痛でしかないんですけど」

「ははっ、お前本当に俺のことが嫌いだな。

_代理団長に弟子入りしたいのに、正式メンバーである俺の評価を上げれば代理団長に近づける。…なんて考えはなさそうだな」

「…何が言いたいんですか」

「いや、何でもないよ。それよりお前も飲めよ、俺ばっかり飲んでたら寂しいじゃあないか」

そう言い笑顔で酒を差し出してきた。そんなに酒を進めたいか。レンネが嫌がるのが楽しいのか。

「いや、遠慮しておきます」

そう断るが「まぁ一杯だけでも飲めよ」とグイグイと、何度も進めてくる。そろそろウザい。←


「……あぁもう!!飲めば良いんですよね!?」

突然、ヤケクソになり怒鳴ったレンネに、ガイアは驚いたように目を丸くしたが、やがて何時ものように笑った。

「ははっ、あぁ。

案外酒ってのは美味しいもんなんだぜ」

レンネはガイアに貰った酒を苦い表情をしながら飲み始めた。そんなレンネを見て、ガイアはうっすらと微笑んだ。

__誰もが秘密を持っているが、皆がそれを正しく扱う方法を理解しているわけではない。

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