樹side
今日も俺は遅刻ギリギリで楽屋に行く。
樹「おはよ〜」
ジェ「遅い!!」
樹「ごめんってぇ、」
ジェシーはいつも俺の遅刻を叱ってくる。
謝意の気持ちは0%だが俺は謝る。
謝っときゃ、あいつはもう攻めてこないからな!
北「樹、あと10分だぞ。」
樹「まじで⁈やべぇ!!」
北斗は俺に時間を伝えてくれる、優しい奴だ。
やべぇとか言いながら俺はいつも準備を終わらす天才だ。自分で言うのも照れるが。
慎「なぁ樹!!それ俺の充電器!返せ!」
樹「はぁ?!知らねえよ!貸せ!」
慎「はあ⁈」
こち「お前ら落ち着けよ!おい樹!慎太郎に返せ!」
樹「ちっ、仕方ねえな、」
慎太郎は弟みたいなもんだ。だからいっつも喧嘩しちまう。こーちはみんなのダディだ。だから誰かが喧嘩してるといっつも止めてくる。少々やり方は汚いが。
大「樹、うるさい。早く準備終わらせて。」
樹「きょも〜!!ごめん〜!」
ヘッドホンを外し、俺に注意してきたのはきょも。わざとうるさくしてたなんて言えない。
…好きだなんて、もっと言えない。
きょもはメンバーだし、何より男だし。
このことを言ってきょもに拒否されて嫌われたら、と考えると「好き」と安易に言えなくなる。
こち「みんな準備できたー?」
樹「俺まだ!」
慎「あと何分くらい?」
樹「結構かかるかも…」
北「寝坊するからだよ」
樹「先行ってて!」
ジェ「ほんとにー?寝るなよー?」
樹「寝ないよ!笑笑」
大「不安だから俺待ってるわ。先行ってて。」
こち「ほーい。」
急いで衣服を着替える中俺は今起こったことに驚いた。
ん、?きょもが残った、?自分の意思で?
普段のきょもからはあり得ない行動だ。
困惑を抑えながら俺は声を発した。
樹「きょも、ごめん…」
大「全然。てかちゃんと早く来なよ。メンバーに迷惑かけてるし。」
樹「まじごめん、」
なんだ、叱るために残ったのか、と少し残念な気持ちになった。期待してはいけないのに。
大「まだ服着替え終わってないのかよ…ライブで早着替えできねえな。」
樹「すみません、、、」
大「手伝ってやるよ」
樹「え、?」
つい声が出てしまった。脱がせあいなんて普通にJrのころやってたのに。
大「はい、手を挙げて。」
樹「う、うん。」
俺は困惑しながらも素直にきょもの言うことを聞いた。きょもの顔が近づき、俺はドキッと鼓動が鳴った。こんな近距離、久しぶりだ、、、。
大「なんでいつも俺がヘッドホンしてる時だけ声大きくするの?」
また、ドキッと鼓動が鳴った。バレてたのかよ…
樹「ええと、それは…」
大「俺にヘッドホンを外して欲しいから?それとも、俺と喋りたいから?」
樹「ええ、と、」
好きだから、なんて言えない。
大「まぁいいや。ヘッドホンしてる時も普通に話しかけていいからね。」
樹「え、でも前、ヘッドホンしてる時は話しかけるなって…」
大「それはみんな。樹はいいよ。」
樹「あ、ありがと」
特別扱いされてるみたいで嬉しかった。
期待も、してしまった。
大「着替え終わったね。」
樹「もう5分も経ってる…」
大「じゃ行くか…」
俺は先に歩き出したきょもの手を取り、引っ張った。
大「え?」
樹「きょも、もう少しだけ待って…」
今、俺はきょもにハグしている状態だ。心臓がバクバクしている。
樹「きょも、俺、きょものことが好き。」
言ってしまった。欲望を抑えきれなかった。
樹「いままできょもがメンバーだから、男だから言えなかった…。きょもを傷つけるんじゃないかって、断られた時、元の関係に戻れないんじゃないかって怖かった…。だから言えなかった。ごめん。」
どうせ断られるだろうという諦めの気持ちが俺の心を支配している。そんな状況を打ち破ったのがきょもだった。
大「なんで断られる前提なの?笑」
樹「え、」
大「俺も、樹のこと好きだよ。恋愛的に。」
樹「え、ええ、」
大「気づいてた。樹が俺のこと好きなの。でも、一向に告ってこないからイタズラしちゃった笑」
樹「ま、まじか」
知らなかった…。なら、もう少し早く告白すればよかった。
樹「じゃあ、両思いってこと…?」
大「そう、だね。」
きょもは少し耳を赤くしながら言った。
大「ねぇ、キスしていい、、、?」
少し上目遣いしてくるのが可愛すぎて胸にくる。
樹「かわいいな。」
そう言って、俺らは唇を重ねた。
樹「願いが叶った…」
大「これからは、色んなことできるね」
樹「色んなこと…へへ、」
大「うわぁ、」
樹「言ってきたのはそっちだろ!」
大「はいはい、じゃ、仕事行くか。」
樹「そうだな。」
こうして、俺の幸せライフは始まった。
俺らが遅いのを心配して見に来たジェシーに、キスの瞬間の写真を撮られ、グループLINEに送られたのは別の話。
終わり。
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