650フォロワー達成記念
1話完結物語
『 桃色五月 』/ 向井×佐久間
佐 / すげー … 桜が満開 、
彼は ここの桜並木が 好きだった
佐 / おお ! これなんか すごい綺麗!!
パシャ 、 パシャ 、
そして 桜に惹かれる君を撮ることが 俺の趣味だった
向 / うん 、 よく撮れてるわ
佐 / みせてみせてー !
佐 / おー! こーじってやっぱ 天才!!
向 / おおい 照れるやん 笑
向 / でも 桜に似合う佐久間も すごいと思うでー
佐 / それは ピンク髪だからでしょー ??
向 / ピンク髪でも 佐久間のピンク髪が いっちばんやで !
佐 / 俺が 黒に染めたら??
向 / んー … 夜空とか 似合うんちゃう ??
佐 / じゃあ 銀髪は ? 金髪は ???
向 / んんん … 豪遊してる佐久間… とか?笑
佐 / いや 映えねー 笑笑笑
彼といると落ち着く 、 そんな瞬間が 大好きで大好きで たまらなかった
佐久間と解散して 、 アパートの一室で 今日を写真と共に 振り返る
あ 、 これ 映えてるな 、 とか
この時の佐久間 可愛かったよな 、 とか
1枚1枚の思い出を振り返って 、 アルバムに大切にしまう
向 / … あ 、
しまった 、 次からしまう アルバムのポケットがない …
今日の分はなんとか いけたが 、 また新しい アルバムを 買わなければならないのか …
デジタルでのアルバムも 考えたことがあった
だが 、 やはり写真は 現像しなければ意味は無いと 自分で思っていた
じゃあ次 、 佐久間との 約束した日に アルバムを買おう 、 そう思った
思っていたのに 。
5月 、 桜が 桃色から 緑色へと 急に変わる時期
彼は 、 あっけなくしんだ
死因は 酔っ払いによる交通事故だそうだ
彼の遺影は 、 俺が撮った彼の最高な笑顔だった
正直 、 悔しかった
まだ伝えたいことがあったのに 、
もっと桜をみたかったのに 、
あの遺影が 、 俺との最後の写真だったのに …
向 / 佐久間のこと 、 すきだったのに …
なんでこんな事になってしまったんだろう
出会った時からずっと好きだったんだから 、
早く告ればよかったじゃん 、
早く 思いぶつければよかったじゃん …
彼の死は辛い 、 悔しい 、 でも 涙はでない
そうして 線香を1本捧げ 、 黙祷をし 、
葬式をあとにした
今年も 、 春がやってきた
そして 、 もうそろそろ 一周忌がくる
彼が俺の前からいなくなってから 、 あの アルバムは 開いていないし 、 カメラも触れていない
向 / ホコリまみれだ …
TV 『 今年は、前年に比べ1週間はやく満開が訪れ、5月のはじめなのにも関わらず森林が緑に染まっています 』
桜 、 という言葉に ぴんときた 。
そして 何も考えることも無く 、 カメラと一緒に あの “ 桜並木 ” まできた
向 / あれ …
もう緑に染まっていた 、 と聞いていたニュースとは 大違いだった
ここだけが 異様に 桜が満開で 、
まるで 俺がくるまで 待っていたかのように 、
この道だけが 桃色に染っていた
向 / はは 、 懐かしいなあ …
向 / これは 、 佐久間のいたずらかなんかかな
カメラを掲げ 、 ファインダーを除く
向 / えっ … さくま … !?
カメラを 降ろそうとする 、
佐 / あああ ちょっと待ってよ ! お手数だけど ファインダーから よろしくねっ !!
向 / な 、 なんで … 佐久間が ……
佐 / そりゃあ 最後の挨拶をしにきたんだよ
向 / ほんまっ …? あ、あんな 、 佐久間には言い残したいほど 、 山ほどあんねん 、
佐 / ははっ 、 夜までかかっちゃいそー 笑
向 / だって 急にいなくなるからさ 、 そりゃ 全部なにもかも 伝えられることなんて できんよ…
佐 / じゃあ 、 その中で1番伝えたいことは ?
向 / 1番か …
たぶん 、 二度とチャンスはない
悔いのない 、 最高の言い残しを
向 / 俺は 、 佐久間がすきやったで
佐 / えー 、 過去形〜 ?? 笑
向 / もちろん 、 今も好きやけど …
向 / やっぱ 佐久間がおらんと …
佐 / じゃあ 、 俺からの最後のお願い
佐 / 過去最高傑作の 写真を撮って ??
向 / えっ … ??
佐 / シャッターを切ったら 俺はいなくなっちゃうけど 、 この写真の中の俺は ずっとこーじの隣にいるから
向 / さくま …
佐 / 今までありがとうね 、こーじ
( 微笑み
向 / … 最後に 、 返事聞いてもええ ?
佐 / え 、 返事 ??
向 / 俺の事 、 すき 、??
佐 / そりゃあもちろん 、 大好きだよ 、 こーじ
( にぱっ
向 / … 俺も 、 大好きやで 、 佐久間
( 微笑み
カシャ
ファインダーを下ろすと 、 そこにはもう君はいなかった 。
向 / … あれ 、
そして、
先程まで満開だった桜が 、 周りの木と同じ緑に 変わっていた
家に帰って 、 写真を現像した
だが アルバムには この写真が入れられなかった
そういえば 、 写真を枕の下に置いて寝ると 夢に その人が出てくるとか …
信じ難いが 、 今日からやってみようと思う
そして 、 俺のソロ曲 、 「 ファインダー 」を流す
この歌詞は 、 まるで 俺らのために 作られたような気がして 、 改めて聞くと 佐久間との様々な思い出が 蘇ってくる
向 / 最後 、 ほんとは もっと話したかったんやけどな …
この出来事は 、 佐久間の魔法 、 として 俺の中で片付けることにした
もう 魔法は見られないかもしれないけど 、
もし 夢で逢えたら 、 次はどんな桜を 君と見れるだろうか
今度は 春だけじゃくて いつでも 君と見れるといいな
向 / さくま 、 また 夢で会おうな
Fin .
コメント
10件
え、最高すぎて、 言葉が見つかんない!! 大好きすぎる!
素敵!!そして切ない…🥹🧡🩷
素敵なお話でした。 このまま「世にも奇妙な物語」で ドラマ化してくれないかなぁ🤭