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1話完結物語




『 桃色五月 』/ 向井×佐久間












佐 / すげー … 桜が満開 、







彼は ここの桜並木が 好きだった






佐 / おお ! これなんか すごい綺麗!!






パシャ 、 パシャ 、




そして 桜に惹かれる君を撮ることが 俺の趣味だった







向 / うん 、 よく撮れてるわ



佐 / みせてみせてー !


佐 / おー! こーじってやっぱ 天才!!



向 / おおい 照れるやん 笑


向 / でも 桜に似合う佐久間も すごいと思うでー



佐 / それは ピンク髪だからでしょー ??



向 / ピンク髪でも 佐久間のピンク髪が いっちばんやで !



佐 / 俺が 黒に染めたら??



向 / んー … 夜空とか 似合うんちゃう ??



佐 / じゃあ 銀髪は ? 金髪は ???



向 / んんん … 豪遊してる佐久間… とか?笑



佐 / いや 映えねー 笑笑笑









彼といると落ち着く 、 そんな瞬間が 大好きで大好きで たまらなかった








佐久間と解散して 、 アパートの一室で 今日を写真と共に 振り返る






あ 、 これ 映えてるな 、 とか




この時の佐久間 可愛かったよな 、 とか







1枚1枚の思い出を振り返って 、 アルバムに大切にしまう






向 / … あ 、






しまった 、 次からしまう アルバムのポケットがない …




今日の分はなんとか いけたが 、 また新しい アルバムを 買わなければならないのか …





デジタルでのアルバムも 考えたことがあった






だが 、 やはり写真は 現像しなければ意味は無いと 自分で思っていた







じゃあ次 、 佐久間との 約束した日に アルバムを買おう 、 そう思った













思っていたのに 。











5月 、 桜が 桃色から 緑色へと 急に変わる時期







彼は 、 あっけなくしんだ







死因は 酔っ払いによる交通事故だそうだ









彼の遺影は 、 俺が撮った彼の最高な笑顔だった









正直 、 悔しかった








まだ伝えたいことがあったのに 、


もっと桜をみたかったのに 、


あの遺影が 、 俺との最後の写真だったのに …







向 / 佐久間のこと 、 すきだったのに …









なんでこんな事になってしまったんだろう








出会った時からずっと好きだったんだから 、




早く告ればよかったじゃん 、






早く 思いぶつければよかったじゃん …








彼の死は辛い 、 悔しい 、 でも 涙はでない







そうして 線香を1本捧げ 、 黙祷をし 、


葬式をあとにした



















今年も 、 春がやってきた



そして 、 もうそろそろ 一周忌がくる



彼が俺の前からいなくなってから 、 あの アルバムは 開いていないし 、 カメラも触れていない







向 / ホコリまみれだ …






TV 『 今年は、前年に比べ1週間はやく満開が訪れ、5月のはじめなのにも関わらず森林が緑に染まっています 』






桜 、 という言葉に ぴんときた 。






そして 何も考えることも無く 、 カメラと一緒に あの “ 桜並木 ” まできた









向 / あれ …







もう緑に染まっていた 、 と聞いていたニュースとは 大違いだった









ここだけが 異様に 桜が満開で 、




まるで 俺がくるまで 待っていたかのように 、




この道だけが 桃色に染っていた









向 / はは 、 懐かしいなあ …


向 / これは 、 佐久間のいたずらかなんかかな







カメラを掲げ 、 ファインダーを除く










向 / えっ … さくま … !?







カメラを 降ろそうとする 、






佐 / あああ ちょっと待ってよ ! お手数だけど ファインダーから よろしくねっ !!


向 / な 、 なんで … 佐久間が ……



佐 / そりゃあ 最後の挨拶をしにきたんだよ



向 / ほんまっ …? あ、あんな 、 佐久間には言い残したいほど 、 山ほどあんねん 、



佐 / ははっ 、 夜までかかっちゃいそー 笑



向 / だって 急にいなくなるからさ 、 そりゃ 全部なにもかも 伝えられることなんて できんよ…



佐 / じゃあ 、 その中で1番伝えたいことは ?



向 / 1番か …











たぶん 、 二度とチャンスはない






悔いのない 、 最高の言い残しを









向 / 俺は 、 佐久間がすきやったで



佐 / えー 、 過去形〜 ?? 笑



向 / もちろん 、 今も好きやけど …


向 / やっぱ 佐久間がおらんと …



佐 / じゃあ 、 俺からの最後のお願い


佐 / 過去最高傑作の 写真を撮って ??



向 / えっ … ??



佐 / シャッターを切ったら 俺はいなくなっちゃうけど 、 この写真の中の俺は ずっとこーじの隣にいるから



向 / さくま …



佐 / 今までありがとうね 、こーじ

( 微笑み



向 / … 最後に 、 返事聞いてもええ ?



佐 / え 、 返事 ??



向 / 俺の事 、 すき 、??



佐 / そりゃあもちろん 、 大好きだよ 、 こーじ

( にぱっ



向 / … 俺も 、 大好きやで 、 佐久間

( 微笑み









カシャ










ファインダーを下ろすと 、 そこにはもう君はいなかった 。





向 / … あれ 、




そして、


先程まで満開だった桜が 、 周りの木と同じ緑に 変わっていた















家に帰って 、 写真を現像した




だが アルバムには この写真が入れられなかった



そういえば 、 写真を枕の下に置いて寝ると 夢に その人が出てくるとか …



信じ難いが 、 今日からやってみようと思う







そして 、 俺のソロ曲 、 「 ファインダー 」を流す




この歌詞は 、 まるで 俺らのために 作られたような気がして 、 改めて聞くと 佐久間との様々な思い出が 蘇ってくる




向 / 最後 、 ほんとは もっと話したかったんやけどな …






この出来事は 、 佐久間の魔法 、 として 俺の中で片付けることにした






もう 魔法は見られないかもしれないけど 、



もし 夢で逢えたら 、 次はどんな桜を 君と見れるだろうか



今度は 春だけじゃくて いつでも 君と見れるといいな









向 / さくま 、 また 夢で会おうな










Fin .

この作品はいかがでしたか?

247

コメント

10

ユーザー

え、最高すぎて、 言葉が見つかんない!! 大好きすぎる!

ユーザー

素敵!!そして切ない…🥹🧡🩷

ユーザー

素敵なお話でした。 このまま「世にも奇妙な物語」で ドラマ化してくれないかなぁ🤭

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