今日も、疲れた。
そう思いながら駅に向かっていると後ろから声をかけられた。
「遥菜〜、明日の日直変わってくんね?亅
はぁ、またか。でも別にいいや、どうせ女子と遊ぶんでしょ?
断るの疲れるから。もういいや…
「わかっ、」
「なんでコイツがやんなきゃいけないの?」
は?なんでここにいるの?あぁ、そっか学校近かったけ?
「誰だよお前、関係ないやつはかかわらないでくれませんか〜(笑)」
周りの取り巻きも笑っている。でも、なにが面白いか全くわからない。
「いやぁ、関係ないわけじゃなくてね~。実はコイツと幼馴染で、名前の最初の
漢字も一緒だったから遥遥コンビって言われてたんだ。」
そう言ってから彼は表情を変えて、真面目な顔で、こう言った。
「この顔見てわかんない?嫌がってるだけじゃなくて目の下にくまができてんの
コイツバカだから、どうせ夜中まで復習やら予習やらやってんだよ。」
一呼吸ついてまだ続ける彼。
やめて、やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて!!
みんなの前では優等生でいたいの。なんでもすぐにできちゃう優等生でいたいの!
でも、何も言えなかった。黙って聞いていることしかできなかった。
「毎日大変なのに、そこに加えて日直の仕事?大変だろうなぁ。その苦労に見合う理由なんだろうなぁ。
合コンとかショッピングとかじゃないんだろうなー」
そこまで言って彼らを睨みつける遥翔。
それからニコッて効果音がつきそうな笑顔。
さすがに彼らは逃げてった。
ありがとうって言おうと思えば、頭をコツン!ってたたかれた。
「バカだなー、お前。嫌なら断われよ」
「ムッ、ありがとね」
「ちゃんと寝てないだろ、オマエ。」
「ね、寝てるよ…5時間くらい」
「嘘つけ、どうせ3時間とかだろ…嘘つくの下手だな」
「……」
なんで、なんでだろう。言ってる言葉はきついのに、声色は
とても優しい。
「またな」
「えっ?また?」
「どうせこれが初めてじゃないだろ?次また言われたら殴りに行くから」
そ、そこまでしなくていいのに…でも彼らしい。
頷いて、彼は走って帰ってしまった。
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