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第九話
適材適所
―それぞれの武器―
「この時間は各自、武器の手入れをしろ。入学時に適正武器が決まったと思うが、新しく別の武器を使ってみたい、今の武器を改造したい……などがあれば、先生のところへ来なさい」
そう言うと先生は教室の前の椅子に座り、地図と報告書を見比べ始めました。
砂漠化も広がり、化物の出現も増えてきています。
人間が安心して生活できる場所が、少しずつ失われているのです。
そして先日、私たちが遭遇した毒草。
最近まで、人間に寄生するという報告はなかったそうです。
何かが、変わってきているのでしょうか。
「皇刃! ちょっと来い」
突然、先生が皇刃くんを呼びました。
入学してから、まだ適正武器が決まっていないからでしょうか。
「皇刃。お前だけだ。武器は確かに、化物を殺すためのものだ。だが同時に、自分の身を守るためのものでもある。……もう一度、適正武器検査を受けなさい」
「で、でも僕……その……やっぱり武器は……」
「単独行動するんじゃない。チームで動くんだ。メンバーに迷惑をかけるぞ」
「!!」
皇刃くんの肩が、小さく震えました。
「お言葉ですが先生。皇刃くんと私は同じ班で、私は班長をしておりますが……迷惑をかけられたことは一度もありません」
むしろ、迷惑をかけているのは皇刃くん以外の班員です。
いつも、この人たちには悩まされていますから。
「早乙女さん……」
「だがな、早乙女。チームで行動する以上――」
「ええやないの。うちらが迷惑かけられた覚えないって、ゆーてんのやから」
椥辻さんが口を挟みます。
「そうよ。可威ちゃんは、いつも私を助けてくれてるのよ? 最高だわ♥️」
「それに皇刃くんは、一瞬で状況を判断して、その時に必要な薬をすぐ調合してくれます。スピードも調合の正確さも、誰にも負けません」
「せやで。そんな奴に無理に武器持たせたほーが、足手まといになるわ」
「あたしたちが可威ちゃんをしっかり護るから、大丈夫ですわ、先生」
正直、驚きました。
みんなが、ちゃんと自分以外のことを見ていたことに。
自分のことばかり考えている人たちだと思っていましたから。
「……しかしだな……」
「先生」
その声に、全員が振り向きました。
「……適材適所です」
「み、神剣くん?」
いつの間にか、神剣くんが先生の前に立っていました。
「神剣……武器の手入れは終わったのか?」
「はい。終わったので報告に来ました」
神剣くんは淡々と続けます。
「先生。彼の薬学知識と調合能力は、類を見ない天才的なものです。武器は必要ないかと。……失礼します」
そう言うと、神剣くんは踵を返しました。
昼寝しか興味がないと思っていましたから、驚きました。
「神剣! どこへ行く! まだ授業中だぞ!」
「……昼寝」
振り返ることなく、それだけ言うと神剣くんは教室を出て行きました。
なんだかんだ言って、もう一年近く一緒に行動してきたメンバーです。
昼寝ばかりしていると思っていた神剣くんも、ちゃんとクラスメートを見ているんだ。
そう思うと、なんだか少し安心しました。
――ヴィー……
『特別警報。市街地区347に化物発生。避難誘導及び討伐へ急行せよ』
「聞いたな! 全員、五分で準備! グラウンドに集合! 早乙女は神剣を連れてこい!」
「はい!」
神剣くん……今日は、どこで寝てるんだろう。
神剣くんの回収から自分の準備……。
はぁ……。
これ、SSクエストだよ……。
コメント
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第9話読み終わったよ〜!🌸 武器の授業で皇刃くんに武器持たせようとする先生に、班のみんなが一斉にフォロー入れたシーン、めっちゃ胸熱だった😭💕 特に「適材適所です」って神剣くんがサラッと言ったの、カッコよすぎて叫んだわ…! みんなちゃんと皇刃くんの強みを見てるし、絆深まってる感じがしてすごくほっこりした…🥺 最後のSSクエスト発言で笑ったけど、次の戦闘どうなるかめっちゃ気になる!✨