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コメント
4件
んもう大好き 保科副隊長って人に好かれやすそうですよね!!
よかった、すごく温かい話やったなあ。保科くんの「めんどうやから黙っとこ」ってとこにグッときたわ。ヒーローみたいって言われても「ここの人らの方がすごい」って返すとことか、細くて優しい目がちゃんと見えるみたいで。結局コーヒー豆買い損ねたのに、タッパーいっぱいの惣菜抱えて「ええ休みの使い方やったな」って思えるのが全部を物語ってるよね。続き、気になるわ〜!
気まぐれ心のまにまに。
第1話 両手に惣菜
「んん….流石にぼちぼちおきあがらんと」
窓際の机に置かれたデジタル時計が示す時間は、10:00ぴったり。
さっきは眩しいからと閉めたカーテンが揺れ、隙間から光が漏れ出ている。
保科は体を起こしてカーテンをゆっくり開け、普段に比べて少し高い位置にあるお日様を、目をぱちぱちさせながら見上げた。
雲ひとつない青空が広がる、心地よい秋晴れの日。
______その日は、保科の数週間ぶりの非番だった。
“さわやかな日の朝は、一杯のコーヒーから。”
とにかく今はおいしいコーヒーが飲みたい。
とんでもない遅起きにはなったが、時間は有り余るほどあるのだ。
思い立ったが吉日。日課のランニングついでに、保科はいつものコースを少し外れて隣街へと足を踏み入れた。
(珈琲豆の店は……次の交差点を右か。)
その店はかなりの有名店らしく、駅前の大きな通りに面しているという。
脇の小道に入ると、怪獣被害の復興工事が行われていた。
大規模なクレーン車を尻目に、「ここの管轄は第一かな」なんて考えながら道を通り抜けようとした、その時だった。
「危ないっ!」
甲高い悲鳴。
振り返ると、積み上げられた資材が大きくバランスを崩していた。慌てて支えようとした作業員がよろめく。
気づけば、足が勝手に動いていた。
ガシッ。
倒れかけた鉄骨を右手で受け止め、左手の方でよろめいた作業員を抱き留める。
身体の軸ひとつ揺れない完璧な着地。
しーん……と、現場に一瞬の沈黙が訪れた。
「……あれ?」
「え?」
「止まった……?」
作業員たちが呆気にとられて目をぱちくりさせている。
保科は困ったように、いつもの細い目をさらに細めて笑った。
「すんません。これ、どこ置いたらええです?」
◇◇◇
数十分後。
気づけば、保科は工事現場のど真ん中にいた。
袖を肘までまくり、額にじんわりと汗を浮かべながら資材を運んでいる。
「兄ちゃん、それはあのビルんとこ運んどいてくれ!」
「はーい」
Fumeiでーす
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#サカモトデイズ
水羽
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#シリアス
31
「え、ちょっ、それめちゃくちゃ重いですよ!?」
「いや、全然」
「嘘ぉ!?」
目を剥く現場の作業員に、保科は苦笑いを返した。
(筋トレが趣味なもんで、で押し通すか……)
対怪獣用に鍛え上げた身体からすれば、この程度は本当に大したことがない。
だが、一般の工事に関わったとなれば、例えそれが見返りを求めない休日のボランティアであっても報告書を書かなければならないのが防衛隊だ。
(…..めんどうやから黙っとこ)
何より、気づかれず自然体で人の役に立てることは、保科にとって案外心地よいものだった。
細い目をした茶目っ気のある笑顔は、昼をすぎる頃には完全に馴染んでいた。
「兄ちゃんお茶どうぞ!」
「ええっ、ありがとうございます」
「こっちも食べ!」
「まだ残ってます?」
「あるある!」
「ほな遠慮なく」
保科は笑顔で煎餅を受け取る。
その横で、小さな男の子が目を輝かせていた。
「お兄ちゃんすごい!」
「そう?」
「めっちゃ力持ちで、ヒーローみたい!」
保科は一瞬だけ目を丸くして、それからしゃがみ込んだ。
「お兄ちゃんより、ここでずっと頑張ってる人らの方が何倍もすごいで」
そう言うと、男の子は素直に振り返る。
その目線の先で、汗だくのおっちゃん達が照れ臭そうに頭を掻いた。
「鬼さんこーちら!…………ってうわ?!ちょっと待って今バリアぁ!!」
「お前ずるだろそれ!!」
「……ふふ、」
飛び交う笑い声と、人の温かい気配。
泥んこの子供をからかい、おばちゃんから渡される冷たいお茶を飲みながら、保科の顔には自然と穏やかな笑顔が浮かんでいた。
ようやく作業がひと段落した頃には、お天道様が西へ西へと移動していた。
空はすっかり茜色に染まっている。
「兄ちゃん今日はほんと助かったわ!」
「また来てな!」
あはは、たまたま通りかかっただけですし…なんてありきたりな言葉で躱わそうとした僕の手に、
「これ。お礼に持ってきい。」
おばちゃん達が次々とタッパーをのせ始めた。
「ええっ、ちょ…..」
中身は…..
筑前煮。
きんぴら。
ポテトサラダ。
肉じゃが。
漬物。
「….いや多ない?」
「遠慮しないの!食べきれなかったら職場とかに持ってき!」
「まあ、確かに_______」
___それから、何度か応戦を試みた保科だったが、結局おばちゃんたちの意気込みに根負けして、大量のタッパーを紙袋に入れて持って帰ることとなった。
◇◇◇
西日の中を歩く、帰り道。
「…..あ。」
何となくスマホで今の時刻を確かめて、一つ忘れていたことがあるのに気づく。
珈琲豆だ。人気店ゆえに閉店は15:00と早く、とっくのとうにその時間を過ぎてしまっていた。
(…..けど、僕にはこれがある。)
不思議と残念な気持ちはなかった。
タッパーの中で惣菜が小さく揺れる。
遠くで子供たちの笑い声が聞こえる。
復興の音が遠く鳴り響いて。
保科は空を見上げた。
細い目をさらに細める。
「……ええ休みの使い方やったな」
読んでくれてありがとうーーーー!!
近所のお祭りに参加した時に着想を得た話だったなぁ、バリアは実話。何ヶ月前だっけ………
学生で不定期になってしまうのですが、気が向いたらまたあげます🙇♂️