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収録前の控え室。
機材の準備音。
キーボード。
笑い声。
いつもの空気。
なのに、ほんの少しだけ違う。
ドズル
「ぼんさん、最近ちょっと元気ないですね」
軽く言った。
本当に軽く。
冗談のつもりだった。
ぼんさん
「え? あー……いや、普通っすよ」
一瞬。
ほんの一瞬だけ間が空いた。
おらふ
「え、そう?ぼんさん今日も元気じゃない?」
ぼんさん
「元気元気!”⬛️⬛️⬛️”なんで!」
笑う。
いつもの笑い方。
でも。
ドズルは違和感を覚えた。
ほんの少し。
ほんの少しだけ、遅い。
収録開始。
ドズル
「はいどうも〜ドズルでーす!」
全員
「お願いします!」
ゲームが始まる。
会話も回る。
笑いも起きる。
動画としては問題ない。
むしろ普通に面白い。
けれど。
ドズル(心の中)
(あれ、?)
ぼんさんの声が、
少し低い。
MEN
「ぼんさんそれ無理でしょ!」
ぼんさん
「いやいやw最年長なんでいきますよ!」
((ボソッ…最年長なんで、行かないと
その言葉。
妙に重かった。
収録終了。
ドズル
「お疲れさまでした〜」
ぼんさん
「お疲れさまです」
すぐ席に戻る。
編集作業。
PC画面。
編集ソフト。
もう一つのウィンドウ。
コメント管理。
新着コメント。
〈最近テンション低くね〉
〈ドズル社つまらん〉
〈ぼんさん静か〉
〈最年長なのに〉
カーソルが動く。
削除。
削除。
非表示。
編集も止めない。
同時に進める。
ぼんさん(小声)
「…大丈夫大丈夫」
誰に言うでもない。
ぼんさん
「”最年長”なんで」
その夜。
ぼんさんはずっと作業していた。
一人で。
机の向こう側。
ドズルは、少しだけ振り返った。
ドズル(心の中)
(やっぱり…)
まだ確信はない。
でも。
違和感は、消えなかった。