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ruruha
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注文が終わり、店員さんが去る。零斗さんは緊張のオーラを出して、落ち着かない様子だ。
「そんなに緊張しないでくださいよ」
「別に…緊張してねぇけど」
嘘つき。俺には全部見えるんだから。
「そうですか。じゃあそんなにキョロキョロしないでください」
「あぁ…悪ぃ」
零斗さんはそう言って水を一口飲む。
「…なんで誘ってくれたんだよ。デート」
「えっ…と…」
なんでか。そんなの俺にも分からない。
気付いたら誘ってたっていうのが本音かな。
でも、そんなの正直に言えない。
「まぁ、恭也がうるさかったんで」
なんて言い訳をすると、零斗さんから落胆のオーラが浮かぶ。
「あぁ。そう」
ガッカリさせちゃった。
初デートなのに。
「あのでも、嫌々誘ったわけじゃないんで」
「ホントか?」
「はい。本当です」
零斗さんから安心のオーラが浮かぶ。
「何が好きなんだ?」
「え?」
「好きな食いもんとか、好きな事とか」
「そうですね…焼肉好きです。あとお寿司も。好きな事は…写真撮る事ですかね」
「写真?」
「はい。大学のサークルも写真研究会ってやつに入ってて。いつも色んな写真撮ってるんです」
「へぇ〜…」
興味深そうに俺を見る零斗さんを見て、俺はカバンからデジタルカメラを取り出す。
「これで撮ってるんです。本当はもっとちゃんとしたの買いたいんですけどね。今、頑張ってお金貯めてます」
そう言いながらコンデジの電源をつける。
そして、零斗さんの方にレンズを向けた。
そのまま、カシャっとシャッターを押す。
「はい。撮れました」
零斗さんにデジカメを渡すと、画面をじっと見る。
歓喜のオーラ。
(写真撮ったから喜んでるのかな?)
零斗さんは画面から目を離し、デジカメを見回す。
「これ、どうやって撮るんだ?」
首を傾げて俺を見る零斗さんに手を差し出す。
「貸してください」
「お、おう」
零斗さんからデジカメを受け取ると、撮影モードに変えてシャッターボタンを軽く押しながら言う。
「ここ、押したら撮れますよ」
零斗さんは嬉しそうに受け取り、俺にレンズを向けた。
「撮るぞ」
俺はピースをして笑顔でレンズを見る。
すると、零斗さんはすぐにシャッターを押した。
「撮ったやつどうやって見るんだ?」
「貸してください」
零斗さんは俺の言葉を聞いてデジカメを差し出す。
俺は受け取り、再生モードへ切り替える。
表示された写真を見て、思わず笑みがこぼれる。
「ブレてるじゃないですか」
俺は零斗さんに画面を見せる。
零斗さんは画面を見て、気まずそうな顔をした。
「…悪ぃ」
「別にいいですよ。なんかこれはこれで味がありますし」
「そ、そうか?」
「はい」
そう返事して画面を見ていると、店員さんがこっちへ来る。
「お待たせしました。コーヒーとカフェモカです」
店員さんは飲み物を置き、下がる。
零斗さんがカフェモカを一口飲むと、幸福のオーラが浮かぶ。
(本当に好きなんだ…)
俺はコーヒーを一口飲み、零斗さんを見つめる。
(よく見たら結構イケメンなんだよな…)
ふと、零斗さんと目が合う。
俺は零斗さんを見続けた。
零斗さんは不思議そうに俺を見ている。
しばらく見つめていると、横から声がした。
「お待たせしました」
俺は慌てて店員さんの方を見る。
「こちらスフレパンケーキです」
俺が手を上げると、店員さんは俺の前にパンケーキを置く。
「こちら、激甘パフェです」
店員さんは少し恥ずかしそうに手を上げる零斗さんの前にパフェを置いた。
「ごゆっくりどうぞ」
店員さんが去ると、零斗さんは目をキラキラさせてパフェを見つめる。
「じゃあ、食べましょうか」
「おう」
「いただきます」
手を合わせて言うと、零斗さんも真似をする。
「いただきます」
零斗さんはカトラリーケースからナイフとフォークを取りだし、俺に差し出す。
「ん」
「ありがとうございます」
俺の言葉を聞いて零斗さんは照れくさそうに笑った後、スプーンを取り出す。
そして、パフェを一口食べた。
幸福のオーラ。それに、とても嬉しそうだ。
(美味しそうに食べるな…)
俺はカトラリーを置き、そばに置いていたデジカメを持つ。
電源を入れ、零斗さんにレンズを向けた。
零斗さんはパフェに夢中で、カメラを向けられている事には気づいていない様子だ。
俺はパフェを頬張っている零斗さんをパシャリと撮る。
音で気づいた零斗さんは、不思議そうに俺を見る。
「撮ったのか?」
「はい。美味しそうに食べてたので」
そう言うと、零斗さんの周りに羞恥のオーラが浮かぶ。
「…消せ。恥ずいだろ」
「嫌です。ヤンキー裸族の貴重な幸せオーラ全開の写真なんで」
「誰がヤンキー裸族だ」
「だってそうじゃないですか」
「別にヤンキーじゃねぇし。あと、パンツは履いてるからギリ裸族じゃねぇし」
零斗さんは弁解するようにそう言う。
「見た目がヤンキーです。喋り方も。確かに裸族ではないですね。でも、流石にパンツ一丁はビビります」
「見た目はどうしようもねぇ…ないけど、快が嫌なら家でも服着るようにする…よ」
しゃべり方を普通に寄せようと頑張ってる。
オーラも困惑とか不安とか警戒とか、色々混ざっている。
この人、俺に好かれようと必死すぎるでしょ。
「別に、見た目も喋り方も変えなくていいですよ。さっき、ありのままの零斗さんが見たいって言ったじゃないですか。服はまぁ、来て欲しいですけど」
ネガティブなオーラがスっと消える。
今は、安心のオーラと好意のオーラだ。
「じゃあ、服だけ着るようにするわ」
「はい。そうしてください」
俺の言葉を聞いて、零斗さんは頷いた後、再びパフェを食べ始める。
そんな零斗さんに続いて、俺もパンケーキを食べ始めた。
店を出て、東雲駅へ向かう。
「今日はありがとな」
「いえ。なんか、零斗さんの事色々知れた気がします」
「そうか。俺も快の事色々知れたわ。まだ知りてぇ事いっぱいあるけどな」
「まぁ、それは次の時にまた聞いてくださいよ」
「次も会ってくれるんだな」
零斗さんは嬉しそうにそう言う。
「はい。なんか、楽しかったですし。サークルない日は暇なんで、また誘ってください」
「おう」
東雲駅に着くと、零斗さんが呟く。
「送ってやろうか?」
「いえ、大丈夫です。すぐ着くんで」
「そうか? じゃあ、気を付けて帰れよ」
「はい。ありがとうございます。零斗さんも気を付けて帰ってくださいね」
「おう。じゃあ、またな」
「はい。また」
歩きながら、ふと思う。
そういえば零斗さん、熱吸わなくて大丈夫だったのかな。
(次はちゃんと聞かないと)
まさか俺が、零斗さんの事心配する日が来るなんて。
でも、今日は本当に楽しかったし、零斗さんの事、もっと好きになった気がする。
なんかもう、好きじゃないって意地張るのも疲れたし。
(まぁ、流石に本人には恥ずかしくて言えないけど…)
「零斗さん、面白い人だな」
そう呟きながらも、俺は家に帰った。
コメント
1件
あー、もう、尊い……! 零斗さんの緊張と照れがオーラで全部バレてるの可愛すぎるし、快くんが「好きじゃないって意地張るの疲れた」って認めるところ、じわじわ来たわ。パフェ頬張る零斗さんを隠し撮りするところ、最高のデートやん。次は熱吸わなくて大丈夫だったのかって心配するところも、もう完全に好きじゃんってツッコミ入れたくなったわ。続き楽しみにしてる🔥