テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
(KAIRYU視点)
「……リュウキ。大丈夫か、?」
「えっ、?」
ランが突然、休憩に行くと言って、リュウキの想い人を連れて行った。
その背中を見つめていたリュウキが、少しだけ切なそうで、気になって声を掛ける。
「な、なんで?大丈夫やし…っ、知り合いなだけやろ…、」
「ならええけど。……てか、あの金髪の兄ちゃん、お前のこと好きなんちゃう?」
「えっ?!」
「俺がナンパされた言うたら、動揺しとったやんけ。」
正直、冗談のようで、カマをかけたところがあった。
会ったばかりやけど、素直で純粋そうなリュウキは、応援してあげたくなる可愛さがあって。
なんとなく”たっくん”は感情が出にくそうやな、と直感で思って、煽ってみるかとぶっ込むと意外とすぐに引っかかり、なんやねん脈アリやんけ、なんて内心考えていた。
「……え、もしかして、あれってわざと言ったってこと、?」
「え?なん?トムどういうこと?!」
「……お前らほんまに同じ大学か?笑」
察しの良いハヤトと察しの悪いリュウキに、頭の回転の差を感じて1人で面白くなる。
「もう…っ、リュウキ、何でわかんないの…」
「いや、なん?わからんて。ってか、ナンパやないけん!ねぇなんであんなん言うんまじで…っ、!」
「ふはっ(笑)お前ほんまにかわええやっちゃな。…心配せんでも、そのままおったらええんちゃう?」
「うん、ハヤトもそう思う。リュウキは、そのままでいてよ。」
「えっ、なんやそのままって…相談にならんやん。」
「まぁ、せっかく知り合ったんやし、なんか吐き出したくなったらここに来たらええよ。ランもおるしな。あいつが1番知っとるやろ、あの兄ちゃんのこと。」
「…リュウキ、2人に出会えてよかったね、」
「……うん…でも、1番知っとうとかやめて、なんか腹立つけん…」
「ぶっ、(笑)もうお前そのまま、あの兄ちゃんにそれ言え。話早いやんけ。笑」
「はっ?!言えるわけないやろ!ラン兄にも失礼やし…っ、」
「ははっ、そういうとこええ奴やな。大丈夫や、お前結構魅力的やから。」
ぽんぽんとリュウキの肩を叩いていると、店に人が入ってくるのが見えて、慌てて席を立った。
「っ、あかん!客来たわ。ほんなら、まぁゆっくりしてけや!」
「えっ、あ、うん。まじでありがとうっ、」
「ありがとう…!お仕事頑張って、!」
すっかり2人と仲良くなってしまい、少し名残り惜しかったけどそのままお客さんの方へ向かった。
***
店員がいないと思ったのか、カウンターの中を覗き込んでいるお客さんの後ろ姿に声を掛ける。
「いらっしゃ……、んっ、?」
「カイリュウ、おつかれさん。」
「え?セイト、?」
振り返られた瞬間、目に飛び込んできたのはセイトだった。
朝来た時は仕事仕様で、クールビズな服装をしていたセイトが、ピタッとしたTシャツと緩めのパンツに身を包み、頭にサングラスまで乗っけている。
その姿に、セイトだと気付けずに顔を見てびっくりする。
「なにキョトンとしとんねん?笑」
「いやっ、私服やったから、気付かんやってん…、」
「ん?あ、そっか。今日仕事早上がりやってん。」
そういえば私服って見たことあらへんやったな、なんてことに今更気づいて新鮮な気持ちになった。
「なんか新鮮やな、…私服、」
「……なかなか渋いやろ。」
「どこがやねん、海に浮かれたチャラ男やんけ。笑」
「おい誰がやねん!(笑)この渋さがわからへんのかよ…」
「はははっ、!嘘や、嘘。かっこええやん。」
「っ、…え、ほんまにっ、?」
まぁこいつ、顔もええしガタイもええから、普通によう似合っとんな。なんて思い軽く褒め言葉を言ってみると、予想外に照れたような顔を見せるセイト。
「ん?ほんまやって。何照れとんねん。笑」
「っ、いや、急に褒めるんはあかんやろ…っ、」
「ふはっ、なんやねん?変な奴やな。笑」
なんだかもじもじしているセイトに思わず笑うと、ふいにじっと見つめられる。
「…?なん、?」
「……っ、や、別に、なんもあらへん…っ、」
「ふぅん、?…てか、仕事終わったのに何しに来てん?」
「ええやろ別に。来たくて来てんねん、」
「ほーん。残念やったな、ナオヤ今おらへんねん」
「……お前に会いにきたねん、カイリュウ。」
「え、?」
また、セイトの目が、じっと俺を見つめる。
「……ランは、?」
「ラン、?」
「今はおらへんの?」
「あぁ…っ、今休憩入っとんねん、もうすぐ帰っ…
「あれっ?!セイちゃん?!♡え〜!?なんでおんね〜ん!♡」
「お〜、ナオ、おつかれ。」
客を呼んでくると言ったきり、ずっと消えていたナオヤがようやく戻ってくると、甘ったるい声をセイトにぶつけ、俺の言葉を遮った。
「えっ、おいナオヤお前、やっぱ客連れてきてへんやんけ!今まで何しててん…っ、
「ねぇセイちゃんなんでおんの?!仕事終わり?今日の私服もかっこええなぁ〜?♡」
「おい無視すんな!」
俺の存在をガン無視でセイトにひっつくと、ハートマークを撒き散らすような喋り方でひたすらに甘えるナオヤ。
……まぁ、セイトの事が好きなんは知っとるから、多目に見たるか、なんて思いながら2人のやり取りを眺めていた。
「おん、ちょっと寄ってみてん」
「え〜そうなんっ?!…もしかして、ナオに会いにきてくれたん?♡」
「ほんま甘え上手やなぁ、ナオは。」
ぽんぽんと、ナオヤの頭を叩くセイト。
なんやねん、さっき、俺に会いに来たとか言うてたけど、結局ナオヤの事好きやんけ。
なぜかなんとなく安堵して、茶化そうと口を開いた。
「おい暑苦しいねん、イチャイチャすなよ」
「してへん」
「しとるやんけ。笑」
「してへんから。…なん?嫉妬しとん?」
「はっ、?なんで俺が嫉妬すんねん、」
「っ…、なぁ〜?もうっ!セイちゃん!はいはい終わり終わりっ!せっかくのイケメンが台無しやで〜っ、?♡」
急に突っかかってきたセイトに思わず言い返すと、ナオヤが気を遣うようにセイトを宥めた。
ナオヤが、いつものように明るく振る舞いながらも、一瞬表情が曇り、また笑顔を作ったことに気付いてしまった。
「……っ、ナオヤ、」
「っ、…あ、なぁ、ランちゃんはっ、?」
「えっ、?あ、おん…休憩行ったで、」
ナオヤと目が合うも、パッ、と口角を上げて、ランは?と話を逸らした。
俺が変なこと言うたから、セイトに変なノリさせてしまったんよな。あかんやったな、と内省しているとセイトが外を指さした。
「……あ、帰ってきたで。」
「え?」
指さした方へ視線を向けると、ちょうどランが店に入ってくるところだった。
「……っ、あれ、…セイトさん、…こんにちは。」
「おん、…おつかれ。」
朝、なぜか張り合うような会話をしていたランとセイトが、なんだかやけに静かに挨拶を交わした。
「……なぁ、カイリュウ。」
「っ、…ん?」
「今から休憩ちゃうん?」
「え?あぁ…っ、おん、せやで…?」
「ちょっと話さへん?」
「えっ、?あ、おい…っ、」
いきなりセイトからグイッと腕を掴まれて、ナオヤとランの視線がそこに集中したのを感じた。
「…ナオ、ちょっとカイリュウ借りるな?」
「っ……うん、ええよ、」
「…っ、!おい、セイト…っ、」
ナオヤの声のトーンが気になりながらも、セイトに引っ張られて半ば強引に歩かされる。
ランの横を通り過ぎようとしたとき、目が合うも、視線を逸らされ、ランはそのままナオヤの方へ向かっていく。
なんとなく引っかかりを覚えながらも、俺はそのままセイトに連れられて店を出た。
***
(SEITO視点)
今日の朝、ランが俺に対抗するように言葉を投げてきたことがずっと気になっていた。
……あいつ、絶対気付いてへんだけで、すでにカイリュウに惹かれとる。
ランの空気感で、すぐに分かった。
俺も、そうやって惹かれていったから。
優しくて、面白くて、なんでも否定せずに、さらっといつの間にか肯定してくれている。
話せば話すほど、心地が良くて。波長が合うな、話しとって楽しいな、もっと話したい、もっと知りたい。
そう思うのに、どこか掴めない、心の全部を見せてくれないようなところがあって、もどかしくなって。
でもふいに、俺とおって楽しい!っていう顔で、くしゃくしゃに笑う。
そんなカイリュウが、どんどん魅力的に見えてきて。
もっと、カイリュウを知りたい、
これが、俺だけに見せる顔なのか、それとも。
そうじゃないとしても、俺だけに見せてほしい。
……もっと、俺を見てほしい。
その欲が出た瞬間、あぁ、好きなんやと気が付いた。
ランを見ていると、自分を見ているようで焦った。
きっとこのまま、カイリュウの魅力に気付いてしまう。
そうなる前に、と半ば強引にカイリュウの腕を引いた。
「っ、おい、セイト…っ、」
「……ちょっとここ座ろ。」
海岸へ繋がる階段に腰を下ろし、腕を引っ張って隣に座らせた。
「…なんやねん、急に、」
「急やあらへん。話したいねん、カイリュウと。」
「……そんなん、いっつも話しとるやんけ。」
「足らへんねん」
「っ、…なんや、なんかかっこつけてへん、?笑」
こういうとこや。掴めそうで、掴めへん。
俺が詰め寄ると、無意識なのかなんなのか、空気を軽くしようとする。
…そういうとこが、ええとこでもあんねんけど。
恋愛においては、壁になってしまう。
「……かっこ、つけたなるよ。」
「え、?」
「…………こんな渋い格好してんねんから。笑」
「っ、ぶ、ふははっ、!お前の渋いの基準どないなってん?笑」
あ〜〜。あかんやってもた〜!
俺の、こういうとこも、壁やねんな。
……でも、怖い。怖すぎるって。
壁を壊すのが怖くて、つい詰め寄るのをやめて冗談に切り替えてしまう。
こんなんじゃ、いつまで経っても。
「……カイリュウ、」
「ん?」
「あんさ、……今日、よかったら飲み行かへん、?」
「え、?今日?」
「おん。…そういや、飲んだことないな思てん、」
デートに誘うみたいに、ドキドキしながら返事を待った。
いや、俺にとっては、ちゃんとデートなんやけど。
少し間が空いて、耐えられず、カイリュウの口が開くのを期待して顔を見た。
「……渋いとこ知っとんの?笑」
にやっ、と口角を上げて、そう冗談を言ってのけるカイリュウ。
「っ、ぶっ、!ふふ、はははっ!おい!擦んなや!笑」
「擦るやろこんなもん!擦り倒したるわ!笑」
「は〜、も〜、せっかくかっこつけよ思たのに。」
「別につけんでもついてくるやろ」
「っ…、」
……ああっ、もう。
あかん。好きや。
ほんまに好き。
絶対、譲らへん。
「……なぁ、ほんで、行ってくれるん?渋いとこ。」
「もうちょい渋く誘えや」
「なぁ。笑」
「ふはっ。おん、ええで。俺は普通の服やけどな。」
「ほんまにいつまで擦んねん!笑」
「反応ええから擦りたなんねん。笑」
俺をいじって楽しそうに笑うカイリュウが可愛くて、独占できるのが嬉しくて、余計に冗談を言い合うのが面白く感じていた。
コメント
4件

きゃー!!もう楽しみすぎます😤 かいるーはどっちを選ぶの!! 個人的には🐰☕️推しです🫶 せいちゃん頑張れ🔥

初めてコメントさせていただきます!KAIRYUとSEITO、RANの三角関係?がどうなっいくのか気になります!😳更新楽しみにしてます!!