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14
海龍side
兄「海龍おるー?」
聖人「あれ海龍の兄ちゃんやん。」
休み時間に兄が教室に来た。隣には当たり前に…拓途。
「なんやねん」
兄「弁当忘れとったやろ」
「あ、」
兄「持ってきたったで。はい」
「…ありがとう」
拓途「結構おっちょこちょいなんや」
拓途がにやにやしながらそう言ってきてイラついた。
「うっさいねん外野が…」
兄「聖人くん、海龍のことよろしくな」
聖人「任せてください!こいつおっちょこちょいなんで俺おらんとあかんらしくて」
「そんなん言うたことないわ笑 お前は逆に俺に任される側やからな?」
聖人「は?ちゃうしな。」
拓途「2人仲良いんだ。」
「まあ、幼馴染やし」
拓途「…そうなんだ」
兄「じゃあ戻ろか。次忘れたらなんか奢ってもらうからな」
「最悪いややねんけど」
拓途「忘れないようにしないとやん笑 じゃあね」
「ほな」
その瞬間、ぽん、と頭に触れる感覚があった。
拓途が当たり前みたいな顔で、俺の頭を撫でてきた。
「…っ!?おぉい撫でんな!!」
いきなりのことで咄嗟に声が出る。
なに、頭おかしいんちゃうどういうことなに?
恋人ヅラすんな
俺が前を見た時にはもう兄と拓途の姿はなかった。
「はよ机戻ろ」
「…わかった」
聖人の機嫌が悪くなってるのは気のせいなんかな。
「海龍帰ろー」
「へーい」
「俺ん家来るん?」
「お前がいいなら遠慮なく行こうと思ってるけど」
「どうしよっかなー家のもん壊されるしな…」
「あれ前だけや!もう壊さんから」
放課後に聖人の家に行くことになった。ほぼ強制的に。俺が行きたいだけやけど。
「あっついなー」
「……なぁ海龍?」
「んーなにー」
「…………」
聖人が何か言いかけてやめた。
隣を見ると聖人は俯いていて、いつもとは違う感じがした。
「…なんかあったん」
「いや!やっぱなんもないわ聞きたいこと忘れた」
「その感じ絶対うそやん。なんかあんねやろ?」
「ほんまに忘れてんて!なんやったかなぁ」
そう言う割に顔は全然笑っていない。
「うわぁ、胡散臭。」
「思い出したら言うわ」
「変なやつ」
様子がおかしい聖人に困惑しながらも、聖人の家に向かった。
「お前のお兄ちゃんの隣におった人誰なん?」
「あいつの幼馴染。」
「仲良いん」
「言うて。仲良くしてあげてんねん」
「頭撫でられとったのに?」
「あんなんあいつが勝手にしたことで、仲良いとは限らんし」
「そうなん」
聖人はそう言いながら前を向いた。
けど、なんか機嫌はまだ微妙そうで。
その後も他愛ない話をしながら歩いているうちに、気づけば聖人の家に着いていた。
「お邪魔しますー!…あれ、お前の親御さんおらんの?」
「多分買い物行っとるんちゃう?知らんけど」
「えー会いたかったのに。」
「なんでやねん笑 会っても意味ないやろ」
そんな話をしながら慣れたように聖人の部屋に向かう。
「まってあつ!!なぁこれ読んでいい?ずっと読みたかってん」
「…ん、どれ??、あー別にええよ」
「よっしゃ!買うんめんどかってんなー…」
俺は漫画を手に取ったあと、聖人のベッドに寝転んで漫画を読む。
「ちょお前さぁ!制服のままベッド寝転ぶなよ!」
隣でゲームをしていた聖人がいきなり声をあげた。
「ええやんかうっさいなー…疲れてんねんこっちは」
「俺やって疲れてるわ!もう汚いぃ…」
「そんな言うなら部屋着貸せよ。俺の汗ついても良かったら着たるから」
「うわぁ、もう言い方いややわー…もうええよそのままで」
「ほんなら最初っから言うなや」
「わかってる?ここ他人の家やで?」
「ほぼ実家みたいなもん」
「ちゃうやろがい」
適当に返事をしながら漫画のページをめくる。
クーラーの風が気持ちよくて、さっきまでの暑さが嘘みたいやった。
聖人は隣でゲーム。俺は漫画。
こいつがさっき言いたかったことってなんなんやろ。そんなことを考えながら漫画を読み進めてった。
でもいつもとなんかちゃうくて、内容が頭に入ってこん。
「それおもろいやろ」
「…ん、うーん」
「絶対読んでへんやん」
「読んどう読んどう……」
漫画の文字もだんだんぼやけてきた。
あかん寝てまいそう、と思ったのを最後に意識が途切れた。
「……んん、、、」
まって寝てもうてた?目を開けたら部屋は真っ暗になっていた。
てか聖人は?あいつどこ行ったんや。
ゆっくりと体を起こすと、そこで違和感に気づく。
「……え?」
隣を見ると、床でゲームしとったはずの聖人が寝ていたのだ。どおりで暑いわけや。
コントローラーは床に転がっていてゲームの画面も消えている。
しかもちゃっかり毛布入っとるし。わざわざかけてくれたんかな。
「…帰るな。ありがとう」
小声でそう呟いて起こさんように、ベッドから抜けようとしたその時だった。
「……帰っちゃうん、?」
「おわっ!?なんやねん起きてたんかい!」
「同時くらいに起きた…」
「あぁそうなん?」
「ほんまに帰るん?」
「夜やし帰ろかな」
「そんなええ子ちゃんやないくせに」
「親うるさいねん。見てこの通知」
親からのメールを聖人に見せる。
「家まで送ろか?」
「ええわ1人で帰れる」
「じゃあ玄関まで送る」
聖人はそう言って2人で玄関まで向かう。
「親御さんまだ帰ってきてへんやん」
「今日仕事で遅い日やったかも。てかどんだけ会いたいねん笑」
「いや好きなのよ。聖人のお母さんもお父さんも」
「めずらし笑」
「ちゃんと飯食えよ。じゃ、おやすみ」
ドアノブに手を掛ける。
「海龍」
「ん?」
聖人に名前を呼ばれた振り向いた瞬間。
腕を引かれて、いきなり抱き締められた。
ほんまにいきなりのことで理解が追いつかない。
今、俺は聖人にかっこよくいうとハグ、されとるん?
「…聖人、」
「……………じゃ、また明日」
そう言う聖人は目を合わせようともせんかった。
抱き締めていた腕が離れて 俺はそのまま玄関を出た。
「なんやったんや…??」
けど俺はその場からしばらく動けへんくなってた。
未だにわからへん。なんでハグしたん。急すぎて頭にははてなマークしかあらへん。
コメント
2件

せいちゃん...応援してるぞ💪🏻
うわ、第3話読み終えました…!めっちゃ青春の匂いがする回でしたね。 まず冒頭の拓途が頭撫でてくるシーン、あれは一気に距離感が変わった感じがしてドキッとしました。海龍の「恋人ヅラすんな」って内心ツッコミ、めっちゃわかる(笑)でもその直後に聖人の機嫌が急に悪くなるところ、あれ絶対やきもちですよね…?幼馴染ゆえの特有の空気感がリアルでした。 そして最後の玄関でのハグ。まさか聖人からあんな行動が出るとは思わなくて、声出そうになりました。普段あんなにうるさいヤツが急に静かになるギャップ、効きますね。「じゃ、また明日」で目を合わせないところがもう…。海龍がその場で固まる気持ち、すごくわかります。 次が気になりすぎますっ…!