太宰治の「美男子と煙草」と云う作品を元にしていますが 、御本人様には関係ありません 。
若しかしたら 、同じような文章があるかも?
探してみてね 。
あ 、良ければ 、見つけたらコメントに … 。
⚠︎太宰を拾った日ネタバレ有り
洒落た音楽が響く、或るバー。
そこにある、独りの影。
「久しぶりだね。マスター、いつもの二つ」
茶色の外套を来た、背の高い男。
その男 _ 太宰治は、何を考えているのか判らない表情をする。
見えぬ誰かと、嬉しそうな、悲しそうな。
「此処に来たのは、異能力者連続自殺事件以来かな?」
愉しそうに、まるで年端もいかぬ子供の様に、だが、何処か苦しそうに、独り言を呟く。
それは独り言なんかではない。
誰かと話して居るのだ。
そう、誰かと _旧い友人と。
「今日は、久しぶりの非番なのだよ」
そう云い、 太宰が酒に口を付ける。
そして次に
「国木田君は『何時もサボっている貴様に非番等要らんだろう!』なんて云われたよ。鬼だよね〜…国木田君って」
それに対して、無い筈の一つの影が答える。
_太宰が仕事をしないのが悪いんじゃ無いか?
「これでも確りやって居る積もりなのだよ?」
すると、太宰が思い出したかの様に云った。
「ああ、そうだ。この前、仕事の現場が、“或る場所”の近くでね。何処って、“懐かしい処”だよ。少しばかり寄ってみたんだ。訊いてくれるかい?」
愉しそうに、話し出す。
少し前の仕事の現場で、既視感を感じた。
既視感。それもその筈、数年前、ポートマフィアだった頃、此処周辺で敵と戦ったのだ。
この先にあるのはきっと織田作の家。
私は行ってみることにした。
「随分、ボロボロになったものだねぇ」
ふと玄関ポーチへと繋がる階段に目を落とすと、血の跡がまだ残って居る。
その血の正体は、昔の私である。
この血の跡は銃で撃たれ、倒れていたときの物。
不幸な事に、織田作の所為で助かってしまったが。
いや、君と出会えたのだから、幸いだったのかもしれない。
私は、階段に腰掛け、バー・ルパンのマッチ箱を握り見つめた。
「そういえば、この時に“死ぬ前に行くべき場所”なんて云われて、あのバーに行ったんだっけ」
そんな一人言を呟く。
確かあれ、織田作に騙されたんだっけ。
私は懐から煙草の箱を出した。
その煙草は織田作と同じ銘柄。
出会った時、それこそ、ルパンへ行く前に吸っていたのと同じ煙草。
煙草を一つ手にとり 、火を付けた。
煙を吸い込み、吐き出す。
静かなこの空間には、独りの影と陽の光と煙草の煙が映るばかり。
煙を吸い込み、吐き出す。
煙草の先端から立ち上る煙が、空に引っかかって揺れた。
何十秒もの沈黙の後、太宰は立ち上がり、何とも云えない表情で“ ”と云った。
その後の静かなその空間には、一つの家と、陽の光だけが残った。
「織田作の家、とても古くなって居たよ」
私達の出会い、懐かしいね〜、と嗤う。
「まだ続きがあるのだよ。帰りが遅くなってしまってね。私の可愛い部下、新人の敦君がね、何を思ったのか……_ 」
「 ただいまぁ。太宰治が帰って来たよー。歓迎し給えー」
「太宰!!帰るのが遅い!!何処をほつき歩いていた!!」
同僚の国木田が怒鳴る。
国木田君の声は頭に響くなぁ、なんて思い乍ら答える。
「国木田君なんかじゃ到底判らない様な場所だよ」
「はぁ?取り敢えず報告書を書け!!」
私は渋々、「はぁーい」と云った。
すると、敦君が話しかけて来た。
「太宰さん、煙草でも吸いました?」
流石虎の嗅覚だなぁとも思った。
私は、曖昧に、「あぁ……一寸ね」と云った。
数十分程経った。
「終わったぁぁ…」
私は溜息を吐いた。
「国木田君てば、鬼なんだから〜…」
「貴様が仕事をしないからだろ!!」
そんな会話をした後。
「太宰さん!」
と、声がした。
振り向いてみると、敦君が、
「笑って下さい!」と。
急に云われたので、私は少し困惑した。
敦君は私を見て、言葉を続けた。
「顔を見合わせると、つい笑ってしまうものだなあ」
と云って笑い、私もつられて笑った。
「全く彼は心配症でね。でも、とても良い部下を持ったよ」
すると云うのだ。
_良かったな太宰。俺はお前が愉しそうで何よりだ。
「そうかい。」
そう云って微笑う。
「…ねぇ、織田作。“私はちゃんと人を救えているかい?まだあまり自信が持てなくてね” 」
沈黙。
数秒経って太宰が云った。
「今日は久々に、フグの内臓の刺身とドクツルタケの素焼きと、馬鈴薯の芽サラダでも食べようかな」
前は失敗してしまったからね。
そう云い乍ら太宰は立ち上がった。
「また来るよ」
そう云った太宰の背中が嘗てより少しばかり高く、明るかった。
あとがき
(ほぼ雑談)
𝙷𝙰𝙿𝙿𝚈 𝙱𝙸𝚁𝚃𝙷𝙳𝙰𝚈!!太宰!!
実在の方の太宰治様も!!おめでとう!!
今日誕生日なのでプレゼントに蟹缶でも送りつけときます。
わたし、文豪の中で太宰治が一番好きなんです!!
結構詳しい自信はあるけど…もっと本をいっぱい買いたいです( ; ; )
話変わってしまうんですが、太宰を拾った日ってめっちゃ良いですよね〜!!
太宰の織田作と居る時の子供っぽさが可愛い!!
…side-Aは。
side-Bはもう…辛い。
誰か語ろーぜ!?
まぁ以上です。
それじゃ ~ ぐっと・ばい!
コメント
23件
ゆーか…とても言いずらいんだが最後の太宰って文字が大宰になっている… あ、後は神作っす
ゆっけ!! 本当に投稿してくれたんだ!!今回も神作♡ ストーリー最高すぎましたわ、、今ちょうど読んでるところよ!でも読み始めたばかりだからまだ話せないかも 笑
お久〜ゆーかー! いやぁ新しい作品もめっちゃ良かった!最高すぎね!