テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【6話】その日、ルージュ魔法学園に緊急の依頼が入った。 近郊の森で魔力暴走の痕跡が見つかり、調査と鎮圧を行う必要があるという。
任務に選ばれたのは――望月くらげと星影海星。
「二人で行け。最強コンビなら問題ないだろう」
教師の言葉に、海星は静かに頷き、くらげの方へ視線を送った。
「……大丈夫だ、俺が守る」
くらげはにっこり笑い、「じゃあ、よろしくね!」と答えた。
◇◇◇
森は薄暗く、霧が漂っている。
やがて、黒い獣のような魔物が姿を現した。
「危ない!」
海星が水の壁を張り、くらげをかばう。
だがくらげも負けていない。光の矢を放ち、魔物の動きを封じ込める。
「海星くん、右から来る!」
「わかってる!」
二人の動きは探検祭のとき以上に息が合っていた。
やがて最後の魔物を倒すと、霧が晴れ、森に静寂が戻る。
「ふぅ……終わったね」
くらげがほっと息をついた瞬間、足元の枝に躓き、ぐらりと体が傾く。
「っと……危ない」
海星が素早く抱きとめ、強く引き寄せた。
「……怪我は?」
「う、ううん……ありがとう」
胸の中で答えるくらげの声は、少しだけ震えていた。
海星は離さずに、小さく呟く。
「……君は俺が守るって言っただろ」
くらげは顔を赤くしながらも、ゆっくり頷いた。
その瞬間、森を吹き抜ける風が、二人の距離をさらに近づけた。