テラーノベル
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街の電話ボックスに、一台の電話が残っていた。
受話器を取ると、留守番電話の
ランプが点滅している。
再生ボタンを押す。
『もしもし? 聞こえてる?』
若い女の声だった。
『お願い。窓を開けないで』
ノイズが混じる。
『あの音がしたら、絶対に外を見ちゃだめ』
そこで録音は途切れた。
最後に、小さな声が聞こえた。
『……もう、遅いけどね』
受話器の向こうから、風の音がした。
コメント
1件
むなさん、第4話読ませていただきました……。 「もうこの街には、誰1人もいない」という一文にある静かな絶望感と、そのあとにふと浮かぶ「どこへ行ったのだろう」という問いかけがすごく染みました。大きな音と風だけが残る世界——文章の余白から立ち上ってくる寂しさに、息を詰めるような感覚になりました。続きをそっと見守りたくなる、雰囲気のある素敵なお話でした🌷