私を救った高橋くんへ…
君は初めて会ったとき、私を見てちょっと意外そうな顔をしてたよね…高橋くんと関わるうちに、もしかしたらって思ったんだ。結果はビンゴ!合ってたよ。高橋くん、君は人の心の声が聞こえた。君は私にとって光になったんだ。昔高橋くんの噂は聞いたことがあったの。「高橋ってやつは昔心の声が聞こえたとか言ってたらしいぞ。」って…だから君のいる学校に転入したの。私は君にお願いをしたくて。私は、君に心を読んでほしかった。私の本当の気持ちを教えてほしかったんだ。でも…それはできないって君が言ったとき、正直凄く悲しかったし、君を恨んだ。筋違いなのは勿論わかってるよ。でも、私には君が一番の希望になってた。君と関わるうちに、君は人の心の声を聞くのを少し怖がっていたり、気味悪がっていることに気がついたの。でも…それ以上に君は、自分を一番気味悪がっていた。私は君が普通に生活して、心の声を聞いてそれを活かしているとばかり考えていた。でも…よく考えたらそんな事できるはずないよね。だって、心の声が聞こえるのは『普通』じゃないから。君は何よりも、普通でないことを恐れていた。そんな君に一言を送るなら、
『君は君でいてくれたらそれでいい。』
私にとっては心の声が聞こえる君だから近づいた。君にも心があるのを考えずに。無理に心を読んでもらおうとした。でも、君はできないって言った。私の心の声が聞こえないから…
私の音や声が聞こえなかったのは、きっと私が心を殺して生活をしていたからだよ。君は心を聞こうにも聞けない。そんな私が怖い。当然のこと。君には迷惑ばかりかけてたね。ねぇ、死ぬのが…怖いよ…死にたくない…君と生きたい。そんな思いばかり綴っても何にもならない わかってるよ。私の我儘だってことくらい。頭のいい君は分かってたんでしょ?私が君に近づいた本当の理由を…私が心を読んでほしくて近づいていた事に最初から気づいてたんでしょ?ごめんね、近づいたのが私なんかで…私なんかと出会わせて…ごめんね…
こうやって手紙を書いているのに…涙が溢れちゃう…君への思いが大きくなったあの日から、私は自分の感情を持て余してた。君が好きだと分かっていたはずなのに、伝えなかった。今では後悔しているような、言わなくてよかったと思っているような…どっちなんだろうね…
コメント
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「君は君でいてくれたらそれでいい」というセリフや本音がこぼれている場面に感動しました。