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「⁈あいつは…ロイ 」
ネモフィラが観客席から身を乗り出して言った。
「なぜロイ様が」
エミューがそう言うとロイは周囲を見渡し
「話は帰ってからだ。どうやらクフェア家の者もいるみたいだしな。」
とロイはエミューを連れてワープをしようとした。
「待て!お前は誰だ」
と俺が問いかけるも、ロイは俺のことを無視して、ワープゲートの中に入り消え去ってしまった。
「ごめんなさい。私達がもう少し早くきていれば…」
とネモフィラは申し訳なさと悔しさとが混じり合ったような顔をして言った。
皆に詳しく話を聞くと、ネモフィラとメリアの対戦が終わった後、なぜかその場にいた全員が魔法か何かで闘技場から離れた位置に転移させられた。それで皆は不審に思い、急いで闘技場に駆けつけたもののすでに手遅れだった。というわけだ。
「それにしても驚いたわ。まさかルシアちゃんが敵側だったなんて。」
「なぁ。ネモフィラなぜ君はロイとかいう奴のことを知っていたんだ。」
と俺は気になり尋ねた。
「…少し長くなるけど良い?」
と言い。ネモフィラは話し始めたそれはこんな内容だった。
昔、ネモフィラとロイは同じ村に住む友達だった。だが、特別仲が良いわけではなかった。ネモフィラの種族大精霊は大人になると村を一つ守らなければ行けないという使命があった。それでその村を守っていたのがネモフィラの両親だった。だからネモフィラ達一家は尊敬されていたし、ただの人間でしかも貧しい家の子のロイとは全く身分が違う人間だった。だから、ロイと特別仲良くなってしまえばロイがいじめられてしまうだろうと危惧し、ネモフィラはあまり親しい関係になろうとはしなかった。だがある日悲劇が起こった。ネモフィラがいつも通り朝起きて両親がいる部屋に行くと、両親が殺されており助けを呼ぼうと家を出るもすでに村人達は惨殺されていた。絶望しながら歩いていると1人外で立っている人がいた。生き残りかと思い安心したがよく見てみるとそいつは全身血まみれで手にはナイフが握られていた。そしてそこに立っていたのはロイだった。だからネモフィラはロイのことを知っているしとても憎いらしい。
「そんな過去が…」
「なぁネモフィラ、ロイは何か理由があって村人を殺したっていう可能性はあるんじゃないのか?ロイが完全に悪って決めつけるのはまだ早いんじゃ…」
ネモフィラはアニスの話を遮り
「いいえ!あいつは悪よ。確かに私もロイには何か理由があってやったんじゃないかって思っていた時もあったわ。でも…前話した話覚えてる?私の契約者が殺されたって話」
「うん。覚えてるよ。」
「え、俺知らな」
「黙ってろ」
とアニスはフレークに言われ不服そうに黙った。
「私の契約者を殺したのはロイ…だったの。その時私は聞いたの。どうしてこんなことをするの?って。あいつはこう答えたわ”理由などない。ただ、殺したかったから殺した。それだけだ”と。あいつは人を殺すのを何とも思わない化け物よ。」
皆黙りこくった。この世にはそんな悪魔みたいな奴がいるのか。と