そう言った元貴は、初めて見る獰猛さを纏っていた。
何か言う間もなくもう一度キスをされる。それはどんどんかき乱され深いものに変わり、なれない感触に脳が上手く作動しなくなる。色んな角度から歯をなぞられたり、舌を絡めたり。呼吸が苦しい。水音がいやらしくて目を開けられない。永遠に続くんじゃないか、と思えば、急にどちらのか分からない唾液を垂らして君はにやっと笑う。
「ぷはっ…」
「涼ちゃん、キスだけでこんなになんの?」
元貴がもう少しずつ反応している僕のそれをなぞった。
「敏感だね、初めてでしょ」
「う…。別に、いいだろ…」
ズボン越しとはいえ少しびくっとなってしまい、元貴は満足そうにTシャツに手を滑らせる。だから初恋だっての、お前はそりゃ経験豊富だろうけど。彼は首すじにキスをし、そのまま胸の辺りまでたくし上げてふたつの蕾を摘んだ。
「まだ触ってあげないよ。『抱いて』欲しいんだもんねー、涼ちゃん?しょうがないから俺がリードしてあげるね」
こいつ、わざわざ繰り返しやがって。目を逸らして何も言わないでいると、じゃあついでに喘ぐの禁止ねと意味のわからない要求をされる。
「えっ、は、んんっ…!」
「ちょっと〜ダメって言ったじゃん。喘ぐ度ここ弄るからね、我慢しないとイケないよ?」
そう言いながら摘んだ所を弄り始める。弾かれたりぐりぐりと押されたり吸われたりして、今まで感じなかった筈なのにジンジンと火照り出す。さらに耳まで舐められ、甘噛みまでされ思わず声が漏れないよう手で口を塞いだ。
「っ…。ん…、ふぅ…っ」
「何それ、逆にエロいんですけど」
耳元で呟かれる。それでも声は漏れ、しばらく弄り回さる。スボンに反応しきったものが当たり、擦れて苦しい。そろそろ限界が来た頃だった。しょうがないな、欲しがりだねと片方だけ長い前髪をかきあげ手を止めて、俺の背中を抱き上げた。体制を変え元貴に俺が膝立ちで跨るようになり、ズボンのチャックを下ろされ下着でそれの主張が更に増す。もう既に少しシミが出来ていて、目を逸らした。ソファーのすぐ側の棚の引き出しの中を、手を思い切り伸ばして元貴が何か探している。
「ローションあったかなぁ…。ごめん、ゴムしかないや。舐めてもらえる?」
と言って元貴は封を破り、ゴムを指2本に被せ、そのまま差し出してくる。え、と戸惑っていると口に躊躇無く突っ込まれた。
「はぅ!?なんれ…ひう?」
「いるいる。こうでもしないと涼ちゃん、めっちゃ痛いよ。ほらしっかり唾つけて」
嗚咽しそうになり、十分だと思ったのか俺の唾液でべたべたのゴムを指ごと引っこ抜いた。それを下着を付けたままの後ろに宛う。久しぶりの感触にぞわっと鳥肌が立った。少しずつ解されていると元貴が怪訝そうに、
「あれ、ガチガチじゃない…。もしかしてここ、自分で弄ってる?1回や2回じゃないよね」
「元貴、が…っ。してくれ、なかった日…。寂しくてっ」
「あぁ…。それで、自分で、じゃなくてここを若井に差し出した訳だ?」
「はぁ!?違っ…ひゃんっ!?」
遮るように器用に指を増やされ、いい所を擦られ声が出てしまう。まだ勘違いしているのか。俺は男だし、ネコだし、男が好きなんだから別におかしい事じゃないだろ。
「若井、とは…!ほんとになんもない!から…」
「ふーん。ならちゃんと言いな。自分で弄ってました、もう元貴君以外に突っ込まれませんって」
早く、と促されるがもう余裕がなくて上手く喋れない。ビンビンになった前もぐちゃぐちゃになった後ろも、気持ち悪くて早く挿れて欲しくて、多少の内容の違いと恥を押し殺す。
「も、元貴が構って、くれないから…。っ自分、で後ろ弄ってました…」
「もう元貴君以外には?」
「突っ込まれ、ませんっ…?」
「はーい、よく出来ました。」
ズボンを少しずらし、元貴も十分大きくなっているそれを取り出した。どくん、どくんと脈が早くなる。嫌だ、嫌だけど、今すぐ元貴のが欲しい。ゴムをそれに付け直し、下着をぬがし切られ、腰に手を添えられる。指とは比にならないくらいのが孔に当たった。
「力抜いて。いくよ」
「うん、はあっ…!」
入念に解されたそこは、初めてでもすんなりと受け入れた。ぞくぞくと足に力が入らなくなる。特に異物感もない。だがやはりキツくて元貴の動きが止まる。
「ぜ、全部入った…?」
「ううん。今半分、ってとこ…」
彼も余裕があまりないのか表情が乱れてくる。いやまて、今半分って言ったか?これの倍、俺の中に…?
「まっ、むりむり!しぬ!!」
「大丈夫。ん、ふっ…、深呼吸して?」
元貴の肩に乗せた手に力が入る。止めようにも力が入らず、体制のせいで重力によりそれは勝手にどんどん奥へ奥へと入っていく。キツくは無くなったが気持ち良さでどうにかなりそうだ。
「ああっ…、あ、だめ!」
「んっ、ここ?気持ちい?」
「気持ちいっ、元貴、元貴っ」
「うっ…。これで、全部。じゃ動くよ、掴んでてね」
そう言って元貴が腰を突き上げる。
「やだ、はっ、ああぁ…!も、むり!!」
意識が飛びそうな快感が、少しでも元貴が動く度何度も不規則に襲ってくる。まるで感覚を乗っ取られたようだ。腰が求めるように勝手に動く。既に数回果てている俺のそれは、また固く反り立ち始めていた。声を押える余裕なんて無く嬌声と水音が静かな部屋に響く。
知らなかった。こんなに気持ちいいなんて。
知らなかった。俺がこんなに感じやすいなんて。
お前が居なかったら、全部。
「ん、ごめ、俺もう出る…!」
その直後、彼が俺を貫き、俺のナカで達する。そこで今までで1番の快感に襲われ、頭が真っ白になった。俺も同時に果てて、完全に力が抜けて元貴の方へ倒れ込んだ。
「はっ、はっ、あぁ…」
「やっば、めっちゃいい眺め。エロすぎ涼ちゃん」
呼吸が整わない。お前は腰から手を離し、俺を抱きしめる。俺もしがみつくように抱きしめかえす。
「こんなのっ、知らない…」
「…。へぇ…」
まだ繋がったままの元貴のそれが、トロトロのナカで大きくなる感触があった。その途端びくんと身体が反応する。
「っ!?今イッたばっか…!ちょっと、待って待って待って嘘でしょ!?」
「…1回で満足すると思った?ほら欲しいんでしょ、中すっごい締め付けてくるよ」
背中に回った手を離してくれない。逃げようとじたばたもがく度に、弄られ突かれ感度たっぷりになったそこが疼いて上手く力が入らず、涙目になる。これ以上は本当におかしくなっちゃう。
にやりと笑う彼の頬は紅潮していて、色気たっぷりで。
本能的に背筋が凍り、喰われる、と思った。
俺は何かとんでもないものに手を出してしまったのかもしれない。守っていた周りを壊したのはお前だけでなく、俺の方もなのかも、そう今の元貴を見て感じる。
「…どんな涼ちゃんでも愛すから。満足するまで、注いであげる。ねぇ、全部、俺に頂戴?」
後悔、のはずなのに。
興奮している自分がいる。
あぁもう、本当に大っ嫌い。
夜はまだまだ、気が遠くなるくらい長いようだ。
◻︎◻︎◻︎
読んで下さりありがとうございます!
どうでしょうかね…??やばい、センシティブってめっちゃ難しいですね!自然に見えるのって凄い技術だと今更気付きました。尊敬です。至らぬ所多いと思いますが、感想やダメだしなど頂けたらと思います…泣
物語が半分を切りました。さあ、この一夜で2人はすれ違いを乗り越えられたのか?はたまた若井の動機は?
次も是非読んで頂ければ嬉しいです。
コメント
4件
後悔しつつも、興奮してて、大嫌いといいながら、きっと♥️くんの事が大好きで🤤素直になれない💛ちゃんが、可愛すぎました〜❣️ そして、しっかり💙にヤキモチ妬いてる♥️くんも良きです🫣 ♥️💛、めちゃくちゃ補給されました🤭❣️ありがとうございます✨
最高すぎます! 続きが楽しみ!