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「ん゛ん゛っ!ん゛ッー」
誰にも聞こえない
いくら叫んでも暗闇の中でこだますだけ
この暗闇の中でドアが空く音がする
足音が近付いてくる
目の前が真っ暗で分からない
コツンコツン
もう誰かは見当がついてる
此処には僕ともう1人
遂に足音が僕の目の前で止まる
『良い子でお留守番できた?』
目隠しとガムテープ、手脚を拘束していた物ががとられる
あの人の顔が見える
いつもの事
『怖がらないでよ』
取ってつけた様な笑顔を僕に向ける
その瞳の奥の暗闇にはどんな世界があるのか
『お腹空いてるでしょ?上で一緒に食べよう。』
手を差し伸べる
『ね?』
僕の震える手をとる
『行こ』
「ゃ…だ……」
『え?』
「い、かな、い……」
『何で?お腹空いてるでしょ?我慢しなくていいんだよ』
手を強く握る
「はな、して………」
『離したら?離してどうするの?逃げるの?』
『俺からは逃げれないんだから』
「………かえりた」
『帰りたいって二度と言うな。イライラする』
貴方の顔には眉間が寄っていた
この顔を見るのは初めてだ
もう1ヶ月
ここから逃げられるなんてもう思ってない
諦めかけている
でも、僅かな希望、可能性に賭けて