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あれから1週間が経った。あの日を境にいじめもなくなった涼太は照の勧めで眼鏡をコンタクトにして、髪を切った。するとなんということだろうか。涼太に寄ってくる人が増え、涼太によると告白してきたやつもいたという。…全員断ったらしいが。涼太いわく、「まだ人が怖くないという訳では無いし…何よりみんなといた方が楽しいから。」ということらしく、ちょっとニヤけたのはここだけの話。そんな涼太だが、今日は学校に来ていない。照や阿部が心配してたが、前聞いてた話で大体休んだ理由は分かっていたので、いつも通り授業をサボって涼太に電話をかけた。たっぷり10コール位は待ってから涼太は電話にでた。
「…もしもし。」
「あ、出た。俺、翔太。」
「…今授業中じゃないの?」
「いつも通りサボってる。」
「駄目だよ…ちゃんと出ないと…」
「だって心配だったし。」
「…」
「体調どんな感じなの?」
「…何で?」
「体調悪いから休んでんじゃないの?」
「…そう、だけど。」
「だからだよ。どうなの体調。」
「…熱と頭痛と吐き気があるくらい。」
「結構重症だな。」
「この位軽い方だよ。まだ咳き込みすぎて起き上がれない方がきつい。」
「うわ…」
「っ、ごめん、切って、いい?気持ち悪っ…」
「お、おう。いいよ、お大事にな。」
「ん、あり、がと。」
涼太は切羽詰まったように返事をすると電話を切った。
「…昼休みまで後何分だよ…」
いつも長い授業時間がさらに長く感じた。
「お、来たな。」
「珍しーね、翔太から俺らを呼び出すなんて。」
待ちに待った昼休み。俺はいつものメンバーを呼び出した。
「んで?何か呼び出した訳でもあるの?」
「今日涼太いねぇーじゃん?」
「そうだね。大丈夫かな…?」
「さっき電話したんよ。」
「お、んで?」
「…大分やばそうだった。」
「「「「うわ…」」」」
「どんな感じ?」
「体調どう?って聞いたら、熱と頭痛と吐き気って言われて、そのまま気持ち悪いからって切羽詰まった感じで電話切られた。」
「その後絶対吐いてるやつじゃん…」
「…お前らには言ってなかったけどさ。」
「うん。」
「あいつ体弱いんだよ。」
「…」
「だからいじめられてたって本人は言ってた。」
「「「「…」」」」
「まぁそれはまたの機会に深掘りするとして、涼太のお見舞い行きてぇからみんなで行こうぜ。」
「それはいいんだけど…親御さんとかは?看病してくれてるんじゃないの?」
「…あいつ親いねぇんだよ。」
「「「「え?」」」」
「だからなの、俺がこんなに大袈裟になってんの。」
「…分かった。行こうか。」
「うん。…でも授業は?」
「佐久間…今日職員会議だからもう終わりだよ。」
「そうだったー!にゃははー」
「えっそうなの?」
「翔太も知らなかったの?」
「まぁ翔太はいつも授業サボってるし。」
「まぁ好都合じゃん。はやく行こ。」
そうして俺らは涼太の家に向かった。