看病する道具やら見舞い品とかを買って、涼太の家のインターホンを押す。30秒位して、涼太が顔を出した。顔色は悪いのに頬だけ真っ赤だった。
「…、?みんな?」
「やっほー涼太。心配で来ちゃった。」
「…伝染るから帰りな…」
「そんなふらっふらな舘さん見殺しにできるほど俺ら鬼じゃないから。」
「…」
「照言い方冷たいけどこれでもめっちゃ心配してるんだよ。…ね、舘さん。俺らに看病させて?」
「…上がって…」
「ありがと。」
「お邪魔しまーす!」
部屋にあがると狭い部屋の端に布団が敷いてあるだけという簡素な状態だった。
「…舘さん、薬とかご飯とかは?」
「…ないよ。買うお金がもったいないし…」
「いつもどうやって治してんの?」
「ひたすら寝るだけ…そうすれば熱は引くし…」
「…よく治ってきたね…」
「…」
「とりあえず舘さんは寝といて。んで…翔太と佐久間は舘さんの近くにいて。ふっかと照と俺でご飯の準備をしよう。」
「おう。」
とりあえず阿部に指示を受けたので、佐久間と寝ている涼太の近くに行った。
「涼太。」
「ん…?」
「さっきと同じ?体調。」
「ん…」
「じゃあ…佐久間、体温計持ってきて。後冷えピタ。」
「りょーかい!」
「んで、吐きたくなったらそっちのビニール袋に吐いてくれたら助かる。…あ、頭痛てぇんだったら冷やすと悪いか?」
「…大丈夫、だと思う…?」
「…本人が疑問形だとまじ信用出来ねぇ…」
「取ってきたよー!自分ではかれる?」
「ん、ありがと佐久間。」
心配そうな佐久間から体温計を受け取った涼太だが、持ったままぼーっとしている。
「涼太?どうした?」
「…これ、どうやってはかるんだっけ。」
「「…え゙?」」
「…あ、思い出した。」
そう言って涼太は体温計を脇にはさんだ。
「ごめんね、使うの久々すぎて…」
「おう、びびったわ。」
「にゃははー」
暫くすると、体温計がなった。それを涼太が無言で俺に渡す。
「…え?見ねぇの?」
「…見たら体調悪化しそうで嫌だから。」
「…ふはっ、分かったよ。」
そう言ってから佐久間と体温計を見ると38.5という数値が確認された。
「…お前よくそんな平然でいられるな?」
「…今の翔太の発言で熱が結構あったことは理解できた。」
「…何かすまん。」
「いいよ、俺もそんな気はしてたし…」
「お粥できたよー!」
そう言って阿部はこちらに来た。
「はい、舘さん食べれる?」
「…うん。」
「他の奴らも今日はお粥な。」
「わーいお粥大好きー!」
「佐久間は何でも好きって言うよな。」
「好き嫌いがないってことだな!」
「ポジティブすぎない?」
そんなことを言いながらみんなでお粥を食べた。…きつそうに食べていた涼太を知らずに。
みんなでお粥を食べてから数十分が経った。それぞれがのんびり過ごしていると、涼太が布団の中でもぞもぞと動いた。
「涼太?」
「…っ、はっ…ぅ、ん…は…」
「涼太、涼太。どうした?」
「ふ、くろ…取って…」
「…!、はいっ…」
「ありが、~っゔ…」
袋を受け取ったかと思ったら、涼太は間髪入れずに食べたお粥を全部戻した。異変に気付いたみんながこっちにくる。
「翔太、舘さん吐いちゃった?」
「おう。見た感じさっき食ったお粥だろうな。」
「…無理して食べちゃったのかなぁ…」
「そうだろうね。」
「お゙ぇっっ、ゴホッゴホッ…ゔぇ…」
「っと、涼太。大丈夫だからな。」
吐き終わっても空嘔吐を続ける涼太は見ているこっちが苦しくなるようだった。数分後、空嘔吐が治まった涼太は気を失うように眠りについた。
「あ、涼太寝た。」
「ほんとだ…体力が尽きたんだね。」
「…お前らに1つ怖いこと言っていい?」
「え…何?」
「電話した時にさ、涼太がこの位軽い方だよって言った。」
「…」
「…怖すぎない?」
「これ軽い方なの?」
「世間一般から見たらきつい方だと思うんだけど。」
「…俺舘さんに対して過保護になりそー…」
「…右に同じく。」
「だよねぇ…」
「…とりあえず幸い今日は金曜日だし、泊まらせてもらって、看病しますか。」
「さんせーい…」
こうして、3日間かけて俺たちは涼太を看病した。そしてみんなであることを誓った。
コメント
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毎回楽しく見させてもらってます😭続き待ってます💓